学校でのあだ名は「便秘子ちゃん」
私は、物心ついたときから最近まで、普通の人の楽しみを知らずに生きてきました。
というのも、食べたいと思う物を食べられる、好きなときに外出できるといった喜びを味わえるようになったのが、ほんの1年半前。「甘酒寒天」と出合ってから、人生が変わったといっても過言ではないのです。
小学校に上がるころから胃腸の不調に悩まされていたのを、よく覚えています。胃のほうは空腹時や就寝時に起こる、針で刺されるような激痛。加えて、騒音レベルといえるほど大きなおなかの鳴る音です。
胃もたれや胸やけの症状もあり、一度にたくさん食べられないので、家では、少量ずつ、こまめに食事をとっていました。
しかし、学校に通っているとそうはいきません。隠れてクッキーを食べるなどして、なんとかしのいでいました。それでもおなかの音が大きく鳴り響いてしまい、数え切れないほどの恥ずかしい思いをしてきました。
腸のほうの症状は、主に便秘です。1週間以上お通じがないのがあたりまえと思っていたのですが、たまたま学校でトイレの話になり、毎日便通があることが普通だと知りました。
そのときを境に「便秘子ちゃん」というあだ名を付けられ、悔しいやら悲しいやら。そしてようやく便通があると、決まってひどい腹痛と下痢になり、なぜか頻尿にも悩まされます。
学校行事があると、心理的な負担からか、いっそう症状が悪化。けれども、トイレに長くこもるとからかわれるため、拷問のような痛みをこらえながら帰宅するほかありません。我慢していたら、大きなおならが出てしまい、その場から消えてしまいたいこともありました。
もちろん、あらゆる市販薬を試し、あちこちの病院を回りました。都心の有名な病院はもちろんのこと、評判がいいと聞けば、遠方でも足を運びました。しかし、どの病院でも私の症状に病名は付かず、胃腸薬の処方箋が出されるばかりです。
処方薬は、市販薬よりは効果がありましたが、それも服用している間だけ。状態がよくなっても一時的で、薬をやめると、元にすぐ戻ってしまいます。
「一生、これが続くのか」と、毎日憂うつな気持ちで、薬を飲み続けていました。
おなかの大きな音やおならの悩みも一掃!
そんな私に転機が訪れたのは2016年の冬のことです。
『壮快』を愛読している母が、「今、甘酒がはやっていて、腸にいいんだって。日本人のおなかには甘酒が合うんじゃない」と、勧めてくれたのです。
そこで早速、甘酒を作って食べてみました。一口食べた印象は、「おいしすぎる!」。これなら続けられる、と思ったら数時間後にはもう胸やけが治まり、さらにビックリしました。翌日からは、おなかの異常音もなくなり、1週間ほどで胃痛も解消しました。
それでも腸の調子はいま一つでしたが、2017年2月ごろのことです。同居している祖母が作ってくれた寒天のデザートを食べたところ、翌日から急に便通がよくなりました。
そこで、「両方を組み合わせてはどうか」と思いつき、甘酒を寒天で固めてみたら、これが大正解でした。甘酒だけよりも、圧倒的にお通じがよくなり、便の量や状態もいいのです。
翌日から変化を実感し、1週間も経つと、腸が悪かったことを忘れるほど、快調になりました。トイレは数分でスッキリ。おならが頻繁に出ることも、頻尿もなくなりました。それからは、病院にも通っていません。
私の場合、甘酒寒天を作るのは、月に2回程度です。
甘酒はまず、白米か玄米を2合、炊飯器のおかゆモードで炊きます。温度を60度まで下げたところに、市販の乾燥米こうじ200gを混ぜ、ふたを開けたままで、ふきんをかけて、一晩放置。これで出来上がりです。
甘酒寒天は、水400mlに粉寒天4gを加えて煮立て、2分ほど沸騰させます。これを容器に移し、ある程度冷めたら、甘酒を200g入れてよく混ぜ、完成です。実際に作ると、想像しているよりずっと簡単です。
甘酒寒天はおいしいので、続けるのが苦になりません。始めた当初、効果を求めるあまりたくさん食べていたところ、逆におなかを下してしまいました。今は、夕食後のデザートに50gほどを食べています。私には、この量がベストなようです。
これまでの20数年間、悔しく恥ずかしい思いばかりしてきましたが、甘酒寒天のおかげで、普通に過ごせることのありがたさを実感できました。甘酒を勧めてくれた母には、感謝の気持ちでいっぱいです。これからはこの健康を維持して、人生を満喫したいと思います。

過敏性腸症候群の改善にさまざまな面から寄与(平田肛門科医院院長 平田雅彦)
腹痛を伴う便秘と下痢を長期間にわたりくり返す、こうした上山さんのような症状は、心因性の過敏性腸症候群の可能性があります。ストレスが要因になることが多く、上山さんの場合は、症状により引き起こされたストレスが高じて、さらに症状が悪化するという悪循環に陥っていたのでしょう。
腸内環境の改善は、便秘や下痢の解消に直接的に役立つだけでなく、精神の安定にもつながります。甘酒寒天はさまざまな側面から機能し、上山さんの症状改善に寄与したのでしょう。
お通じが圧倒的によくなった!