MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【乳酸タマネギの健康効果】便秘や肌荒れを改善する血液サラサラレシピ

【乳酸タマネギの健康効果】便秘や肌荒れを改善する血液サラサラレシピ

タマネギに含まれるのは植物性乳酸菌で、生きて腸まで届きます。腸内環境がよくなると、免疫力のアップや自律神経のバランスが整います。血中コレステロールの低下による高脂血症の予防・改善、大腸がんのリスク低減などにもつながります。 【解説・レシピ考案】中村美穂(管理栄養士・フードコーディネーター)【料理・スタイリング】古澤靖子

解説者のプロフィール

中村美穂(なかむら・みほ)
東京農業大学卒業後、デパ地下店舗などの商品企画、開発に携わる。その後、保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育活動など幅広く手がけ2009年に独立。雑誌、広告などのレシピ・スタイリングを担当するほか、東京都西東京市を中心に料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。『おいしい やせる 肌によい!乳酸ベジタブルレシピ』(辰巳出版)ほか著書多数。

●おいしい楽しい食時間
http://www.syokujikan.com

タマネギは乳酸菌が増殖しやすい

体によいことが広く知られているタマネギ。そのタマネギの健康効果を、最大限に引き上げて、いつでも手軽に食べられる「乳酸タマネギ」をご存じでしょうか。

乳酸タマネギは、野菜を乳酸で発酵させる「乳酸発酵ベジタブル」の一種です。
塩で漬け込み、野菜の水分を引き出すと、野菜に含まれる糖質を栄養にして乳酸菌が増え、発酵が進みます。こうしてできるのが乳酸発酵ベジタブルです。昔から伝わる日本のぬか漬け、韓国のキムチ、ドイツのザワークラウト、欧米のピクルスなど、世界各地の漬物は、すべて乳酸発酵ベジタブルの仲間です。

漬物というと、「自分で作るのは難しい、手間がかかる」というイメージをもつ人も多いようですが、現代風にアレンジした乳酸発酵ベジタブルは、野菜と塩、フリーザーバッグなどの保存袋さえあれば、手軽に仕込んでおいしく食べられます。

特にタマネギは、発酵しやすい野菜なので、初心者でも簡単に作れます。味もまろやかになるので、そのまま食べてもいいですし、幅広い料理にも使えます。そして、さまざまな栄養成分を含んでいるのが最大の魅力です。

もともとタマネギには、高血圧予防に役立つカリウム、骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)予防に役立つカルシウム、疲労回復などに役立つビタミンB₁やB₂、美肌作りに役立つB₆やビタミンCなど、多様な栄養素が含まれています。

食物繊維も豊富で、血中コレステロールの低下などに役立つ水溶性食物繊維と、便秘解消などに役立つ不溶性食物繊維という、二つの食物繊維がバランスよく含まれているのです。

さらに、ファイトケミカル(天然の化学物質)として、タマネギ特有の辛味や刺激臭のもとになっている「硫化アリル」が豊富です。硫化アリルには、血液サラサラ効果や、ビタミB₁の吸収をよくして疲労回復を促す作用があります。また、高すぎる血糖値の降下作用を持つ「硫化プロピル」という成分も多く含まれています。

さらに、タマネギの黄色のもとになっているケルセチンという成分は、優れた抗酸化力(酸化を防ぐ力)を発揮します。
これらのファイトケミカルは、すべて健康効果が高いことで知られるポリフェノールの仲間です。このように、体によい成分を多く含むタマネギですが、乳酸タマネギにすることで、さらに有効成分が増えます。

なんといっても重要なのは、その名のとおり、乳酸菌が増えること。野菜には「植物性乳酸菌」がついていて、塩で漬け込むことで、それが増殖します。特に、タマネギには、乳酸菌のエサとなるフラクトオリゴ糖がたっぷり含まれています。フラクトオリゴ糖は、低エネルギーであるうえ、腸を健康にする成分です。タマネギには、そのフラクトオリゴ糖が、野菜の中では群を抜いて多いのです。

また、タマネギに豊富な食物繊維も、乳酸菌のエサになります。以上からもわかるように、タマネギは、乳酸菌のエサの宝庫なので、漬け込めば、植物性乳酸菌がどんどん増殖します。

植物性乳酸菌は生きて腸まで届く

乳酸菌というと、ヨーグルトを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、ヨーグルトに含まれるのは「動物性乳酸菌」です。動物性乳酸菌は、胃酸などの消化液によってほとんど死滅してしまいます。

