突然の腹痛におびえて旅行にも行けない
私は、5年ほど前から、おなかの不調に悩んでいました。突発的に、下痢に襲われるのです。
ふだんは、おなかの調子を気にすることなく生活できるのですが、突然、前ぶれもなくおなかが痛くなります。こうなると、慌ててトイレに駆け込まなくてはなりません。そして、便器に座ったとたん、水のような下痢便が出るのです。
腹痛は、時間も場所も関係なく起こります。家にいるときならまだしも、スーパーで買い物をしている途中に痛くなり、買い物カートを放り出して、トイレに駆け込むこともしばしばです。電車に乗っているときに催して、途中下車したことも多々あります。
こんな調子なので、どこへ行くにも怖くて、外出の機会が極端に減りました。友達から旅行に誘われても電車やバスに乗るのが心配なため、すべてお断りしていました。もちろん、おなかの不調のことを話しますが、それでも、「つきあいが悪いと思われたらどうしよう」と不安になります。
悪い状態が続いていたので病院で診てもらったところ、過敏性大腸炎と診断され、薬を処方されました。
ところが、半年経っても症状はいっこうに改善しません。私は、下痢ばかりが続く日々に、「もうこのまま治らないのか」と、途方に暮れました。
そこで思い切って、手術したひざのリハビリでお世話になっていた石橋輝美先生に相談してみました。すると、「いい方法がある」と教えてくれたのが、「へそさすり」です。おなかやみぞおちを手のひらで優しくさするだけで、さまざまな不調が改善するそうです。
私は、気安めにおなかをさすることはあったものの、正直、過敏性大腸炎まで改善するとは思えませんでした。でも、おなかを継続的にさすることで、ときどきさするよりは効果があるのかもしれない、とも感じました。
そこで、先生にへそさすりのやり方を教わり、早速、自宅で始めることにしました。横になってみぞおちをさすったり、おなかの右下から時計回りに大きな円を描くようにさすったり、同じようにおへその周りを小さくさすったりします。
私は、1日2回、朝食前と寝る前に、それぞれ4~5分ほどかけて行いました。おなかをさすっていると気持ちいいだけでなく、ポカポカと全身が温かくなります。へそさすりはやるだけで心地いいので、すぐに毎日の習慣になりました。
毎日スッキリと形のある便が出る!
薬でも改善しなかった症状だけに、へそさすりを始めた当初は、おなかの調子に変化はありませんでした。
それでも、心地いいので続けていると、しだいにおなかが痛くなる頻度が減ってきました。もともと突発的な症状だったので、毎日あった下痢が3日おきになったなどと、はっきりしたことはいえません。ただ、実感として、ふだんの生活が楽になったような気がするのです。
そんなかすかな効果が、驚きの効果に変わったのは、へそさすりを続けて半年ほど経ったころです。
へそさすりを続けている間、お通じは毎日あり、徐々に水っぽい便からやわらかい便になっていました。ところが、その日はなんと、しっかり形のある便が出たのです。うれしくて、思わず「やったー!」と飛び跳ねそうになりました。
その日以降、形のある便の回数が増え、今では毎日、普通の便がスッキリと出ています。以前のように、おなかが急に痛くなって、トイレに駆け込むこともなくなりました。
また、私は、おなかのぐあいが心配で、満足に眠れない日々を過ごしていました。それも、すっかり解消しました。今では快眠・快便の日々を過ごし、とても晴れやかな気分です。
毎日へそさすりを続けているおかげで、外出も怖くなくなりました。次に友達に旅行に誘われたら、「行こう!」と、元気に返事をするつもりです。
腸内環境が改善すれば自律神経がさらに整う(大津接骨院院長 石橋輝美)
腸内環境は、自律神経の影響を大きく受けます。加齢やストレスなどが原因で自律神経が乱れると、腸内環境も悪くなり、それが軟便や下痢、便秘につながります。
過敏性大腸炎に限らず、下痢や軟便が続く人は、腸内環境がとても悪い状態です。整腸剤などが、腸内環境をさらに悪化させるケースもあります。まずは自律神経を整え、腸内環境を改善する必要があるでしょう。
へそさすりを続けることで自律神経のバランスが整うと、腸の働きが正常化し、吸収・排出がスムーズになります。また、おなかの調子が整ってよく眠れるようになると、さらに自律神経が整いやすくなるという相乗効果も期待できます。
外出しても腹痛が怖くない!