MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
これから旬!ミカンにレモン、柑橘類に新しい健康効果が続々報告!

これから旬!ミカンにレモン、柑橘類に新しい健康効果が続々報告!

柑橘類はフラボノイド、カロチノイド、クマリン、テルベン、リモノイドなどの機能性成分を含んでいる。その機能性とは、ガン細胞のアポトーシス誘導作用、脂質代謝改善作用、抗炎症作用、関節リウマチや関節破壊症に関与する物質の生産阻害などで、その有効性を報告する研究が多数あるという。【構成】ケンカツ!編集部

温州ミカン果実に抗アレルギー作用 レモンの香りに記憶力の強化作用の報告あり

柑橘類は昔から健康にいいといわれてきたが、その科学的根拠は知られていなかった。その後研究が進み、徐々に明らかになってきている。

まずアルツハイマー病患者に対する、アロマセラピーの有用性に関する研究では、まず香りが鼻腔を通って、香りの情報を記憶や感情に深いかかわりを持つ大脳周辺系に伝わる。続いて視床下部に情報が送られ、その香りの種類に対応する神経活性物質が放出され、さまざまな有用な効果をもたらすという。

ローズマリー&レモンは集中力を高め、記憶力を強化する刺激的な作用があり、ラベンダー&オレンジは心や身体への鎮静作用があるという。

そして老人介護施設での実験結果は、アルツハイマー病の症状の改善がもたらされることが見出されている。

アロマセラピーは安全で、簡単、誰にでも行えるので、治療法のみならず新たな予防法となる可能性があるとしている。

また柑橘類はフラボノイド、カロチノイド、クマリン、テルベン、リモノイドなどの機能性成分を含んでいる。その機能性とは、ガン細胞のアポトーシス誘導作用、脂質代謝改善作用、抗炎症作用、関節リウマチや関節破壊症に関与する物質の生産阻害などで、その有効性を報告する研究もある。

次に最も身近な柑橘類ともいえる温州ミカンでは、温州ミカン果実の抗アレルギー作用の研究が行われた。未熟果実が最も抗アレルギー作用が強く、果実が熟してくると効果が低下するという結果になったという。

筋肉増加を活性化させるカンキツ成分の一つが「ノミリン」

また鹿児島県特産の柑橘類の研究では、炎症抑制機能が認められたという。鹿児島県固有カンキツ類のタンカン、ケラジミカン、ポンキツの皮から抽出した物質の実験において、炎症の指標である炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子(TNF-α)を濃度依存的に抑制する炎症抑制機能が認められたという。また未熟果のほうが炎症抑制機能高い結果を得たという報告がされている。

さらに東京大学大学院農学生命研究科の佐藤隆一郎教授、佐々木宗特任助教の研究グループによれば、高齢者のフレイル(虚弱)やサルコペニアの予防には、食事による栄養補給と運動をしっかり行うことが骨格筋(骨格を動かす筋肉)を増強するうえで有効である。

しかし高齢者にとって日常的に運動すること、栄養をしっかり摂ることが難しい場合もある。その際、摂取するだけで筋肉増加を活性化させるカンキツ成分のリモノイドの一つが「ノミリン」だと報告している。

「ノミリン」は柑橘類の苦味成分の一つで、国産レモン、ゆず、キンカンなどの柑橘類に含まれているとしている。

日本はカンキツ類が豊富。時期により旬の柑橘類を楽しむことができる。身近な食材で、健康効果が高いのは注目だ。今年の冬は健康のために「炬燵でミカン」、もしくは柑橘類を皮ごと使用しているマーマレードや、柑橘類の自家製ハチミツ漬けなどを使ったメニューを食事に取り入れるのがいいかもしれない。

●参考・引用
アルツハイマー病患者に対する、アロマセラピーの有用性に関する研究
Dementia Japan :19 77-85,2005

カンキツ果実の機能性成分の検索とその有用性に関する研究 近中四農報告5 19-84(2005)野方洋一https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010723234

YAKUGAKU ZASSHI 109(11)835-842(1989)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi1947/109/11/109_11_835/_article

鹿児島県特産カンキツの腫瘍壊死因子の生産抑制機能 平成14年
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010012609

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この記事のエディター
関連記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
症状の原因ははっきりとはわかりませんが人工透析を行う人には老若男女問わずよく現れるものです。これに薬で対応しようとすると体にもっと大きな負担がかかってしまいますし、副作用も心配です。少しでも患者さんの体に負担をかけずに症状をやわらげるのに「手のひら押し」が有効だと思っています。【解説】佐藤孝彦(浦安駅前クリニック院長)
東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル