MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
ぐっすり快眠体質に! 睡眠専門医が勧める温冷交互の“足だけ”シャワーのやり方

ぐっすり快眠体質に! 睡眠専門医が勧める温冷交互の“足だけ”シャワーのやり方

温かいお湯をかけたあとに冷たい水をかけることで、血管が刺激を受けて拡張し、全身の血流がよくなります。入浴後の深部体温も下がりやすくなるのです。さらに、全身の諸機能をつかさどる自律神経のうち、副交感神経が優位な状態になります。体がリラックスするため、より眠りにつきやすくなるでしょう。【解説】坪田聡(雨晴クリニック副院長)

解説者のプロフィール

坪田聡(つぼた・さとる)
●雨晴(あまはらし)クリニック
富山県高岡市太田桜谷23-1
9766-44-8061
http://www.meijukai.com/new/ama-cli-index.html

雨晴クリニック副院長。医学博士。
1963年、福井県生まれ。睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送るための指導や情報普及に努める睡眠の専門家。日本睡眠学会、日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。『睡眠専門医が教える!一瞬で眠りにつく方法』(宝島社)、『パワーナップ仮眠法』(フォレスト出版)など著書多数。
「快眠で健康な生活を送ろう」をコンセプトに、睡眠の質を向上するための指導や普及に尽力。インターネット上の情報サイト『All About』で睡眠ガイドを発信。

睡眠不足は万病の元!高血圧が1.7倍に!

睡眠は、日中に活動した脳と体を休めるための大切な時間です。一般的に、理想の睡眠時間は7時間程度といわれますが、睡眠不足だったり、浅い睡眠しか取れない日が続いたりすると、脳や体の疲れはいつまでも解消されません。

当然、頭の回転は鈍り、体の動きは悪くなって、本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。脳と体の機能が著しく低下するため、日中の仕事や家事、勉強などに大きな悪影響を及ぼすでしょう。

脳には、人間の感情や記憶をつかさどる扁桃体と呼ばれる場所がありますが、ここの働きも低下します。すると、感情がうまくコントロールできなくなって、小さなことでイライラしがちになります。十分な睡眠は、毎日を気持ちよく過ごすうえでも、対人関係を良好に保つうえでも必要だといえるでしょう。

睡眠不足による弊害は、これだけではありません。病気や不調を招くことが、国内外の研究によってわかっているのです。カゼや頭痛といった比較的軽い症状から、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満といった生活習慣病、うつなどの精神疾患まで多岐にわたります。

一例を挙げると、47〜67歳の女性で睡眠が5時間以下の人は、7時間の人に比べ、高血圧の人の割合が1.7倍も多いというデータがあります。日々の十分な睡眠、良質な睡眠は、病気予防の観点からも、非常に重要といえるでしょう。

全身の血流がよくなり深部体温が下がりやすい

夕方から翌朝までの気温が25度以上になると熱帯夜と呼ばれ、入眠しにくくなるといわれています。しかしそもそもなぜ、気温が高いと眠れなくなるのでしょうか。それは、睡眠のメカニズムが、深部体温と深く関係しているからです。

深部体温とは、私たちが体温計で測る一般的な体温=皮膚温とは違い、体の内部の温度のこと。この深部体温が下がることによって、私たちは眠気に襲われて、深く良質な眠りにつくことができるのです。

心地よい眠りにつくには、手足の末端から体温を放熱し、深部体温を下げる必要があります。しかし熱帯夜のように気温が高い環境だと、手足からうまく放熱できません。

私は、暑さで眠れないかたには、睡眠中にエアコンをつけることを推奨しています。エアコンは体に悪いと考える人がいますが、適切に使用すればそんなことはありません。寝室を少し低めの26度設定ぐらいにすると、不眠のかたでも眠りやすくなるでしょう。

経済面や節電を考え、一晩中エアコンをつけることに躊躇されるかたは、入眠してから3時間後に消えるようにあらかじめ設定してください。睡眠の始めの3時間には、深いノンレム睡眠が集中して現れます。この間は体だけでなく脳も休むため、体温調節がうまくできません。ですから、この3時間だけでも理想的な室温を保ち、深部体温が自然に下がりやすい環境にするといいのです。

就寝時の環境を整えるとともに、就寝前には体を睡眠に備えることも重要です。パソコンやスマホといった強い光を放つ液晶機器を見るのは控え、なるべくリラックスして過ごしてください。好きな音楽を聴いたり、アロマをたいたりしてもいいでしょう。

ぐっすり快眠体質になる!足だけシャワーのやり方

43度くらいのお湯をシャワーで2〜3分、左右の足に交互に当てる。
20度くらいの冷水をシャワーで20秒ほど、左右の足に交互に当てる。

入浴するタイミングも、快眠には重要なポイントです。就寝する1〜2時間前に、入浴するよう心がけましょう。入浴で深部体温を意識的に上げることで、その後、自然に下がりやすくするのです。

