解説者のプロフィール

内臓が下垂すると上あごの骨が奥に引きこまれる
●小顔の矯正サロン ボディクラシック
東京都港区南麻布4-5-48 フォーサイト南麻布4階 GLAMOROUS H
03-3473-1001
https://www.bino-omamori.com/
●ブログ『小顔の美容塾 BODY CLASSIC』
https://yaplog.jp/body-classic/
山口さゆり(やまぐち・さゆり)
小顔矯正サロン・ボディクラシック代表。
アロマセラピーとクラニオパシー(頭蓋骨矯正)による小顔矯正サロン「ボディクラシック」を主宰。骨、筋肉、自律神経に働きかける独自の矯正技術を開発。体と頭蓋骨のゆがみを取り、バランスのよい小顔にする施術を得意とする。
下の写真をご覧ください。中顔面(目の下から口まで)が間延びして、のっぺりとしていた顔つきが、キュッと締まってメリハリが出たことがわかると思います。

1995年 自分の顔にコンプレックスを感じていた頃
1998年〜2003年 美容矯正の施術を受け、技術を学ぶ
2007年〜2011年 オリジナルの矯正技術を研究
これは私自身の顔の変化です。私は20年にわたって、小顔作りに取り組んできました そもそも、小顔矯正術を考案するのに至ったのは、私自身が面長の顔にコンプレックスを持っていたからです。
私の場合、年を重ねるにつれ、顔の長さが気になってきました。間延びした顔は、疲れて老けた印象を与えるため、美的な点で決してプラスになりません。
実は、顔が長い人には共通した特徴があります。巻き肩(体の前側に肩が巻き込まれた姿勢)で、バストが下がって肋骨下部が広く張り出し、下腹がポッコリと出た人が多いのです。
それぞれ離れている部位なので、一見関係ないように思われるかもしれませんが、間延びした顔、萎んだ胸、引っ込まない下腹部は、内臓下垂と深い関係があります。
私たちの体の中には、口を入り口、肛門を出口とする1本の管が通っています。口、のど、食道、胃、小腸、大腸、直腸、肛門と続く、その管のいちばん先端は、上あごの骨(上顎骨)につながっています。そのため、胃や腸が下垂すると、管全体が引っ張られ、上あごの骨が奥にずれてしまうのです。
頭蓋骨は柔軟に形を変えている

皆さんは、頭蓋骨というのは、硬く、形が変わらないものというイメージを持っているかもしれません。しかし、それは誤解です。頭蓋骨は、たくさんの骨が歯車のように複雑に嚙み合ってできていて、連動しながら柔軟に形を変えています。
上顎骨が奥に引きこまれると、頭蓋骨のほかの骨も動いていきます。上顎骨は、頭蓋骨の中央にあり脳の受け皿になっている蝶形骨という重要な骨とも接しています。
上顎骨が内臓下垂によって引っ張られると、蝶形骨のゆがみが側頭部や後頭部の骨まで伝わり、頭部が前後に押しつぶされた形になります。
鼻は上顎骨の上に乗った軟骨ですが、土台が奥に引き込まれて地盤沈下するので、鼻も低く広がって見えます。後頭部は絶壁になります。下あごの骨は、下に押し下げられ、前にせり出してきます。
頭蓋骨を含めて骨格は、変形しながらも容積を維持しようとする働きがあります。
目鼻口を描いた風船を想像してください。前後に押しつぶすと、顔は広く大きく見えます。さらに左右を押さえたら、行き場をなくした空気が上下に逃げ、顔が長くなるでしょう。
こうして内臓下垂をきっかけに、面長、低い鼻、前にせり出したあごで、横から見るとまるで三日月のようなしゃくれた顔になるというわけです。
僧帽筋の緊張が内臓下垂をまねく
また、顔が長くなるのは、血管や内臓の働きを調節している自律神経にも関係があります。
ストレスなどで自律神経のバランスがくずれると、肩こりの筋肉といわれている僧帽筋(首、肩、背中を覆う筋肉)が過度に緊張して硬くなります。
僧帽筋はえり足のところで頭蓋骨にくっついているため、僧帽筋が緊張して盛り上がると、頭蓋骨が押し上げられます。これに伴い、顎関節と下顎骨が押し下げられるため、あごが下がって顔が長くなるのです。
また、背中側の僧帽筋と胸側の大胸筋は、お互いにバランスを取り合って働く拮抗筋です。しかし、僧帽筋が過度に緊張すると、大胸筋が極端に弱って僧帽筋に押された肩がぐっと前に出て、肋骨の上部を縮こまらせてしまうのです。
すると、先ほどの頭蓋骨と同じように、肋骨内の容積を確保するために、肋骨の下部が広がります。肋骨下部に付着している横隔膜は、本来はアーチ形をしていますが、肋骨の下部が広がれば、横隔膜は引き延ばされて平らに近くなります。
すると、横隔膜のアーチ形内に収納されていた胃と肝臓が肋骨の下縁より下まで押し下げられ、腸が押しつぶされて、全体に内臓下垂が起こってしまうのです。

