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【ぶどうの皮】食べる? 食べない? 皮と種の栄養まで丸ごと摂取する食べ方はコレ

【ぶどうの皮】食べる? 食べない? 皮と種の栄養まで丸ごと摂取する食べ方はコレ

多種類の抗酸化物質を多く体に備えておくほど、アンチエイジングに役立ちます。そのために、ブドウは最適な食品です。その作用を十分に生かすには、ちょっとした食べ方のコツが必要です。それは、「できるだけ皮や種も一緒に食べる」ということです。【解説】渡辺光博(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授・医学部兼担教授)


解説者のプロフィール

渡辺光博(わたなべ・みつひろ)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授・医学部兼担教授。
東北大学遺伝子実験施設博士前期教授、フランス国立ルイパスツール大学分子生物学科博士課程を修了。ハーバードメディカルスクール客員研究員、フランス国立科学研究所・分子遺伝細胞生物学研究所博士研究員、国立長寿医療センター分子制御研究室長。専門はヘルスサイエンス、アンチエイジング、代謝疾患、栄養医学、予防医学。

多種類の抗酸化物質を含むブドウ

ブドウは、さまざまな有効成分を豊富に含んでいる体にいい食品です。特に、アンチエイジング(抗老化)という観点から見ると、高い効果が期待できる食品です。
なぜなら、第一に「体を長生きさせる遺伝子」を活性化する物質が、ブドウには豊富に含まれているからです。

長生きさせる遺伝子は、「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)」と呼ばれ、これまでの研究では、軽い飢餓状態(食事制限)によって活性化し、肌や髪、内臓、骨、脳などを若く保つ作用を発揮することがわかっていました。

しかし、その後、食事を制限しなくても、サーチュイン遺伝子を活性化する物質が発見され、注目されるようになったのです。それが、ブドウに豊富に含まれるレスベラトロールです。

レスベラトロールは、代謝を高めて余分な脂肪を燃焼させたり、インスリンの働きをよくして高血糖を防いだり、認知症を予防・改善したりする働きもあることが知られています。

また、体内で生じて老化を進める活性酸素を除去する「抗酸化作用」にも優れています。
つまり、レスベラトロールは、アンチエイジングのために、体内のあちこちで大活躍する物質なのです。そのレスベラトロールを、豊富に含むのがブドウというわけです。

一方、ブドウには、レスベラトロール以外にも、優れた抗酸化作用を持つ物質がたっぷり含まれています。

私たちは呼吸をしないと生きていけませんが、呼吸で取り込んだ酸素の一部が、老化や動脈硬化を進める活性酸素になります。紫外線などを多く浴びると、よけいに活性酸素ができます。

だからこそ、多種類の抗酸化物質を多く体に備えておくほど、アンチエイジングに役立ちます。そのために、ブドウは最適な食品です。
なぜなら、ブドウには、アントシアニン、その仲間であるプロアントシアニジン、タンニン、カテキン、ケルセチンといった多種類の抗酸化物質が豊富に含まれているからです。

さらに最近、ビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍という抗酸化力を持ち、「史上最強の抗酸化物質」といわれるOPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン)という物質も、ブドウから見つかりました。
OPCには、老化や動脈硬化を抑える抗酸化作用のほかにも、脳機能を高める働きや、血液循環の促進作用、高血圧の改善作用、美容効果など、さまざまな働きがあると報告されています。

皮や種ごと食べられる干しブドウはお勧め

酢の効果も加わり、より体にいい食べ方になる

このように、ブドウは幅広い健康効果を持つ果物ですが、その作用を十分に生かすには、ちょっとした食べ方のコツが必要です。

それは、「できるだけ皮や種も一緒に食べる」ということです。というのは、ここに挙げたブドウの有効成分は、実にも含まれますが、比べものにならないくらい、皮と種に多く含まれているからです。

これは、果物が自分の遺伝子を守るためのしくみです。遺伝子を障害する活性酸素から身を守るために、紫外線を防御する皮と、遺伝子を守る最後の砦である種に、抗酸化物質が豊富に含まれているのです。

しかし、せっかくおいしいブドウを食べるのに、「皮と種ごと食べるなんて、いやだ」と思うかたもいるでしょう。通常、欧米では、ブドウを皮ごと食べますが、日本では皮を除いて食べるのが一般的なので、なおさらでしょう。

そこでお勧めしたいのが、干しブドウを習慣的に食べることです。干しブドウなら、ブドウを丸ごと、皮も種も含めておいしく食べられるからです。
ブドウの皮と種には、現在の科学でわかっていない未知の有効成分が、まだまだ多く含まれていると考えられています。干しブドウを常食すれば、いわば科学を先取りして、体によい物質を取り込めるのです。

そのさい、干しブドウを酢とハチミツに漬ける「干しブドウ酢」にして食べるのもよい方法です。干しブドウ酢にすれば、硬めの干しブドウも柔らかくなり、誰にでも食べやすくなるでしょう。しかも、酢にもハチミツにも、体によいさまざまな成分が含まれています。

ちなみに、乳酸菌などの善玉菌は、体によい作用をもつことで知られていますが、その理由は、腸内で短鎖脂肪酸というものを作るからです。
短鎖脂肪酸にも多くの種類がありますが、その大部分は酢の仲間です。そのことからも、酢がいかに体によいかわかります。

酢そのものをとると、胃の負担になりますが、干しブドウ酢は、干しブドウとハチミツを合わせてマイルドになる点でも、よいとり方といえるでしょう。
ブドウ、特にブドウの皮と種は、アンチエイジング物質の宝庫です。そのブドウを丸ごとおいしく食べられる干しブドウ酢を、老化対策に役立ててみてはいかがでしょうか。

「干しブドウ酢」の作り方
この記事は『安心』2018年10月号に掲載されています
 

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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