ただ、真夏に湯船に浸かるのは、なかなかつらいかもしれません。この時期の入浴としてお勧めなのが、ドイツの伝統医学であるクナイプ自然療法で行われる温冷刺激による方法です。

まずは普通にシャワーを浴びて、全身をよく洗いましょう。
そして、43度くらいのお湯をシャワーで2〜3分、左右の足に交互に当てます。次に、20度くらいの冷水をシャワーで20秒ほど、左右の足に交互に当てます。

このように、温かいお湯をかけたあとに冷たい水をかけることで、血管が刺激を受けて拡張し、全身の血流がよくなります。入浴後の深部体温も下がりやすくなるのです。さらに、全身の諸機能をつかさどる自律神経のうち、副交感神経が優位な状態になります。体がリラックスするため、より眠りにつきやすくなるでしょう。

人間の体は、夜にぐっすり熟睡するからこそ、日中はスッキリと活動できるものです。昼と夜とで、覚醒と睡眠のリズムがしっかりできていないと、心身のバランスがくずれ、先述したように病気や不調を招きかねません。ぜひ、このシャワー法を実践してみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
1日の疲れを取るには、就寝時間や睡眠時間ではなく、「眠りに就いて4時間以内に、深睡眠を取ること」がたいせつなのです。しかし現代人の多くは、深夜にテレビやスマホを見たり、ストレスで体の緊張が取れなかったりして、本来の睡眠リズムが狂い、深睡眠を取りづらくなっています。【解説】白濱龍太郎(睡眠専門医)
手の小指に湿布を貼る「小指シップ」は交感神経の緊張をゆるめ首すじのこりをほぐします。交感神経は副交感神経と対になって働き内臓や血管などの働きを調整しています。交感神経が緊張して自律神経のバランスがくずれるとさまざまな不調が出てきます。小指シップにはそれを抑える作用があるのです。【解説】安田譲(安田医院院長)
私が不眠に悩むようになったのは、1〜2年前からです。タマネギを枕元に置くようにしてからは、布団に入って10〜15分でスーッと眠れるようになりました。「これで私は眠れるんだ」という自己暗示も効いているかもしれませんが、タマネギのにおいで気持ちが安定する実感があります。【体験談】谷口芳江(仮名・主婦・65歳)
実際にやってみると、頭の中がスッキリするようで、とても心地よく感じました。「これをやっても眠れないなら、薬を飲めばいいんだから」というくらいの、軽い気持ちで始めたのです。すると、おでこ伸ばしをすると、薬を飲まなくても、すぐに寝つけることがわかりました。【体験談】森川知子(仮名・主婦・74歳)
横になっても寝入るまでに1〜2時間かかるのがあたりまえ。3時間以上眠れないこともありました。さらに夜の間に2〜3回はトイレに起きていました。サポーターでふくらはぎを温めるようにしたら30分も経たないうちに眠れるのです。そして朝まで目覚めることなく熟睡できるようになりました。【体験談】山田亜希子(仮名・無職・79歳)
最新記事
まずチェック項目で自分の足の指がどんな状態かチェックしてみましょう。はだしになって、自分の足の指をよーく見てください。足の指をチェックして気になる項目があっても、あきらめることはありません。「きくち体操」でこれから足の指を育てていけばよいのです。【解説】菊池和子(「きくち体操」創始者】
私は、60歳の今も左右の視力は1・0を保っています。これまでメガネの世話になったこともありません。老眼知らずの状態をキープしている秘密は、私が毎日行っているトレーニング「目のスクワット」にあるのです。毛様体筋をほぐす効果があります。【解説】本部千博(ほんべ眼科院長)
体重100kgの人なら3kg、80kgの人なら2.5kg程度の減量で、条件付きですが糖尿病の改善は可能です。体重が3%減少すると、ヘモグロビンA1cが3%程度下がることがわかったからです。例えば、ヘモグロビンA1cが9%の人なら、だいたい6%程度まで下がります。【解説】吉田俊秀(島原病院 肥満・糖尿病センター長)
これまで、入院患者さん向けの、いわゆる「リハビリ体操」はありましたが、外来の患者さんが希望するような体操はありませんでした。そこで私たちは、血圧を上げる要因である、末梢の「血管抵抗」を減らす筋トレを考案することにしました。【解説】金子操(自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター室長・理学療法士)
1日の疲れを取るには、就寝時間や睡眠時間ではなく、「眠りに就いて4時間以内に、深睡眠を取ること」がたいせつなのです。しかし現代人の多くは、深夜にテレビやスマホを見たり、ストレスで体の緊張が取れなかったりして、本来の睡眠リズムが狂い、深睡眠を取りづらくなっています。【解説】白濱龍太郎(睡眠専門医)