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【便秘と下痢】

【便秘と下痢】"腸が動き出す"足のマッサージで腸のむくみ、張りを解消

パンパンに張ったガス腹、何日たっても出ない便、つらいものですよね。気になって、仕事も家事も集中できない、という人も多いのでは。ここでは、簡単にでき、試したとたんに腸が動き出すストレッチを紹介します。【監修】市野さおり(看護師・リフレクソロジスト)

ほんとうの心の状態を臓器は知っている

 私は看護師として、また、足の裏を刺激するセラピーを行ってきて、多くの患者さんと接してきました。医療的なケアを行うだけでなく、ふだんの生活習慣から人間関係まで、さまざまなお話もしています。その中で、「感情や考え方の癖」が、病気を引き起こすことに気づきました。病気の種類、そして病気が現れる部位までも、「感情や考え方の癖」と関係があるようなのです。

 東洋医学にもこのような考え方がありますが、感情と臓器は、互いに影響を及ぼし合っています。慢性的な症状の多くは、自分がまったく気づいていない感情や考え方の癖が、臓器の働きを悪くして引き起こされていると言っていいでしょう。
 臓器の状態は、足の裏を見たり、触ったりすることでわかります。色の変化やシワなどは、足の裏の部位(ゾーン)と対応している臓器の不調を意味します。それと同時に、臓器に悪影響を与えている感情や考え方の癖も示しているのです。

 今回のテーマである「腸」は、「断腸の思い」という言葉もあるように、悲しみや不安、怒りなどが関係しています。腸に影響を与えている感情や考え方の癖を知っていただき、足のゾーンを使って症状を改善する方法をお伝えしましょう。

小腸と大腸で働きが大きく異なる

 まず、「腸」とひとくくりにされることが多いのですが、腸には小腸と大腸があり、それぞれの働きは大きく異なります。
 小腸の主な役割は、栄養分の吸収。小腸の筋肉が弛緩と収縮を繰り返しながら、胃から送られてきた内容物を消化液と混ぜ合わせ、腸壁から栄養素と水分を吸収して、大腸へ送り出します。

 小腸から大腸への移行部にあるのが、回盲弁。弁が開閉して、小腸から大腸への内容物の移動をコントロールしています。
 続く大腸は、腸の内容物から水分を吸収して便をつくり、肛門へと送り出す役目を果たしています。
 小腸・回盲弁・大腸の不調で、現れる症状は異なります。

 例えば、胃の不調と思われがちな胃もたれや消化不良、食欲不振などは、実は小腸に原因があることが多いのです。小腸の動きが停滞し、腸の内容物が小腸に長く留まったままだと、胃が重く感じられます。
 また、小腸の動きが停滞すると、ガスがたまることもあります。小腸ガスは、腹部に差し込むような痛みや、吐き気などを招きます。
 回盲弁の働きが悪くなると、小腸から大腸への内容物の移動が妨げられるため、便秘を招きます。

 大腸の不調が原因で起こる腸の代表的なトラブルは、便秘、下痢、大腸ガスです。大腸ガスと小腸ガスの違いは、悪臭の有無。臭いおならがよく出る場合は、大腸ガスです。

足の裏で臓器の状態がわかる

 足の裏をチェックすれば、小腸・回盲弁・大腸の状態がわかります。そして、足の裏を刺激することで、症状が現れる前の段階で不調を改善できるのです。
 図に、腸の症状と関係する足のゾーンを示しました。足の裏にある、小腸・回盲弁・大腸に対応するゾーンを指で押して、ゴリゴリとした硬い感触があったり、ブヨブヨとしていたりする場合は、臓器が弱っていると考えられます。

 例えば、土踏まずの周辺にある小腸のゾーンは、指の腹で5秒間グッと押した跡が、10秒かけて元に戻るのが健康な状態。指の跡がなかなか元に戻らない場合は、小腸の機能が低下しています。
 右足のかかとの外側上方にある回盲弁のゾーンを指で押してみて、ゴリゴリとした硬い感触がある場合は、回盲弁が硬くなっていて、それが便秘の原因だと考えられます。
 大腸のゾーンも同様に、押すと硬い感触があれば、大腸の機能が低下していると考えられます。特にゾーンの曲り角の部分が、硬くなっていることが多いです。

 足の裏の色やシワも、体の状態を示す重要なサイン。
 足の裏が黄色っぽい人は、血液中に老廃物や疲労物質がたまっています。腸の動きが停滞し、ストレス性の便秘になりがちです。
 紫色の場合は、血液が汚れているサイン。冷えからくる循環不良が原因で便秘になっている人に、多く見られます。土踏まずが赤い人は、小腸にトラブルを抱えていると考えられます。

 足の裏のシワで注意したいのが、「ガス線」と「下痢線」です。
 ガス線は、足の裏を端から端まで横切るように走るシワ。腸にガスがたまっている人によく見られます。
 下痢線は、足の裏を縦に長く走るシワ。特に、シワが綱や網のような模様になっていたり、シワに沿ってへこんでいる場合は、要注意です。足の裏のへこみは、腸の機能が全体的に低下し、便秘と下痢を繰り返している人に多く現れます。

腸の各部位の機能と足裏での不調判定法

異常を表すシワが消えると症状も改善

 異常が現れているゾーンを刺激することによって、そのゾーンに対応する臓器を健康な状態へ整えることができます。
 足の裏のマッサージの前に、よく足を温めるのがコツです。おふろ上がりか、両手で足を優しく包み込んで、温かくなったと感じられるようになってから行います。
 足のマッサージは、右足から行います。土踏まずの周囲にある大腸のゾーンを、親指の腹をギザギザと移動させながら押して刺激します。

 小腸のゾーンは、あまり力を入れず、柔らかくもみほぐすように刺激するとよいでしょう。
 ガス線や下痢線は、シワを消すイメージで、両手の親指でシワを伸ばします。このマッサージを続ければ、ネガティブなシワが消えていくにしたがって、腸の働きも改善します。

 左足も、右足と同様にマッサージします。
 右足だけにある回盲弁のゾーンは、親指の腹で押さえ込み、押し回すようにして刺激します。
 足の内側アーチにある胸椎・腰椎のゾーンも、腸の不調と深い関係があります(下の図参照)。
 腸の動きをコントロールする自律神経(意志とは無関係に体の機能を調整する神経)は、背骨(椎骨)の中の脊髄を通り、背骨の間から枝分かれして各臓器へ伸びています。

 小腸につながる自律神経は、背中の中央からやや下の背骨(胸椎)の間から、大腸につながる自律神経は、腰の上部の背骨(腰椎)の間から出ています。そのため、背中や腰の筋肉がこっていると、自律神経が圧迫されて、腸の動きまで悪くなるのです。
 私の経験では、背中をほぐすと便秘が解消する人がたいへん多いのですが、これは自律神経の圧迫が取れて、腸が正常に動くようになる結果だと考えています。
 足にある胸椎・腰椎のゾーンを押すと痛みのある人や、背中や腰がこっている自覚のある人は、胸椎・腰椎のゾーンを指で押して刺激しておきましょう。
 指の代わりに綿棒やれんげ(陶製のスプーン)を使うと疲れないので、最近気に入っています。

足もみのやり方

ゾーン刺激で自分の心に気づくのが第一歩

 冒頭でお伝えしたように、腸の働きは、感情に強く影響されます。
 被害者意識が強く、「どうして私だけうまくいかないのか」といった自分を哀れんで悲しむ人は、小腸の働きが悪くなります。
 また、恐れ、いら立ちを感じがちな人は、回盲弁の働きが低下してしまいます。

 不安や怒り、執着心の強い人は、大腸の動きが鈍くなります。
 私が施術しているかたの中で、通常量の下剤では効果のない、重度の便秘の女性がいて、足の裏のゾーンはゴリゴリと硬くなっています。
 ふだんは職場の愚痴などをこぼさないかたですが、最近、ご自分を醜いと強く思い込んでいることがわかりました。「生まれつき醜い」ということに執着しているので大変ですが、この思い込みにご自身が気づいて、手放せるように、私はケアをしています。

 汚い言葉ですが、心の中に「くそっ!」という思いをため込むと、腸の動きも停滞して「くそ」がたまる、つまり便秘になるのです。
 足のゾーンを押しながら、今日どんな感情を抱いていたか、自分にはどんな思考の癖があるか、振り返ってみてください。ゾーンのしこりは、感情のしこりかもしれません。

 自分の心のあり方に気づくことが、第一歩です。心の変化が起きたら、腸の症状もなくなっていた。そんなケースも少なくありません。
 足の裏から、感情と臓器に向き合い、いたわってください。

解説者のプロフィール

市野さおり(いちの・さおり)
1968年生まれ。看護師として総合病院で整形外科・集中治療室勤務。
退職後、アロマセラピー・リフレクソロジーの資格を生かし「統合医療ナース」としてフリーに転身。
内科、脳外科、産婦人科、心療内科、美容皮膚科、ダイエット外来、腫瘍外来など各診療科にて幅広く臨床実践や指導などの活動を行う。
『免疫力を高める足裏健康法』(講談社+α新書)、『足裏分析リフレクソロジー』(BABジャパン)など著書多数。

●足裏からのメッセージ
http://blog.livedoor.jp/nsichi/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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