自然治癒力を引き出し病気を改善すると脳神経外科医も実践の「おなかこすり」

自然治癒力を引き出し病気を改善すると脳神経外科医も実践の「おなかこすり」

私は脳外科医として、西洋医療の範疇にとどまらず、あらゆるジャンルの効果のある療法を取り入れています。こうした、さまざまな療法を融合した医療を、「統合医療」といいます。私は「おなかこすり」(正式名称は「ヘソ按腹法」)を手術と並行して、ご家族に勧めています。【解説】篠浦伸禎(都立駒込病院脳神経外科部長)


解説者のプロフィール

篠浦伸禎(しのうら・のぶさだ)
●がん・感染症センター都立駒込病院脳神経外科
http://www.cick.jp/nouge/
●篠浦塾
https://shinouranobusada.com/

がん・感染症センター都立駒込病院脳神経外科部長。
1958年生まれ。東京大学医学部卒業後、富士脳障害研究所、都立荏原病院を経て2009年より現職。患者の意識を覚醒した状態で脳の手術を行う「覚醒下手術」では、トップクラスの実績を誇る日本を代表する脳外科医。また病気を少しでも改善し、医療レベルを上げるため「篠浦塾」を主催し、統合医療に関するセミナーを行い、講師や塾生と情報交換する場をつくっている。著書『統合医療の真実』(きれいねっと)が好評発売中。

悪性の脳腫瘍が消えて再発もない

私は脳外科医として、日々、脳腫瘍など重篤な病気の患者さんの治療に当たっています。
私たちが最終的に目指しているのは、患者さんがよくなることです。そのために、私は西洋医療の範疇にとどまらず、あらゆるジャンルの効果のある療法を取り入れています。
こうした、さまざまな療法を融合した医療を、「統合医療」といいます。

その中に、杉山平煕先生が考案された「おなかこすり」(正式名称は「ヘソ按腹法」)があります。
私はこれを手術と並行して、あるいは手術ができないような患者さんのセルフケアとして、ご家族に勧めています。

私のところには、膠芽腫という、非常に悪性度の高い脳腫瘍の患者さんがいます。その中で、おなかこすりを実践してよい経過をたどっている事例を二つご紹介しましょう。

Aさん(30代・女性)は寝たきりで、話すことも食事をとることもできない状態でした。西洋医療ではもはや治療のすべはなく、Aさんのお母さまにおなかこすりをしていただきました。するとしだいにAさんの意識が回復したのです。

もう一例は、Bさん(50代・男性)です。Bさんも打つ手がなく、非常に厳しい状況にありました。しかし、奥さんにおなかこすりをしていただいたところ、半年ほどで腫瘍が消えて、現在も再発していません。

自然治癒力をいかに引き出すかが大事

これらは、現代の医療の常識では考えられないことです。
しかし、おなかこすりなどを併用することによって、再発せず、1~3年もよい状態を保っておられる患者さんが現時点で4名もいます。

こうした結果が出るのは、おなかこすりが、自然治癒力を最大限に引き出しているからと考えられます。

実は、私が行っている脳の覚醒下手術も、自然治癒力を引き出す手術です。覚醒下手術とは、患者さんの意識を覚醒させたまま手術をすることで、手術後の後遺症(マヒなど)を少なくする手術です。

覚醒下手術では、手術中に症状が悪くなると、いったん休みます。すると患者さんの自然治癒力が働いて、症状が回復することがよくあります。
さらに術後も自然治癒力が働くため、1ヵ月後には症状が改善しています。全身麻酔の手術とは比較にならないほど、術後の成績がよいのです。

脳の視床下部のレベルを上げる

では、なぜおなかこすりが有効なのかをご説明しましょう。
人は大きなストレスを感じると、腹部の筋肉を緊張させます。動物を見るとわかりますが、動物は敵がいると、本能的に腹部を緊張させておなかを守ろうとします。おなかには、大事な臓器が詰まっているからです。

腹部の筋肉が緊張すると、内臓の動きが制限され、消化も十分に行われません。身を守るために一時的に緊張するのはいいのですが、これが慢性的な状態になると、病気になります。

逆に言えば、おなかをゆるめることで消化管を動きやすくし、自律神経(意思とは無関係に働く神経)のうちの副交感神経(リラックスをつかさどる神経)を活性化できます。それが、自己治癒力を上げることにつながります。

この自己治癒力に関係が深いのが、脳の視床下部です。
視床下部は自律神経の中枢になりますが、同時に意識(心や魂)を支配している中枢でもあると、私は考えています。

覚醒下手術をしていると、脳のどの部分を触るとどのように症状が変わるかがわかります。
たとえば、手術中に少しでも視床下部に触れると、意識がバーッと落ちていきます。このことから、視床下部は覚醒の中枢であり、脳全体の意識を支配していると考えられるのです。

おなかをゆるめると、その視床下部のレベルが一瞬のうちに上がります。それは物質のやり取りでなく、波動的なものがおなかから視床下部に直接伝わるからだと私は考えています。
視床下部のレベルが上がれば、自然治癒力も上がって、ストレスや病気にも打ち勝つことができると考えられるのです。

特に日本人は、協調性を大事にする副交感神経主体の民族です。だからこそ、おなかをゆるめることで、治癒効果が働きやすいのです。
私も毎朝、必ずおなかこすりをしています。もともとおなかは軟らかいほうでしたが、今はさらに軟らかくなっています。とても簡単で効果の高いセルフケアだと実感しています。

おなかこすりで視床下部のレベルが上がる

「おなかこすり」のやり方

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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