一方、タマネギに含まれるのは前述のとおり、植物性乳酸菌で、生きて腸まで届きます。
死滅した動物性乳酸菌も、腸内細菌のエサになり、善玉菌を活性化して、腸内環境を整える効果はあります。しかし、生きて届く植物性乳酸菌のほうが、整腸作用が高いのです。

乳酸タマネギを食べると、その植物性乳酸菌がたっぷりとり込めるので、腸内の善玉菌の増殖を促すことができます。
それによって、便秘の改善効果や体の代謝を高める効果、ひいては、老廃物の排出を促すデトックス効果などが期待できます。

最近では、腸内環境がよくなると、免疫力のアップや、自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)のバランスが整うといわれています。
乳酸タマネギを摂取すれば、それらの効果も期待できるでしょう。

また、前述したタマネギそのものの成分を考えれば、むくみの解消ダイエット美肌作りなどにも役立つわけです。さらに、血中コレステロールの低下による高脂血症の予防・改善大腸がんのリスク低減などにもつながります。

栄養を損なわない生食がお勧め

乳酸タマネギの利点はほかにもあります。増殖した植物性乳酸菌が、アミノ酸の一種であるGABA(γ‐アミノ酪酸)という成分をつくり出すのです。
これは、脳内の神経伝達物質で、脳の興奮を鎮めてリラックスさせる働きを持っています。先に述べた自律神経への作用と合わせて、現代人のストレス軽減にも役立つ食品と言えるでしょう。

生だと食べにくいタマネギが、生でおいしく食べられるのも乳酸タマネギの魅力です。発酵でうま味成分が増え、味がまろやかになり、食べやすくなります。しかも、かさが減るので、無理なく食べられます。この、生で、無理なく、一定量が食べられるというのがポイント。

硫化アリルやビタミンB群・Cなどは加熱すると壊れやすいので、乳酸タマネギで生食すると、無駄なく摂取できるからです。もちろん、加熱した料理でも、ケルセチンや乳酸菌はとれるので、血糖値、血圧の降下や便秘の改善が期待できます。

普通のタマネギは、1日1個(約200g)食べるのが適当ですが、乳酸タマネギは塩分を含むので、タマネギ4分の1個ほど(約40~50g)を1日に食べる目安にしてください。塩分の過剰摂取にならないよう、乳酸タマネギの漬け汁を塩代わりに使い、乳酸タマネギを使用していない料理の塩分を控えたりするのもよいでしょう。

食べ方は、サラダやおひたし、冷や奴などに添えたり、いろいろな料理に活用したりと、幅広く使えます(食べ方、レシピは下に掲載)。
できれば3食に分けてとるのがベストですが、1〜2回でもかまいません。
血糖値の安定やダイエットのためには食事の初めに、また、乳酸菌を効率よく腸に届けるには、食後にとると効果的です。

乳酸タマネギは、健康づくりをめざすすべての人にとっていただきたい食品です。特に、食生活が不規則な人、外食が多い人、肉食に偏りやすい人などは、腸内細菌のバランスが悪くなりやすいので、ぜひお勧めします。

なお、医師から塩分制限を指示されている人は、主治医に相談のうえで乳酸タマネギを食べてください

「乳酸タマネギ」の作り方

【用意するもの】
●タマネギ…600g(中サイズ3個程度)
●塩…12g(タマネギの重量の2%の量を厳守!)
●フリーザーバッグ大サイズ…1袋
●水の入った1.5~2Lのペットボトル
●ステンレスの角形バット…1枚(ない場合はフリーザーバッグが置ける大皿などでもよい)

【作り方】
❶タマネギを繊維に沿って切る。厚さはお好みでOK

❷フリーザーバッグにタマネギを入れ、塩を加える

❸フリーザーバッグを閉じて、タマネギをつぶさないように注意しながら2分ほどもみこむ 

❹もみこんでいるとタマネギから水分が出てくる。これが乳酸菌のもと。この水分をタマネギになじませる 

❺フリーザーバッグの空気を抜いて、密閉する

❻角形バットにフリーザーバッグを置き、水入りのペットボトルをのせて、全体に重しをする。このまま25℃前後の常温で1日置いて、水分を出す

❼翌日、冷蔵庫に移し2日寝かせる。冷蔵庫では重しは必要ない

❽1日1回、フリーザーバッグを開けて、清潔なスプーンで混ぜる。混ぜることで、空気中の乳酸菌がタマネギの発酵を促進させる

【乳酸タマネギの食べ方】
●1袋の分量(600g)を2週間で食べ切る(1日40〜50g程度)
●毎日1食以上、乳酸タマネギを食べる
●なるべく加熱しないようにする(みそ汁の具材にするときは、火を止めてから入れるなど)
●タマネギだけでなく、乳酸菌の含まれた漬け汁も調味料として使用するとよい(塩分があるので、塩の代替調味料として使用するのがお勧め)

