95歳の超健康な叔母が教えてくれた快眠法
私が不眠に悩むようになったのは、1〜2年前からです。
それまでは、なんの苦労もなく夜の11時に寝て、朝の6時に起きていました。ところが、一昨年くらいから、布団に入ってもすぐに寝つけなくなったのです。
30分もすると、逆に目が冴えてしまうので、しかたなくテレビをつけます。すると、やがてうつらうつらしてきて、やっと眠りに入れるのです。
とはいえ、熟睡できるわけではありません。眠りが浅いようで、途中で目が覚めたり、長い夢を見たりすることが多くなりました。朝、目覚めたときも、頭の疲れが取れずモヤモヤした感じで、スッキリ起きることができません。
こうした睡眠の乱れが尾を引いて、毎日昼過ぎに、必ず強い睡魔に襲われるようになりました。「30分だけ昼寝しよう」と横になると、1時間半〜2時間も寝入ってしまうのです。家事を十分こなせないばかりか、昼寝のせいで夜眠れなくなるという悪循環にも陥り、ほとほと困っていました。
そんなときに、私にアドバイスをしてくれたのが、今年95歳になる叔母でした。
叔母は薬嫌いで、そのかわり、健康法をたくさん知っています。そのうちのいくつかを実践しているためか、まさに健康そのものです。
叔母の長年の知恵のなかから私に勧めてくれたのが、枕元にタマネギの薄切りを置くという方法でした。タマネギには精神安定に効果的な成分が含まれ、においをかぐとよく眠れるというのです。
タマネギは私にとって、とても身近な野菜です。夫が丹精している家庭菜園で、タマネギがたくさん収穫できるからです。農家出身の夫は、かなり本格的に多種多様な野菜を栽培しており、タマネギなどは、ご近所に分けても余るほどでした。
そこで、私は畑のタマネギを、不眠解消に役立てることにしました。
タマネギのにおいで確かに気持ちが安定する

夕食の準備をするついでに、中くらいのタマネギ1個の皮をむき、薄切りにしてお皿にのせてラップをしておきます。就寝する30分ほど前にラップを半分外し、お皿を枕元に置きます。そして、布団に入る直前に、ラップを全部はがすのです。最初からラップを全部取ってしまうと、タマネギのにおいが強くなり過ぎるので、このタイミングにしています。
さて、タマネギを枕元に置くようにしてからは、布団に入って10〜15分でスーッと眠れるようになりました。「これで私は眠れるんだ」という自己暗示も効いているかもしれませんが、タマネギのにおいで気持ちが安定する実感があります。
今では、布団に入ってから目が冴えてテレビをつけたり、途中で目が覚めたりすることは、全くありません。朝まで熟睡できるようになりました。最近は、あまり夢を見ないので、きっと眠りが深くなったのだと思います。
朝はスッキリ目が覚め、頭も体もシャキッとしています。昼過ぎに睡魔に襲われることもなくなりました。でも、昼寝は健康にいいと聞いたので、昼食後に30分ほど横になっています。ウトウトするだけで疲れが取れ、30分後にはパッと起き上がることができます。その後の家事の効率も上がります。
不眠が改善したことで、体調がよくなり、気持ちも前向きになりました。
私は、フラワーアレンジメントとフラダンスを習っていて、不眠がちで体がだるかったときは、出かけるのがおっくうなことがありました。でも今は、誰よりも早く教室に行き、積極的にお稽古に取り組んでいます。
ちなみに、枕元に置いたタマネギは、朝になったら捨てます。夫のおかげでタマネギを買う必要がないので、大変助かっています。
わからない程度の微香になるよう調節する(雨晴クリニック副院長 坪田聡)
タマネギの刺激臭である硫化アリルは、内臓や血管を調整する自律神経のうち、心身を覚醒モードにする交感神経を抑え、休息モードにする副交感神経を優位にします。そのため、タマネギを枕元に置くと、気持ちが落ち着き、スムーズに入眠できるのです。
硫化アリルのにおいは、強過ぎると逆に眠れなくなります。におうかにおわないか、わからない程度の微香になるように、タマネギの切り方や量を調整するといいでしょう。
皿に盛ったタマネギを枕元に置くだけ