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「口」が壊れると心や脳も崩壊する ポイントは2つ

「口」が壊れると心や脳も崩壊する ポイントは2つ

私の診療所では、保険診療をやめ、口腔内の治療以外に、食事改善の指導などを行っています。【解説】松見哲雄(松見歯科診療所院長・日本自律神経免疫治療研究会会員)、松見千奈美(松見歯科診療所食養指導管理士)

歯周病の回復に玄米食が驚くほど効いた

 松見歯科診療所では、2007年より保険診療をやめ、口腔内の治療以外に、食事改善の指導などを行っています。

 きっかけは、25年以上前、歯科医師の故・片山恒夫先生の講演で、「歯周病の改善に玄米が役立つ」という話を聞いたことです。私自身が玄米食にするとともに、患者さんにも勧めてみたところ、歯周病の骨の回復に驚くほどの効果が得られました。

 それどころか、玄米食を勧めるうちに、患者さんから「カゼをひかなくなった」「血糖値が下がった」「花粉症が治った」など、さまざまな症状に対する効果が報告されるようになったのです。

 生態学では、私たちの体を二つのパーツに分類しています。一つは、口から肛門までの内臓系で、シンボルは心です。もう一つは、背骨、肋骨、頭、手足の体壁系で、シンボルは脳です。そして、口は内臓系の入り口でもあり、体壁系の頭の一部でもある、両者のジョイント部分です。つまり、口が壊れると全身に影響が出るのです。

 はやりの糖質制限ダイエットに代表されるように、今は多くの栄養士さんが、砂糖、パン、めん類、果物、米など、すべての糖質をひとくくりにして考えています。しかし、一口に糖質といっても、その性質はさまざまです。糖質のなかには口を壊す(虫歯や歯周病を招く)食べ物、壊さない食べ物があるのです。

 砂糖などの甘い食べ物が、口を壊すものであることは明らかです。口が壊れると心や脳も崩壊するため、うつやアレルギー疾患をも引き起こします。
 また、砂糖や果物、精製された穀物は吸収が速く、血糖値を急上昇させます。すると、膵臓からインスリンが出て、急いで血糖値を下げます。血糖値が下がると、再び甘いものが欲しくなります。この悪循環が、食べすぎから肥満、糖尿病へとつながっていくのです

玄米は生きた完全栄養食

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 一方、口を壊さない食べ物は何かというと、日本人が昔から主食にしてきた米です。それも、吸収の速い白米ではなく、玄米です。玄米を食べていれば、歯を磨かなくても虫歯になることはまずありません。

 日本人は、伝統食である玄米を食べなくなり、口を壊す糖質ばかり食べるようになりました。そのため、口腔内にトラブルが起こり、多くの病気が蔓延するようになってしまったのです。

 玄米は、ビタミンE、ビタミンB群、鉄、カルシウムなどをバランスよく含む、生きた完全栄養食です。また、白米の約9倍もの食物繊維を含むので、腸の働きを活発にしてくれます。
 そのため、全身の免疫細胞の60〜70%が集まる腸では、腸管免疫が活性化して、免疫力が高まるのです。

 玄米を食べると、体が温まるため、体温も上がります。35度台や36度台だった私の患者さんたちは、玄米を食べ始めてから、ほとんどの人が、37度まで上がっています。体温が上がると、免疫力もアップします。

 よくかむようになることも、玄米食のよいところです。現代人の口腔内にトラブルがふえたのは、よくかまない食習慣によって、あごが未発達になったことも影響しています。ゆっくりよくかむと、自律神経のうち、休息時に優位になる副交感神経が刺激され、免疫強化にも役立ちます。

 そして、玄米はゆっくり吸収されるため、血糖値の上昇も緩やかで、腹もちがいいことが特長です。私や妻は、朝、玄米をたっぷり食べたら、夕方までおなかがすきません。間食が防げるので、口を壊すような食べ物をとらなくなることも、大きな利点といえるでしょう。

 玄米のヌカの部分には農薬がたまりやすいので、購入するときは無農薬のものを選ぶようにしてください。炊く前には一晩ぐらい水に浸けて、浸水に使った水はいったん捨て、新しい水で炊飯するようにしましょう。

 玄米が消化しにくいという人は、分づき米や胚芽米などから、段階的に始めてみることをお勧めします。
 当診療所の食事指導の原則は、「玄米を食べること」と「砂糖をやめること」の二つです。これらをセットで実践すると、便秘なら1週間ぐらいで効果が現れます。不妊に悩んでいた人が、半年で自然妊娠することも珍しくありません。
 そのほか、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、高血圧、子宮筋腫、肝臓病、腎臓病、うつが改善した人もいます。また、落ち着きのなかった子供が勉強に取り組めるようになり、学力も上がったという例もあります。

 玄米は、お代わりしてしっかり食べてください。少食にして、間食をしていたのでは意味がありません。一口につき50回はかみましょう。「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す」の10語を5回唱えれば、比較的簡単に、楽しく実践できます。

解説者のプロフィール

松見哲雄・松見千奈美
マクロビオティックをベースにした食事療法に加え、自律神経免疫療法や、丹田呼吸法などのホリスティック医療を導入。
極力抜歯をしない歯周病治療を得意とする松見哲雄院長と、妻であり食養指導士の千奈美氏が連携し、全身の健康まで視野に入れた治療を行う。
日本自律神経免疫治療研究会会員。

●松見歯科診療所
http://www.matsumishika.jp/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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