MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
飛蚊症のツボ【←なんて読む? 】原因と症状、治し方を医師が解説

飛蚊症のツボ【←なんて読む? 】原因と症状、治し方を医師が解説

飛蚊症(目の前に蚊が飛んでいるように見える症状)は、西洋医学の立場からは、治療の方法がない疾患とされています。ひぶんしょう、と読みます。眼科にかかっても、「この病気は治りません」といわれて、治すことをあきらめている人も少なくないでしょう。【解説】西田皓一(西田順天堂内科院長)

飛蚊症とは

 飛蚊症(ひぶんしょう。目の前に蚊が飛んでいるように見える症状)は、西洋医学の立場からは、治療の方法がない疾患とされています。眼科にかかっても、「この病気は治りません」といわれて、治すことをあきらめている人も少なくないでしょう。

 一方、東洋医学の立場からいえば、飛蚊症も治療の方法があります。私は長年、西洋医学の医師として患者さんに接しながら、そのかたわら東洋医学も併用して、さまざまな病気の治療に当たってきました。
 私の経験からいっても、ツボを上手に利用すれば、飛蚊症は治癒可能な病気です。実際に、これまでに何人もの患者さんの飛蚊症を、私自身が治してきたからです。
 飛蚊症の改善によく効くのは、耳尖という耳の先端にあるツボです。耳を縦に半分に折ったときに、耳の上部の先端に位置します。

飛蚊症の症状はツボ刺激で改善できる

 なぜ耳尖への刺激が飛蚊症に対して効果があるのか。それを説明するために、まず目の構造について、簡単にご説明しましょう。
 眼球は、レンズに当たる水晶体や、レンズを通して入ってきた光が像を結ぶ網膜などからなっています。そして、眼球の内部を満たしている流動的な成分の一つとして硝子体(網膜と水晶体の間を満たしている組織)があります。
 加齢のほか、さまざまな原因で、硝子体の一部が網膜からはがれるなどして、その中に濁った浮遊物が浮かんでくることがあります。それが、視界を遮り、蚊などが飛んでいる状態として認知されるのが、飛蚊症ということになります。

 東洋医学では、飛蚊症に限らず、こうした目の疾患の多くは、瘀血(静脈系の血管の血行不全)によって生じてくると考えられています。
 そこで、役に立つのが、耳尖というツボです。耳尖を刺激することで、患部の血液循環を促し、眼球内の硝子体の液の流れがよくなります。そのため、硝子体の中の浮遊物もなくなるので、視野も改善されるのです。
 また、耳は人間の体の中を巡っている経絡(生命エネルギーの一種である気の通り道)が集まる場所ですから、耳への刺激によって、経絡の流れもよくなります。これによって全身状態が整い、目にもよい影響を及ぼすと考えられます。

 私が患者さんを診る場合には、耳尖のツボに刺絡(針で刺激して出血させる方法)を行います。すると、瘀血を解消する効果がひときわ高くなります。
 ただ、これはご家庭ではできませんから、皆さんが刺激するときには、この耳尖のツボをよくもみほぐすようにしてみてください。

 耳尖をつまんだり、耳全体をもみほぐしたりして、一日に五分ほど刺激することを一つの目安とするといいでしょう。こうした刺激の場合、毎日続けることが肝心です。

目の断面図(イラスト図解)

目の断面図

飛蚊症に効く耳のツボ(耳尖)の位置と刺激の仕方

 では、耳尖を刺激することで飛蚊症に効果を上げた例をご紹介しましょう。
 Aさん(男性・六十二歳)は、別の病気で私の医院を訪れました。そして、その病気の診療中に、たまたま飛蚊症で悩んでいることを知ったのです。そこで、飛蚊症も治療することにしました。

 Aさんは、数年前から、右目に黒い斑点のようなものが見えていたのですが、しばらく放置していました。
 ところが、来院の一〇日前から、急に状態が悪化。右目全体に、カエルの卵のような影が広がり、同時に点状の小さな陰影が浮かび上がって、それらが視野の大きな妨げとなりました。そのせいでAさんは、運転にも支障をきたし、慌てて眼科を受診しました。
 しかし眼科では、あまり取り合ってもらえず、「治せないから、一生つきあっていくしかない」といわれたそうです。

 そこで私は、最初一日おきのペースで、Aさんの耳尖に刺絡を行いました。すると、二日後に効果が現れました。浮かんでいる点の数が少なくなり、影も急速に薄くなり始めたのです。
 そして、みるみる点や影がへって、一ヵ月後には、視野に映る影は完全に消え、ひどかった飛蚊症が完治したといっていい状態になりました。

 治療後、「一生治らないものだと思っていましたから、こんなにきれいに見えるようになって、感激しました」と、Aさんがうれしそうに話していたことが、今も強く印象に残っています。
 Aさんを診たのが二〇〇六年です。それ以降、私は飛蚊症の患者さんに耳尖への刺激を一〇例以上行っていますが、いずれも有効でした。この例のように、ツボを適切に刺激できれば、飛蚊症を改善することが期待できるのです。飛蚊症が気になる人は、耳尖への刺激をぜひやってみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連するキーワード
関連記事
健康を保つ秘訣は、血の巡りをよくすることにつきると言って過言ではありません。なぜなら血液は、細胞に必要な酸素と栄養素を届けるとともに、老廃物を運び去る重要な働きをしています。目の周囲の血流を回復させ、目のトラブルを改善するのにお勧めなのが「ショウガ湯」です。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)
飛蚊症(目の前に蚊が飛んでいるように見える症状)は、西洋医学の立場からは、治療の方法がない疾患とされています。眼科にかかっても、「この病気は治りません」といわれて、治すことをあきらめている人も少なくないでしょう。【解説】西田皓一(西田順天堂内科院長)
ショウガに含まれる、ジンゲロールとショウガオール(ショウガを加熱または乾燥すると、ジンゲロールがショウガオールに変化する)という二つの薬効成分が、病気や症状を改善する優れた効能をもたらします。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt