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涙もろいは肺が弱っているサイン?食事や体操、ツボ刺激で養生しよう

涙もろいは肺が弱っているサイン?食事や体操、ツボ刺激で養生しよう

東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)

【お悩み】涙もろくて恥ずかしい


最近、涙もろくなって困っています。
甲子園で高校球児が懸命にボールを追っているシーンとか、子どもがお母さんに甘えているシーンなど、なんでもない場面を見ただけで涙が出てしまい、恥ずかしくてしかたありません。なんとか治す方法はないでしょうか。
(60代・男性)

回答者のプロフィール

田中勝(たなか・まさる)
●田中鍼灸指圧治療院
東京都港区南青山2-25-10 エスト南青山2階
03-3475-4631
http://tan-aka.server-shared.com/

田中鍼灸指圧治療院院長。
北海道生まれ。治療のかたわら、鍼温灸や経絡あん摩、関節運動法講習会を開催するなど、精力的に活動。DVDに『よくある症状への手技療法』(医道の日本社)好評発売中。

涙もろくなるのは肺が弱っているサイン

東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。五臓とは、肝、心、脾、肺、腎の五つの臓器のことです。

人の感情も、五臓に当てはまります。相談者さまは涙もろくなって困っているということですが、涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。

余談になりますが、かく言う私も、子どもの頃は泣き虫で、怒られるとすぐに泣いていました。また、しょっちゅうカゼをひいては、学校を休んだものです。今思えば、肺が弱いせいで涙もろかったのでしょう。私は今でも涙もろいので、カラオケでは、悲しい歌や感動的な歌は歌わないようにしています。

年をとると誰でも五臓が弱ってきますが、真っ先に弱くなるのは「腎」です。その上で、体質的に弱い臓器が衰えていきます。それが肺の場合は、年々憂いや悲しみの感情が強くなって、涙もろくなるのです。

私の患者さんに、相談者さまと似たような人がいます。ご夫婦で来院されており、ご主人はまるで鬼瓦のようにいかつい顔です。ところが、奥さまの話では、とても優しくて、すごい泣き上戸だというのです。

とても信じられませんでしたが、これまでに肺炎を3回も患ったと聞いて、納得しました。やはり五臓と感情はつながっており、肺の弱い人は涙もろいのです。

日本人の死因は、肺炎が4位で、肺がんは男女ともにがん死のトップです。涙もろいのは、肺の弱りのサインですから、今のうちから肺を強くする生活を心がけるといいでしょう。

肺を強化する体操と食べ物、ツボ刺激を活用

五臓は運動や食事、ツボ刺激などで機能を強化できます。肺の弱りには、次のような養生をお勧めします。
その① 体操
肺の弱い人は、普段から肩が前に出ています。また、泣くときは前屈みで泣きますから、ネコ背になりがちです。そこで、「胸反らし体操」をご紹介します。

あおむけに寝て、丸めたタオルを肩甲骨の間に背骨に沿って縦に置きます。そのまま胸を反らせ、両手を上げてバンザイをします。最初は1分くらいから始めるとよいでしょう。

この運動をすると、肩が開いて胸が広がりやすくなります。最初はきついと感じても、続けるうちに気持ちがよくなって、そのうち何分でもできるようになります。

■胸反らし体操のやり方

あおむけに寝て、丸めたタオルを肩甲骨の間に、背骨に沿って置く。その姿勢でバンザイをする。1分ほど行う。

その② 食べ物
白くて辛い食品は、漢方では肺の薬です。なかでもタマネギには、気持ちの高ぶりを抑え
たり、血圧を下げる作用があります。

生のタマネギをスライスして、水にさらさずに食べるといいでしょう。気持ちが穏やかになり、怒りや悲しみの感情が和らぎます。

その③ ツボ刺激
涙を止める効果的なツボは、目の下にある承泣です。指の腹をツボに当て、軽くもんだ後、しばらく押します。この持続圧が効果があります。承泣は眼窩(目の周りのくぼみ)の骨のキワにありますから、目を傷つけないように、注意深く押してください。涙が止まるまで、押します。

■承泣のツボ刺激のやり方

黒目の真下の眼窩(目の周りのくぼみ)、押すと少しくぼみのあるところが、承泣のツボ。ここを人さし指で押さえ、1分ほど圧を加える。

酔ったときに出る感情で弱い臓器がわかる

ちなみに五臓の弱りは、お酒を飲んだときによくわかります。お酒に酔うと、その人に特徴的な感情が現れ、どの臓器が弱っているかわかるのです。

ビクビク上戸
腎(腎臓)の弱り。恐れたり驚く感情が強くなり、何にでも驚いてビクビクします。

ブツブツ上戸
脾(脾臓)の弱り。いろいろ考えすぎて、延々と独り言をしゃべっています。ちなみに脾は、膵臓です。

怒り上戸
肝(肝臓)の弱り。怒りの感情を抑えられなくなり、何にでも怒りっぽくなります。

笑い上戸
心(心臓)の弱り。愉快にしゃべって笑いが止まらなくなります。

泣き上戸
肺の弱り。憂い、悲しむ気持ちが強くなり、すぐに涙ぐんでしまいます。
これは私が多くの人を観察して得た知験です。かなり、当たっています。ぜひ酒の席などでご活用なさってみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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