肋骨がゆがみ内臓が下垂すると顔の形も変わる
小顔と同時に下腹が引き締まりバストアップ
内臓下垂を改善し、内臓やそれにつながる口蓋を、本来あるべき場所に戻すためにお勧めなのが、僧帽筋の緊張をゆるめるポーズです。ひざをつけた腕立て伏せの姿勢を10秒維持します。こうすることで、脳の「自体重を支える機能」を目覚めさせていきます。
僧帽筋の緊張をゆるめるには、自律神経にストレスを与えないことがとても重要です。急がば回れで、決して焦らずがんばりすぎず、「やっていることを忘れる」くらいに負担のないように続けてください。
また、僧帽筋が頭蓋骨に付着している後頭部のえり足に沿ってクルクルと円を描くように指先でもみほぐしましょう。
このとき片手で額を押さえ、力が逃げないようにすることで、軽い力でのマッサージでも十分な効果が得られます。
僧帽筋の緊張が強い人は、首を反らして上を向くのもつらいはずです。えり足マッサージで僧帽筋がゆるんできたら、少しずつあごを上げて上向きでマッサージをすると、さらに効果的です。
3ヵ月ほどで、僧帽筋に押されていた大胸筋が息を吹き返し、縮こまっていた肋骨上部がフワッと広がり、肋骨下部と横隔膜が引き締まってきます。
そして、横隔膜のアーチ形が復活して、胃と肝臓がアーチの中に納まり、内臓下垂が解消します。バストアップや下腹をへこませる効果も得られます。

肋骨上部を開くとあごのずれが解消する。小顔になってバストアップも!
もう一つは、こめかみのマッサージで、蝶形骨のゆがみを取り、顔の形を整えます。皮膚ではなく、骨を動かすつもりで行ってください。
これらのエクササイズは、1日の中でいつ行ってもかまいませんが、なるべくリラックスできる時間に行いましょう。頭蓋骨は緊張すると硬くなり、柔軟性が失われるからです。
これらのエクササイズを続けていると、皮膚の下の毛細血管の流れがよくなるので、小顔になるだけでなく、肌にツヤと透明感が出てきます。
また、顔が長い人だけでなく、丸顔だったりエラが張った人が行っても、バランスのいい卵形の小顔になります。
いくつからでも、ケアをすれば必ず顔は美しく変わります。ぜひ試してみてください。

正面顔が短く小顔になった分、横顔に奥行が出て立体的に見える。絶壁だった後頭部も丸くなった
内臓下垂を改善する「1分小顔体操」のやり方
「これぐらいで効くの?」という無理のない範囲の刺激を与えるのがポイント!
『決してがんばりすぎないこと!』

❶ひざを床につけ、手を肩幅よりやや広めについた姿勢をゆっくり10秒数える間、キープする。
◎2週間以上続けて無理なくできるようになったらひじを少し曲げて10秒キープする。
◎1ヵ月以上続けて、無理なくできるようになったらひじをもう少し曲げて10秒キープする。

❷右手の親指と中指を左右のこめかみに当て、左手で後頭部を支える。

❸こめかみを押さえたまま、手を左右にずらす。往復10回。

❹左右のこめかみを交互にねじるように上下にずらす。往復10回。
❺左手でこめかみを押さえて、③~④を同様に行う。

❻左手で額を支えながら、右手の指の腹で小さな円を描くように、えり足に沿ってクルクルともみほぐす。2往復したら、手を入れ替えて、同様に行う。