前かがみの人の腰痛に有効!体を伸ばして腰を回しお尻を鍛える「ほのまき体操」

前かがみの人の腰痛に有効!体を伸ばして腰を回しお尻を鍛える「ほのまき体操」

肩こりや腰痛を自分で治したい、体力をつけたい、という人のために、体を整えるための四つの要素「ほぐす・伸ばす・回す・鍛える」の頭文字をとった「ほのまき体操」をご紹介します。【解説】岩月麻里(おばた治療室代表)


筋力が弱いと体を支えられず痛みが出る

 私の治療室では、鍼灸治療に加え、指圧、整体、アロママッサージなどを行っています。しかし、いくら治療をしてもすぐに痛みが再発する人がいます。

 それは、筋力が弱くて体を支えられずに痛みが出ている人です。その場合、筋力を強化しなければ痛みは解消しないので、治療でほぐした後に、必要に応じて体操の指導もしています。

 また、肩こりや腰痛を自分で治したい、体力をつけたい、という人のために体操教室も開いており、そこでは硬くなった筋肉をほぐしたり、伸ばしたり、関節を回したりして、動かしやすい状態にしてから、筋トレを行っています。

 私は、体を整えるための四つの要素「ほぐす・伸ばす・回す・鍛える」の頭文字をとって「ほのまき体操」と名付けました。
 ほのまき体操は、一人一人の体の状態、現れている症状によって、内容が変わります。ほぐす・伸ばす・回す・鍛えるの四つすべてが必要な場合もあれば、四つのうち必要なものだけを行う場合もあります。

 今回は、腰痛に効くほのまき体操を紹介します。腰痛にもいろいろなタイプがあり、この体操が適応となるのは、お尻の仙骨(骨盤の中央にある三角形の骨)の辺りに痛みがある人です(図参照)。

 仙骨の辺りに痛みがある人は、仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節の靭帯がゆるんでいるケースが大多数です。靭帯に代わって、周りの筋肉が体を支えようとがんばるため、疲れて痛みが出ているのです。
 仙腸関節は、前かがみの姿勢や、お尻が落ち込む座り方を長時間続けていると、ゆるんできます。パソコン、草むしりや農作業、仕事で前かがみの姿勢になることが多い人は、ぜひこの体操をやってみてください。

 また、生理痛のある人や、産後の腰痛、年齢とともにお尻の筋力が落ちてきた人にもお勧めです。
 なお、今回ご紹介するほのまき体操は、脊椎すべり症など、腰を反らせると痛くなるタイプの腰痛には向きません。ギックリ腰で痛みが強いときに、無理にやるのも禁物です。
 目安は、気持ちがいいかどうかです。痛みを感じるときは無理をしないでください。

座るだけで筋力がつく!

 腰痛に効くほのまき体操は、次のとおりです。

①伸ばす ゆるんだ仙腸関節を元に戻すため、体を伸ばした
り、ひざを抱えたりという動作をくり返します。

②回す 腰を左右に回して、骨盤を整えます。この体操は急性期の腰痛にも有効です。

③鍛える お尻をキュッと締めて、大臀筋を鍛えます。

 なお、「ほぐす」は、仙骨周辺の腰痛の場合は、必要ありません。
 体操教室にお越しのFさん(60代・女性)は、中腰の姿勢で、ガス台の下を掃除しているときに、腰痛を起こしました。すぐに、ほのまき体操を思い出し、試しに小さく腰を回したところ、徐々に可動域が広がって大きく回せるようになり、腰がらくになったそうです。

 それから、ぜひ気を付けていただきたいのが、普段の座り方です(図参照)。
 腰痛予防のためには、骨盤を立てて座ることが大事ですが、お尻の下に座ぶとんやクッションを敷くと、骨盤を立てやすくなり、背筋も鍛えられます。
 筋力が弱いうちは、この姿勢を保つのはきついかもしれません。そのときは、背もたれと腰の間にクッションなどを入れて支えると、S字カーブを保ってよい姿勢で座ることができます。日常的にこの座り方を行うだけで、筋力がついてきます。

 なお、この座り方は、仙骨付近の腰痛だけでなく、すべての腰痛にお勧めです。
 骨盤を立てて背すじを伸ばして座れば、胸が開いて呼吸も深くなり、内臓の働きもよくなります。全身の健康づくりにも役立ち、姿勢も改善されます。ぜひお試しください。

若月麻里
おばた治療院代表・鍼灸マッサージ師。治療のほか、独自の健康体操の指導にも力を入れている。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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