薬を全く飲まずに重度の糖尿病を克服
私は、30代のころから、いいようのない疲労感に襲われるようになりました。それでも病院には行かずに、日々の仕事に追われて過ごしていました。原因がわからないまま、年々、症状が悪化していったのです。
50代に入って、別の病気で病院に行きました。そこでやっと、この疲労感の正体がわかったのです。それは糖尿病でした。
そのときの血糖値は、500〜600㎎/㎗もあったのです。おそらく、あの強い疲労感が始まった30代には、すでに病状が進んでいたと思われます。
こんなに血糖値が高かったら、普通なら迷わず薬を飲むべきところでしょう。しかし私は、薬に頼らず、自分の力で糖尿病を治すことにしました。西洋医学の薬で糖尿病を根本的に治せるのか、疑問だったからです。
そこで始めたのが、足の裏ほぐしです。私は以前から、足の裏の施術に興味があり、長年その研究を続けていました。
足の裏の施術で重んじられているのが、「反射区」です。足の裏には、体の各臓器や部位に対応した部分があり、そこを刺激すれば、体の不調や病気を改善できると考えられています。
私の場合は糖尿病ですから、足の裏の膵臓に対応した反射区を中心に刺激すれば、膵臓の働きが活性化し、糖尿病の改善につながると考えました。
膵臓に対応する部分は、土踏まずの内側のへりにある反射区です。
そこで、まずここを強く押しもみします。次に足の中心部にある腎臓や、土踏まずの内側のへりのかかと寄りにある膀胱、腎臓と膀胱をつなぐ輸尿管の反射区を、押していくのです。
こうした一連の刺激を、私は毎日、朝昼晩の食事のあとに行いました。
さて、足の裏ほぐしを続けていたところ、すばらしい効果が現れました。なんとわずか半年で、あれだけ高かった血糖値が基準値内で安定したのです。疲労感や体のだるさも消え、体調も驚くほどよくなりました。薬は全く飲まなかったので、まさに足の裏ほぐしで重度の糖尿病を克服したといえます。
私の整体院には、やはり糖尿病に悩んでいる患者さんが多く来院します。そういった患者さんにも、足の裏ほぐしをお勧めしています。
糖尿病に効く足の裏ほぐしのやり方

薬も食事も運動も効かない人が大改善
70歳代の男性の例をご紹介しましょう。この男性は、40代後半に、糖尿病と診断されました。薬を飲み、食事制限や運動も心がけましたが、効果があまり現れません。過去1〜2ヵ月の血糖状態がわかるヘモグロビンA1cが、10.1〜10.2%まで上昇しました。血糖値も150〜160㎎/㎗ありました。
それが、足の裏ほぐしを続けていたら、1ヵ月後にはヘモグロビンA1cが7.3%、血糖値も125㎎/㎗に下がったのです。
その1ヵ月後には、ヘモグロビンA1cが6.7%、血糖値も118㎎/㎗まで下がりました。基準値までもう少しと、大変喜んでいます。
また、ヘモグロビンA1cが9%あった60歳男性は、3ヵ月で5.8%まで下がりました。このかたは、消しゴムを切って靴の中に両面テープではり、足の裏の膵臓の反射区に当たるようにして、毎日歩きました。消しゴムの形や厚さは、自分の足に合うように工夫したそうです。

食後20分以内に足の裏を押しほぐす
では、ここで、糖尿病に効く足の裏ほぐしのやり方をご説明しましょう。膵臓の反射区は土踏まずの内側のへりにあります。ここから刺激を始め、腎臓、輸尿管、膀胱の反射区を、左右の足ともに40〜50回ずつ強く押します。慣れてきたら、100回を目標に、1日3回、食後20分以内に行ってください。
足の裏ほぐしをやったあとは、200〜500㎖の白湯を飲みます。老廃物の排出を促すので、効果的です。
刺激する際には、指で指圧してもかまいませんが、100円ショップなどで売られている木製の指圧棒を使うと、小さな力で大きな刺激を加えることができます。なお、靴下の上から刺激する場合は大丈夫ですが、素足を刺激する場合は、皮膚を傷つけないために、事前にクリームを塗ってください。
インスリン注射や薬、食事療法、運動療法を行いながら、足の裏ほぐしを行えば、効果もいっそう高まるでしょう。なかなか血糖値が下がらないかたは、一度、足の裏ほぐしをお試ください。

木製の指圧棒を使うと効率的
解説者のプロフィール

青坂一寛先生
1943年生まれ。1995年に大分市で一寛治療院を開院。
みずからの糖尿病を克服した体験から、足の裏ほぐし整体を確立、普及に務める。
近著に『万病を防ぐ!ふくらはぎ足裏もみ』(宝島社)がある。
●一寛治療院
http://momimomi.ftw.jp/u8911.html