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脊柱管狭窄症は歪みの現れ!股関節を緩めてゆがみをとる運動「内また屈伸」のやり方

脊柱管狭窄症は歪みの現れ!股関節を緩めてゆがみをとる運動「内また屈伸」のやり方

脊柱管狭窄症も、体幹のゆがみの現れの一つです。体幹のゆがみは、その程度や形状によって症状が出る場所が異なってきます。そういうことであれば、症状を改善するのに必要かつ有効な治療は、症状の元になっている体のゆがみを是正し、筋肉をほぐして血流を改善することに、ほかなりません。【解説】八木雅之(城山接骨院院長・柔道整復師)

解説者のプロフィール

八木雅之(やぎ・まさゆき)
●城山接骨院
神奈川県相模原市緑区町屋2-13-20
042-782-6007
http://siroyama.xsrv.jp/

城山接骨院院長・柔道整復師。
1963年生まれ。84年、柔道整復師国家試験取得。88年、城山接骨院開業。92年、礒谷療法所にて礒谷療法師の資格を取得。礒谷療法や意識波動学を駆使し、キレイに立つ・歩くを理念とした治療を行う。

50mも歩けなかった人がいくらでも歩けると歓喜

近年、私どもの治療院には脊柱管狭窄症と診断された患者さんの来院が増えています。
症状は、お尻から足にかけての痛みやしびれがほとんどです。そういう方は、礒谷式力学療法(以下、礒谷療法)の「内また屈伸(ひざの屈伸体操)」に取り組むことで、たいていの症状は消えていきます。

礒谷療法というのは、故・礒谷公良先生が70年ほど前に創始された治療法。左右の股関節と体幹(胴体)を整えることで病気を改善するもので、私も礒谷先生の教えを受けて以来、40年近く治療の基盤にしています。

最近は、こんな印象的な例がありました。
Aさん(男性・40代)は、整形外科で脊柱管狭窄症と診断されました。腰の痛みと左足の裏のしびれがひどく、歩くとすぐに足がつり、50mも歩けません。手術を覚悟したものの、その前に私の治療を受けたいということで、来院されました。

そのAさんに私が勧めたのは、内また屈伸と、体操の動きにクセがつくのを直すための月2回の通院だけ。ただし、ひざの屈伸体操は、毎日できるだけ多くやるようにアドバイスしました。
当初は半信半疑の様子だったAさんでしたが、徐々に症状が軽くなるのが自分でもわかり、がぜんやる気がアップ。回数も少しずつ増やし、毎日続けたところ、半年後には腰の痛みと足のしびれが完全に消えました。「もう、いくらでも歩けます」と、喜ばれていたものです。

2〜3週間続けると多くの人が効果を実感

では、内また屈伸で脊椎管狭窄症の症状がどうして改善するのか、説明しましょう。
脊柱管狭窄症は、背骨(脊椎)の中にある筒状の通り道(脊柱管)が狭くなって、中を走っている神経や血管を圧迫する病気です。主な症状は、腰や足の痛み、しびれですが、実はこの症状と狭窄との因果関係が今もはっきりしていません。

特に説明がつかないのは、痛みやしびれの出る場所です。狭くなった脊柱管が原因なら、痛みなどの症状が脊椎部にも出るはずです。しかし、実際には、そこから離れた下肢(下半身)に現れるのがほとんどです。
また、画像診断では脊柱管は明らかに狭くなっているのに、症状は全く出ない人もいます。

なぜ、こうした不可解な現象が起こるのか。礒谷療法では、その差は体幹のゆがみ方、あるいはその程度によって現れてくると考えています。

私たちの体幹は、人によって程度の差はあるものの、曲がったりゆがんだりしています。
例えば、右に傾いていれば、体の右側の筋肉は緩み、体の左側は緊張します。骨や関節は筋肉によって固定されているので、こうしたアンバランスな状態が続くと、関節はもちろん筋肉の動きも悪くなってきます。
それが、神経を圧迫したり、血流を悪くしたりして、痛みやしびれの発症ばかりか、さまざまな臓器の働きまで悪くしてしまうのです。

脊柱管狭窄症も、そうした体幹のゆがみの現れの一つです。
体幹のゆがみは、その程度や形状によって影響する(症状が出る)場所が異なってきます。
脊柱管狭窄症の場合は、影響が、腰部や下半身の筋肉に現れやすいのです。

そういうことであれば、症状を改善するのに必要かつ有効な治療は、症状の元になっている体のゆがみを是正し、筋肉をほぐして血流を改善することに、ほかなりません。

その方法として、内また屈伸が有効であることは、これまでの多くの症例により証明されています。
内また屈伸を2〜3週間続けると、体じゅうの関節が緩みます。まず、かたくなった股関節が緩んできます。そして、骨盤の動きがよくなり、骨盤が正しい位置に修正されます。そのため、背骨などの体幹のバランスも整ってくるのです。

この体操のポイントは、通常のひざの屈伸運動とは違い、つま先側ではなく、かかと側を開くことです。そして、ふだん右足に重心がかかる人は、左足を少し引きます。逆に、左足に重心がかかる人は右足を少し引きます(チェック法は下の図解参照)。
こうすることで、ふだん重心がかからないほうの筋肉に重心がかかり、くずれていた体幹のバランスが改善するのです。

歌手の水前寺清子さんの『三百六十五歩のマーチ』ではありませんが、まさに「3歩進んで2歩下がる」のように、脊柱管狭窄症の痛みやしびれといった症状が引き、気がついたら消えているというケースが多いのです。2〜3週間も行うと多くの人が効果を実感します。あきらめず、ぜひ、内また屈伸を毎日続けてください。

「内また屈伸」のやり方

❶壁に向かい、一足分だけ離れて立ち、両手を肩幅に開いて壁につける。

❷左右の足のつま先をそろえ、かかとを左右に10度ずつ(合計20度)開く。

❸右足重心の人は、左足を2cmほど引く。左足重心の人は、右足を2cmほど引く。

※足の重心のチェック方法
右足重心=歩く時に左足から出す。
左足重心=歩くときに右足から出す。

❹背すじを伸ばした状態で、ひざを軽く曲げては伸ばすことを100回くり返す。このときひざ裏を伸ばすことを意識してテンポよく行う。
1日に何度行ってもよい。


★ポイント
⃝かかとを20度開く。
⃝ひざを軽く曲げ、ひざ裏をよく伸ばす。
⃝テンポよく行う。100回を1分間で行うペース。
⃝ひざがつま先より前に出ないようにする。
⃝回数を重ねるほど効果的。少しずつ回数を増やす。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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