解説者のプロフィール

了德寺健二(りょうとくじ・けんじ)
●学校法人了德寺大学
http://www.ryotokuji-u.ac.jp/
了德寺大学理事長。
1948年、鹿児島県生まれ。川崎製鉄に入社し、柔道部の選手兼監督を務める。監督退任後、苦学して独立し、接骨院や整形外科を多数設立して成功を収める。2000年、学校法人了德寺学園を設立し、理事長に就任。了德寺学園医療専門学校、了德寺学園リハビリテーション専門学校を開校。06年、了德寺大学を開学。特定の体表点に温熱刺激を与えることによりストレスをフリーにする「ストレスフリー療法」を開発し、ストレスフリー療法研究会会長に就任。千葉県柔道連盟名誉会長。鍼灸師、柔道整復師の資格も持つ。『血流を増やせば健康になる』(アスコム)など著書多数。
眼底血流を増加させる新たなツボを発見
病気や体調不良の原因は、ストレスとそれに伴う血流の低下です。ストレスがかかると、私たちの体の中では、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。すると、血管が収縮して血流が悪くなります。
血液の役割は、栄養や酸素を届けることです。血流の低下は、体を構成する細胞の一つ一つが栄養不足、エネルギー不足になるということですから、体の機能や免疫力(体の防御機構)が低下して、さまざまな病気が起こるのです。
そんな万病の元凶であるストレスを取り去り、血流を増加させるために、私は独自に発見したツボに温熱刺激を加える「ストレスフリー療法」を考案し、研究を続けてきました。これにより、免疫力が高まり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病からアレルギー疾患、うつ・パニック障害まで改善しています。
そんな研究のなかで、私は2017年に新たなツボを発見しました。それが額にある三つのツボで、総称して「若返りのツボ」と呼んでいます。
この若返りのツボが、視力の改善に非常に効果があったのです。
実は、若返りのツボは、私自身の白内障を克服する過程で発見しました。眼球が入っているくぼみ(眼窩)の上に小さな孔があり、そこから眼動脈や眼神経の枝が出て、顔面上方から頭頂部に向かって伸びています。
私は、この部分こそ眼球のコントロールをつかさどる、高度な機能を持つツボであると確信しました。
そして研究を重ねた結果、眉の上のくぼみにあるツボと、眉間にあるツボの3点を同時に押すことで、眼底血流が即時に大幅に増加することが確認できたのです(論文発表済み)。
そこで、自らこの若返りのツボを刺激してみると、その場で視界がパーッと明るく鮮明になるのが感じられました。
黄斑変性が改善した女性も
そして、若返りのツボ刺激を続けていたところ、左目の白内障が改善してきたのです。
元々私は両目とも白内障と診断されており、眼科で手術日まで決まっていたのですが、「ストレスフリー療法」によって右目の白内障はほぼ完治と言っていい状態になっていました。
ただ、左目はもう一息という状態だったのですが、若返りのツボの刺激を行っていたら、日に日に見えやすくなっていったのです。おかげで、船舶免許の更新も無事にできました。
そんなあるとき、長年の友人である会社社長がやはり白内障で、手術が決まったという話を聞きました。そこで、私は若返りのツボを教え、毎日1分以上、時間を見つけては何度でも刺激するように伝えました。
彼は2ヵ月間若返りのツボ刺激を熱心に続けたそうです。すると、2ヵ月後の検査で白内障がよくなっていて、手術を回避できたそうです。「担当医がけげんな顔をしていたよ」と笑って報告してくれました。
また、大学のスタッフで、黄斑変性を発症した女性がいました。彼女はまだ30代と若く、失明の危機にショックを受けていましたが、若返りのツボ刺激を行っていたところ、見えやすくなってきたと喜んでいました。
目の老化はすべて、眼底の血流が低下することで起こります。血流がよくなれば、目は若返るのです。これが若返りのツボと名付けたゆえんです。
若返りのツボの位置は、下記を参考にしてください。眉頭から眉尻に向かって眉の上を指でたどると、少々くぼんだところで指が止まります。
押し方ですが、同時に額の3点を心地よい程度の力で押しましょう。片手で押しても、両手を使ってもかまいません。
このツボ押しは、朝にやるのがお勧めです。脳の血流が向上し、目覚めがよくなり、全身が活性化します。また、パソコンで仕事をしていて目が疲れたときなどにやると、疲れが解消し、パッと視界が開けます。
ちなみに、若返りのツボは、目だけでなく髪にも有効です。私は剃髪しているのでわかりにくいですが、頭皮のジョリジョリした手触りが以前よりも明らかに強くなっています。
「若返りのツボ」の押し方
■若返りのツボの位置

■ツボの見つけ方
・眉上のツボ:眉頭の上に指を当て、左右に指を滑らせていったときに指が止まるくぼみ。およそ瞳孔の上辺り。
・眉間のツボ:眉を上げたときに額に出る3本のシワのうち、いちばん下のシワと顔の中心線の交点。

■ツボの押し方

3つのツボを同時に指圧するのがポイント。
気持ちよく感じる強さで10秒押して離すのを5回くり返す。
※机にひじをついて、頭の重さを預けるようにすると刺激しやすい。
※1日に何度でも行うとよい。

片手で押しにくい場合は、両手に分けて指圧してもよいが、3つのツボは同時に刺激すること。