一時は600mgを超えた血糖値が100mgで安定
私の主人は30年前から重度の糖尿病を患っていました。当時は牛肉専門のレストランを営んでいたこともあり、食生活が偏りがちだったのです。
22年前には壊疽を起こし、左足の太ももから下を切断しました。主人の血糖値は、一時は600㎎/㎗を超えていました(正常値は110㎎/㎗未満)。
血糖値を下げる薬を飲み続けても、長年200㎎/㎗を超える状態が続いていたのです。その主人の血糖値が、今は100㎎/㎗前後で安定しています。
きっかけは、3年ほど前に『安心』の記事で知った酢タマネギでした。
ちょうどその頃、私は家庭菜園でたくさんタマネギを作っていました。現在の住まいのある千葉県は、海風のおかげで甘いタマネギが育つのです。
自分の体重も気になっていたため、すぐに酢タマネギを作って食卓に出してみました。
私は、スライサーで薄くカットしたタマネギ大1個分に対して、大さじ1杯強の市販の寿司酢と、大さじ3杯の市販の甘酢、小さじ1杯の砂糖で酢タマネギを作っています。寿司酢は少し塩気があったほうがおいしいと思い、加えました。
これを、ジッパー付きの保存袋に入れて、冷蔵庫で保存します。朝に作っておけば、夕食には食べられます。
初めて食べた酢タマネギは、とてもさわやかな味でした。生タマネギを使いますが、においや辛味は気になりません。
私たち夫婦はこの酢タマネギを、1人当たり、1日に菜ばしで1~2つかみ程度の量を、さまざまな料理に加えて食べました。
朝はサラダに必ずのせていただきます。そのほかにも、昼食時のサンドイッチの具に加えたり、夕食時にもずくやワカメ、キュウリ、ツナなどと合わせて酢の物のようにしていただいたりします。
タマネギを漬けていた酢は、私が料理をしながらときどき飲んでしまいます。
実は私たち夫婦は、元々あまり酢が好きではありませんでした。口にするのはサラダのドレッシング程度だったのです。
生のタマネギも、水にさらしてカツオ節としょうゆをかけて、たまに食べる程度でした。
しかし、毎日酢タマネギを食べるようになると、だんだんおいしく感じられるようになったのです。
主人も、当初は食卓に上るから仕方がなく食べるといった様子だったのに、最近は「おいしい」と言ってくれます。たまに切らすと「どうした?」と自分から尋ねてくるくらい、気に入っているようなのです。
ペタンコにつぶれていた前髪がふんわりしてきた
肝心の主人の血糖値ですが、酢タマネギを食べ始めてわずか2ヵ月ほどで100㎎/㎗まで下がりました。
長年、服薬を続けてきても下がらなかったのに、酢タマネギを食べ始めてすぐに改善したことには驚きました。良好な状態を今も維持できています。
さらに、主人の血圧も下がりました。以前は降圧剤を飲んで最大血圧が200㎜Hgだったのが、今は130㎜Hg程度(正常値は140㎜Hg未満)です。おかげで薬を弱いものに変えることができたらしく、医師にほめられたそうです。
主人は現在84歳です。運転免許証は昨年返上しましたが、それ以前は自分で運転をして外出をしていました。今も「免許証の返上が早すぎた」と文句を言うくらい、元気です。
ちなみに、私も、酢タマネギのおかげでやせました。61~62㎏だった体重が、酢タマネギを食べ始めて半年で5~6㎏減。いまも55~56㎏の体重を維持しています(身長は149㎝)。
料理教室のボランティアをしていますが、酢タマネギを食べ始めてからは疲れを感じにくくなりました。
髪の毛も、この3年でコシが出ました。白髪が減り、白髪染めをしなくなったこともよかったのか、ペタンコにつぶれていた前髪にふんわりとボリュームが出ています。
最近は、普通のタマネギに加えて、赤タマネギやニンジン、キュウリ、ダイコンなど、5種類くらいの野菜をまとめて酢に漬けています。これは彩りも食感も楽しめるので、気に入っています。
この先も夫婦で元気に過ごせるよう、酢タマネギを食べ続けるつもりです。
インスリン作用を弱める酸化ストレスを除去(広島大学病院未来医療センター長 東幸仁)
タマネギに含まれるケルセチンは、活性酸素を除去する優れた抗酸化作用を持ちます。
糖尿病は、活性酸素によって引き起こされる酸化ストレスとの関係が深いことが判明しています。脳に酸化ストレスがかかると、代謝をつかさどる視床下部が弱り、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌や作用を弱めてしまうのです。
また、ケルセチンは、血流をよくする働きも知られています。血圧低下や体重の減少、髪のコシの改善は、血流がよくなったことで、栄養が末端まで行き渡り、代謝が改善したためだと考えられるでしょう。
ほかの野菜には、また別のポリフェノールや抗酸化物質が含まれています。合わせてとるのは、とてもよい工夫です。
毎朝必ず、サラダにのせて酢タマネギを食べた