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寝る前に飲む「緑茶」は快眠効果あり!水出し・就寝20分前が飲み方のポイント

寝る前に飲む「緑茶」は快眠効果あり!水出し・就寝20分前が飲み方のポイント

「眠気を覚ます緑茶に安眠効果?」と疑問に思うことでしょう。秘密は、お茶の淹れ方にあります。同じ緑茶でも、熱いお湯ではなく水で淹れると、カフェインの抽出量が半分以下になります。カフェインは、低温では抽出されにくいからです。一方、快眠効果のあるテアニンは、水にもよく溶け出します。【解説】古賀良彦(杏林大学名誉教授)

解説者のプロフィール

古賀良彦(こが・よしひこ)
杏林大学名誉教授。
1946年、東京都生まれ。71年、慶應義塾大学医学部卒業。専門は睡眠障害と関連が深い統合失調症やうつ病の治療。日本催眠学会名誉理事長。医学博士。

眠気を覚ます緑茶に安眠効果があった!

日本の伝統的な飲み物といえば、緑茶を思い浮かべる人が少なくないと思います。別名を日本茶というくらいですから、当然かもしれません。特に朝、緑茶を飲む習慣を持つ人は多いでしょう。「朝茶はその日の難逃れ」ということわざがあるように、緑茶を飲むと目が覚めて頭がシャキッとし、一日を元気にスタートすることができます。

ただし、この緑茶効果、夜にはちょっと困りものです。皆さんのなかにも、「夕食後に緑茶を飲んだら眠れなくなった」という人がいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で、緑茶には安眠効果があるということもわかってきました。「眠気を覚ます緑茶に安眠効果?」と疑問に思うことでしょう。

秘密は、お茶の淹れ方にあります。
普通、緑茶はお湯で淹れます。80度以上の熱いお湯で淹れると、苦み成分のカフェインが多く抽出されます。カフェインには、眠気を覚まして、集中力を高める効果があります。ですから、朝、飲む緑茶は、高めの温度のお湯で淹れるといいでしょう。

しかし、先述したように、寝る前に飲むには不向きです。カフェインは、飲用後20~30分で脳を覚醒させるので、寝入りばなの、ちょうど深い睡眠に入ったときに、脳が目覚めてしまうのです。

同じ緑茶でも、熱いお湯ではなく水で淹れると、カフェインの抽出量が半分以下になります。カフェインは、低温では抽出されにくいからです。
一方、旨み成分であるテアニンは、水にもよく溶け出します。つまり、水出し緑茶は、カフェインが少なく、テアニンが多い飲み物になるわけです。

ストレスが緩和し睡眠の質が上がる

さて、ここでテアニンについて説明しましょう。
緑茶を飲むと、ホッとしたり、気持ちが落ち着いたりする経験は、皆さんお持ちでしょう。テアニンを摂取すると、内臓や血管を休息モードに調整する副交感神経の活性度が上がり、脳がリラックスしていることを示すα波という脳波が出現することがわかっています。

また、テアニンがストレスを緩和したり、睡眠の質を向上させたり、脳神経細胞を保護したりするという報告もあり、今後の研究が待たれるところです。

先ほどお伝えしたように、テアニンを効果的に摂取する方法としてお勧めなのが、水出し緑茶です。緑茶を水で淹れると、眠気を覚ますカフェインの抽出が抑えられ、快眠効果のあるテアニンが多くなります。

水出し緑茶の作り方は簡単です。緑茶を水に浸けて、色が出るまで数時間おくだけ。市販の水出し用緑茶(袋入りの物)を使っても、普通の緑茶を自分でティーバッグに詰めてもOKです。茶葉をそのままポットに入れて、茶こしでこしてもいいでしょう。

また最近は、睡眠中の血管の詰まりを予防するために、寝る前にコップ1杯の水を飲むことが推奨されています。その水を、水出し緑茶にしてはいかがでしょうか。

なお、テアニンが効果を発揮し始めるのは、飲んでから約20分後です。それを考慮して、床に就く20分前に飲むのがお勧めです。眠くなるタイミングを逃さないことも、スムーズな入眠の重要なポイントです。

快眠できる「水出し緑茶」の作り方・飲み方

❶緑茶の葉をティーバッグに詰める。茶葉の量は、水1Lに対し10~15gが目安。市販の水出し用緑茶(袋入りの物)を使ってもよいし、茶葉をそのままポットに入れ、茶こしでこしてもよい。
❷ポットなどに緑茶と水を入れ、色が出るまで数時間おく。
❸就寝する20分前にコップ1杯飲む。

起床したら朝日を浴びて昼間は外出して

現代日本では、高齢者の約3割が不眠といわれています。不眠治療は、原因や症状の程度によってさまざまですが、多くの場合、一時的に睡眠導入剤を用います。ところが、薬を処方しても、副作用を恐れて服用しない人が多いのです。

実際、睡眠導入剤のなかには、口が渇く副作用を持つ物があり、それが嚥下障害や誤嚥性肺炎の原因になることもあります。
また、薬の影響で、起床時にぼんやりしたり、ふらついたりして、転倒→骨折→寝たきりというケースも見られます。

ですから、「薬を飲みたくない」という患者さんの気持ちはよくわかります。重症の不眠症には投薬治療が必要ですが、軽症の場合は、医師もできれば薬は出したくありません。

私は、不眠を訴える患者さんに、まず生活習慣の改善を指導します。
不眠の改善と予防に最も大切なのが、日中の過ごし方です。起床したら朝日を浴びて、昼間は外出して人と会い、コミュニケーションを取りましょう。1人で買い物に出かけて、店員さんと会話を交わすだけでもいいのです。

そして、よほど疲れたとき以外は、就寝時まで横にならないこと。昼の間に、頭と体を動かすことが、夜の安眠につながります。
今年は猛暑で、寝苦しい夜が続きました。水出し緑茶で良質な睡眠を確保してください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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