【昼そば】年越し蕎麦は「昼」がオススメな理由

【昼そば】年越し蕎麦は「昼」がオススメな理由

糖尿病で血糖値が気になるかたにお勧めしたいのが、「昼そば」です。昼にそばを食べるというこの方法は、血糖値を下げ、ダイエットにも効果を発揮します。ここでは、昼そばが、糖尿病やダイエットに有効な理由をお話ししましょう。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)


玄米よりも血糖値を上げにくい!

 糖尿病で血糖値が気になるかたにお勧めしたいのが、「昼そば」です。昼にそばを食べるというこの方法は、血糖値を下げ、ダイエットにも効果を発揮します。

 では、昼そばが、糖尿病やダイエットに有効な理由をお話ししましょう。
 皆さんは、GI(グリセミック・インデックス)値という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。GI値とは、ある食品を食べたときの血糖値の上昇率を示す指標です。ブドウ糖を摂取したときの血糖値上昇率を100としたとき、それぞれの食べ物が、どの程度上昇させるのかを示します。この数値が低ければ低いほど、血糖値の上昇はゆっくりになり、太りにくい食品ということです。

 逆にいえば、GI値が高い食品は、血糖値が急激に上がりやすく、糖尿病のかたにはお勧めできません。
 例えば、穀類や麺類の中では、精白米の値が88、食パン95、フランスパン95、うどん85と、かなり高いのに対して、日本そばは54です。玄米ですら55ですから、玄米よりも低いということになります。
 そばは明らかに血糖値の上がりにくい食品であるばかりではなく、消化・吸収に大変優れており、食後に胃もたれしにくい食品です。しかも、ビタミンやミネラルなども豊富で、栄養のバランスがいいのも特長です。

 さらに、8種類の必須アミノ酸を含む良質のたんぱく質が豊富ですし、心臓病や動脈硬化を防ぎ、毛細血管の強化に役立つビタミンB1や、ビタミンB2もたくさん含まれています。また、抗酸化作用の高いポリフェノールの一つ、ルチンも含まれています。
 その中でも注目したいのは、バナジウムという成分の働きです。というのも、バナジウムには、血糖値を下げるホルモンである、インスリンに似た働きがあるからです。糖尿病に悩む人にとっては、この点からも、そばはぜひともお勧めしたい食材です。

 さて、漢方の観点からいえば、食物はすべて、陰性と陽性の二つに分けられます。陰性の食品は体を冷やし代謝を下げ、陽性の食品は体を温め代謝を上げると考えられています。陰性の食品は暖かい地域でできるもので、色は青、白、緑のものが多いのが特徴です。一方、陽性の食品は寒い地域でできるもので、赤、黒、ダイダイなどの色をしています。

 そばは、国内では信州や東北地方など、主に寒冷地で栽培され、黒い色をしています。つまり、そばは陽性の食品であり、体を温めて代謝をアップさせる効果があるのです。

 では、なぜ、昼にそばを食べるのがいいのでしょうか。
 夕食後就寝している間は、ある意味、断食している状態です。その後、朝起きたときはまだ、心身をリラックスさせる副交感神経の働きが優位であり、体は排泄の時間だと認識しています。

 こうした朝の時間帯に食事をたくさんとると、大腸や腎臓の排泄力が低下してしまうため、朝食はあまり食べないことが理にかなっています。ですから、私がお勧めする朝食は、ニンジンジュースやショウガ紅茶だけです。

 それが昼になると、交感神経の働きが高まって、食物をとり入れるべく体が機能し始めます。断食明けの補食ともいうべき昼食は、なるべく動物性のたんぱく質や脂肪を含まない、消化のよいものがベストです。この点でも、消化・吸収のよいそばが勧められるのです。

ワカメやとろろとの組み合わせがお勧め

 次に、昼そばが特に効果を発揮した例をご紹介します。
 54歳の男性は、身長172cmで92kgの肥満体型。10年前から糖尿病と脂肪肝を患っていました。
 そこで、朝はニンジンジュース、昼はそば、夜はなるべく陽性の食品をたくさんとる習慣を実践してもらいました。 
 すると、昼そばを開始して1ヵ月半後には88kg、2ヵ月半後には80kgとなり、合計12kgもの減量に成功したのです。
 しかも当初は、ヘモグロビンA1cが9.1%もありましたが、5.3%と、基準値まで改善することができました。さらに、肝機能値のγ︲GTP(基準値は55単位以下)も、3けた台から2けたに下がっています。

 このように糖尿病の改善にもダイエットにも役立つ昼そばですが、いくつか注意点があります。
 当然ですが、食べるときに天ぷらやかき揚げ、油揚げをいっしょに食べると効果は下がってしまいます。お勧めは、かけそばやもりそばです。

 とはいえ、毎日そればかりだと続かないでしょう。その場合は、ワカメそばや、とろろそばにしてみましょう。ワカメは、糖分が腸から吸収されるのをおさえる働きがあります。ヤマイモは血流をよくし、下半身を強化するといった効果が期待できます。
 加えて、ネギ、ワサビ、七味トウガラシなどの薬味をたっぷりかけて食べれば、体を温める効果が増大し、ダイエットにも効果的と考えられます。
 皆さんも、昼食をそばにして、糖尿病の改善やダイエットに役立ててみてはいかがでしょうか。

石原新菜先生
長崎県生まれ。帝京大学医学部を卒業後、大学病院での研修医を経て、イシハラクリニックにて漢方薬処方を中心とする診療を行う。『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム)など、著書多数。雑誌やテレビなどでも活躍中。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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