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下腹ぽっこり、便秘やガス腹の原因は大腸下垂かも?「逆立ち体操」で解消

下腹ぽっこり、便秘やガス腹の原因は大腸下垂かも?「逆立ち体操」で解消

「いつもおなかが張って苦しい」「下腹がポッコリ出ている」という人は、「大腸下垂」の可能性が非常に高いと言えます。便秘やガス腹を引き起こす大腸下垂の予防・改善には、腹筋、骨盤底筋を鍛えましょう。私がお勧めするのは、雑巾がけやおしりの上げ下げなどです。【解説】金子実里(金子病院副院長) 

解説者のプロフィール

金子実里(かねこみさと)
1956年、東京都生まれ。85年、帝京大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学麻酔科を経て、88年より現職。

構造的に大腸は垂れ下がりやすい

「いつもおなかが張って苦しい」「下腹がポッコリ出ている」という人は、「大腸下垂」の可能性が非常に高いと言えます。

大腸下垂とは、大腸が本来の位置からかなり下がっていることです。運動不足や加齢によって腹筋力が衰えると、重力に負けて、大腸の位置が下がってしまうのです。

大腸は、直径が5〜7cm、長さが1.5〜2mの長い管です。下図のように、大腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に区分けされます。

横行結腸とS状結腸は腸間膜という膜でつるされ、おなかの中でぶら下がっています。こうした構造のため、横行結腸が垂れ下がることがあるのです。

大腸を外側から押さえて支えているのが、腹筋です。女性は、男性と比べてもともと筋力が弱いので、大腸下垂になりやすいと言えます。大腸下垂になると、便やガスなどの内容物が大腸に滞ります。そのため、便秘やガス腹が引き起こされ、下腹がポッコリと出てしまいます。

逆立ちをすると大腸が元に戻る

正常な位置の大腸(左)と垂れ下がった大腸(右)

大腸下垂を防ぐには、腹筋、骨盤底筋を鍛えましょう。

私がお勧めするのは、雑巾がけです。腕を肩よりも高く上げて窓を拭いたり、足腰の筋肉を使って床を拭いたりすると、腹筋だけでなく、加齢とともに衰えやすい筋肉を使います。また、部屋が美しくなるという達成感も得られるので、長く続けられるでしょう。

大腸下垂による便秘やガス腹の解消には、10秒間の逆立ちが効果的です。逆立ちと言っても、両手だけで体を支えるポーズを取る必要はなく、壁などを使って足を高くするだけでかまいません。

こうすると、垂れ下がっていた大腸が元の位置に戻り刺激となって、便とガスが出やすくなります。また、下半身の血液・リンパの滞りも解消されるので、冷えやむくみも消えるでしょう。

頭と手で体を支える3点倒立を、私はときどき行いますが、やった後は体がスッキリします。軽い頭痛でしたら、治ってしまいます。

大腸下垂を改善する「逆立ち体操」のやり方

垂れ下がった大腸を元の位置に戻すエクササイズです。食後2時間を避けて、朝晩の1日2回を目安に行います。また、便秘やガス腹でおなかが張った感じがするときに行ってもいいでしょう。

腰などに痛みが現れたら、無理をせず、すぐにやめてください。

【初級編】おしり上げ下げ

床にあおむけになり、ひざを立てる。この状態で、ゆっくりとおしりを持ち上げ、10秒保ってから、ゆっくりと下ろす。お尻を上げる・下げるを5回くり返す。

【初級編】肩倒立

床にあおむけになり、両足をそろえて天井のほうへ伸ばす。両手は腰に当て、両ひじと肩で体を支えて、10秒保つ。

※壁のそばで行い、両足を壁にもたれかけてもよい。

【初級編】3点倒立

床に正座をし、額と両手のひらを床に押し当てる。両足をそろえてゆっくりと天井のほうに伸ばす。頭と両手のひらで体を支えて、10秒保つ。

食事も生活も1つだけに偏らないことが大事

大腸にガスがたまると、おなかの張りだけでなく、背中やわき腹に差し込むような痛みが生じることがあります。ガスが周囲の器官を圧迫するためです。

こうした症状を早く解消させるには、おなかやおしりを温めることが効果的です。カイロや湯たんぽ、電気あんかなどを利用しましょう。お湯を入れたペットボトルでもいいのですが、やけどに注意してください。

大腸は温めることで、動きが活発になります。そして、ガスが移動し、周囲の器官への圧迫が解消して、痛みも消えます。

ガス腹によく悩まされる人は、1回の食事量を少なめにし、回数を増やすといいでしょう。例えば、これまで1日3回食べていた量を、5回に分けて食べるのです。

繊維質の多いものも、かえってガスを停滞させます。やせたいからと、油脂類をほとんど口にせず、サラダなどで一度に大量の食物繊維をとる人に、便秘やガス腹が多く見られます。

必要な油分はとりましょう。油脂類は、便の滑りをよくして排便しやすくするために必要だからです。また、腸内に大量の食物繊維が入ってくると、中で停滞してガスが発生するのです。食物繊維をはじめ「腸に効く食品」にはいろいろなものがありますが、「これさえとればいい」と1種類に偏るのは避けてください。

同様に、座って行う仕事ばかりやるのではなく、ときどき雑巾がけや逆立ちを取り入れるようにしましょう。運動不足とストレスの解消につながります。

食事も日常生活も、1つだけに偏らずまんべんなく行うことが、大腸の健康を保つために、なによりも大事です。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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