「乳酸タマネギ」レシピ5選

乳酸タマネギのハンバーグ

【材料】(2人分)
乳酸タマネギ…80g、漬け汁…大さじ1
牛豚合いびき肉…200g
パン粉・牛乳…各大さじ3
コショウ…少々、サラダ油…小さじ2
トマト・サラダ菜…適量
【ソース】
Ⓐしょうゆ…大さじ1、みりん…大さじ1
 水…大さじ2、片栗粉…小さじ1
 乳酸タマネギ…80g、漬け汁…大さじ2

【作り方】
❶汁を切った乳酸タマネギをみじん切りにし、漬け汁、合いびき肉、パン粉、牛乳、コショウと合わせよく混ぜる。4等分して小判形に調える。
❷サラダ油をひいて熱したフライパンに①を並べ、焼き色がついたら裏返してふたをする。色づいたら水大さじ2(分量外)を加え、汁けがなくなるまで蒸し焼きにして皿に盛る
❸②のフライパンの汚れを取り、混ぜ合わせたAを入れ、とろみがつくまで煮る。火を止め、乳酸タマネギ、漬け汁を混ぜる。
❹②に③をかけ、付け合わせの野菜を添える。

サケとキノコの乳酸タマネギ甘酢漬け

【材料】(2人分)
乳酸タマネギ…80g、漬け汁…大さじ2
生サケ切り身(皮、骨を除く)…2枚
塩・コショウ…各少々、カタクリ粉…適量
シメジ(マイタケ、エノキでもOK)…50g
サラダ油…適量、酢…小さじ2、しょうゆ…小さじ1
青ジソ…2枚(小ネギでもよい)

【作り方】
❶生サケは一口大のそぎ切りにし、塩コショウを振り、カタクリ粉をまぶす。シメジは石突きを取ってほぐす。
❷多めの油を入れて熱したフライパンに①のサケを並べる。焼き色がついたら裏返し、周りにシメジを広げ、混ぜながら焼く。
❸乳酸タマネギ、漬け汁、酢、しょうゆを混ぜ、②に入れて全体に絡めて器に盛り、千切りの青ジソを散らす。

アサリと乳酸タマネギの豆乳みそスープ

【材料】(2人分)
乳酸タマネギ…80g、漬け汁…大さじ1
キャベツ…100g、小ネギ…1/2本程度
だし汁…200ml、アサリ水煮缶…1/2缶
無調整豆乳…100ml、みそ…大さじ1
オリーブ油…小さじ2

【作り方】
❶キャベツは1cm×3cm大の短冊切りに、小ネギは小口切りにする。
❷鍋にだし汁を沸かし、キャベツ、アサリ水煮(汁ごと)無調整豆乳を入れて煮る。火を止めて、乳酸タマネギ、漬け汁を加え、みそを溶き混ぜて味を調える。
❸器に盛り、オリーブ油をかけ、①の小ネギをふる。

乳酸タマネギとワカメの豆腐和え

【材料】(2人分)
乳酸タマネギ…80g、漬け汁…大さじ1
乾燥カットワカメ…大さじ1、ミニトマト…3個
絹ごし豆腐…100g、白すりゴマ…小さじ2
Ⓐしょうゆ…小さじ1、砂糖、酢…各小さじ1/2

【作り方】
❶湯で戻したカットワカメを水洗いして水気を切り、ミニトマトは半分に切る。
❷①と絹ごし豆腐、汁を切った乳酸タマネギを合わせ、漬け汁、白すりゴマ、Aを混ぜ、豆腐を軽く崩しながら和える。

カボチャとサツマイモのサラダ 乳酸タマネギのヨーグルトドレッシング

【材料】(2人分)
乳酸タマネギ…80g、漬け汁…大さじ1
カボチャ・サツマイモ…各50g、レタス…適量
プレーンヨーグルト…大さじ3
オリーブ油…大さじ1/2、塩コンブ…小さじ1
コショウ…少々、レーズン・クルミ…各大さじ1

【作り方】
❶カボチャとサツマイモを1.5cm角の大きさに切る。サツマイモは水洗いしてアクを抜き、水を切り、カボチャとサツマイモを耐熱容器に並べる。
❷水(分量外)大さじ1を振り、ラップをかけて、600Wの電子レンジで約3分加熱。その後、水気を切って冷ます。
❸ボウルに②、乳酸タマネギ、漬け汁、ヨーグルト、オリーブ油、短く切った塩コンブ、コショウを入れて混ぜる。
❹③にレーズン、クルミを加え混ぜ、レタスを敷いた皿に盛る。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
「洋食は高カロリーで体に悪い」と思う人もいるかもしれませんが天皇家の洋食の食材は日本で取れる旬のものばかり。その土地に住む人の体質に合ったものです。洋食も日本人に合った洋食が作れるのです。日本の旬の物をいただき、食材を無駄にしない天皇家のレシピを皆さんの健康に役立ててください。【解説】工藤極(元宮内庁大膳課厨房第二係)
更新: 2019-05-07 18:00:00
私が考案した10種類以上のフルーツ酢の中で、現在最も人気が高いのが「レモン酢」。数あるフルーツ酢ダイエットの中でも「イチオシ」といってよく、教室などでも勧めているフルーツ酢です。ぜひお試しください。【解説】村上祥子(料理研究家・管理栄養士)
更新: 2019-04-11 10:18:08
「みそ汁に酢を入れたら、酸っぱくなるのでは」と心配するかたもいるでしょう。でも、お椀1杯のみそ汁につき、小さじ半分程度の酢なら、酸味はほとんど感じません。今回、酢みそ汁に初挑戦するかたがたのために、お勧めの具材や、作り方のコツをご紹介しましょう。【解説】庄司いずみ(野菜料理家)
更新: 2019-04-05 10:22:22
独身時代はほとんど食べ物に気を遣っていなかった私でも、家族ができれば話は別。なるべく人工添加物などが使われていない、体にいい食べ物を食卓に並べるようにしてきました。自然に食べ物へ関心を持つようになったわけですが、近年私の心をとらえて離さないのが「タマネギ」です。【体験談】志穂美悦子(フラワーアクティビスト)
更新: 2019-02-19 18:00:00
幼い娘が苦しんでいるのに、何もできないのは、親としてほんとうにつらいことです。そこで、みそ汁に黒酢を入れることにしました。黒酢みそ汁をほぼ毎日飲むようになった娘は、3歳になるころには、ほとんどカゼをひかなくなりました。ぜんそくの発作も、めったに起こさなくなったのです。【体験談】川原俊之(仮名・会社員・33歳)
更新: 2019-02-11 18:00:00
最新記事
日本の発酵食品(しょうゆ、みそ、日本酒など)を作る上で、こうじはなくてはならないものです。こうじは、蒸した米や麦、大豆などに、こうじ菌という微生物を繁殖させたものでこうじ菌が作った栄養成分がぎっしり詰まっています。こうじについては多少の知識がありますので、少しお話しさせてください。【解説】浅利妙峰(糀屋本店女将) 
更新: 2019-05-25 18:00:00
「腰が痛い!」幅広い年齢層に蔓延する腰痛。しかし、病院に駆け込んで、骨や神経に異常が見つからない場合は「非特異的腰痛症」と診断されます。非特異的、つまり、原因不明の腰痛という意味。なんとも不思議な病名です。「腰が痛い」という異常があるから病院に来ているのに……。【解説】戸田佳孝(戸田リウマチ科クリニック院長)
更新: 2019-05-24 18:00:00
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
更新: 2019-05-23 18:00:00
私は、これまで40年以上、タマネギをはじめとする、ネギ属の機能性成分を研究してきました。そこでタマネギには、確かに血液をサラサラにする働きがあるということが明らかになったのです。【解説】西村弘行(北翔大学・北翔大学短期大学部学長/東海大学名誉教授)
更新: 2019-05-22 18:00:00
見たいものにピントを合わせる「目の調節力」は25歳を過ぎる頃からどんどん低下し、30代後半から近くが見えづらくなる老眼になってきます。目の疲れや調節力の低下を改善するためにお勧めなのが、目の周囲を温める「温熱療法」です。私は、温熱療法の効果を多くの実験で確認しています。【解説】高橋洋子(みたにアイクリニック院長)
更新: 2019-05-21 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt