【急増中のペラペラ腸】年末メタボを撃退!腸が元気になる 意外なこのメニュー

【急増中のペラペラ腸】年末メタボを撃退!腸が元気になる 意外なこのメニュー

腸は本来、口から入ってきた食品を、とことん消化するしくみになっています。腸は筋肉でできているので、筋肉運動をして消化するわけです。楽に吸収できるものばかりを食べていると、筋肉を使う必要がないので筋肉運動をしなくなり、退化してペラペラに薄くなっていくのです。【解説】丁宗鐵(日本薬科大学学長・百済診療所院長)


手術で縫えないくらい腸がペラペラ!

 今、ペラペラ腸の人が急増しています。
 ペラペラ腸というのは、腸が極端に薄くなり、活動が低下した腸のことです。私も若いころ、外科での研修中、肥満ぎみの男性を手術したときに、ペラペラになった腸を目の当たりにしました。あまりにも薄くて、手術で腸が縫えないくらいだったのです。

 なぜ、そんなペラペラ腸になるのかというと、食生活に問題があるからです。現代は甘いものやスナック菓子、清涼飲料水などが氾濫しており、コンビニなどで簡単に手に入るため、そういったものばかり食べる人がふえています。それらに含まれる、糖分やアミノ酸、脂肪酸などは、消化に苦労することなく、そのまま楽に吸収されてしまいます。

 しかし、腸は本来、口から入ってきた食品を、とことん消化するしくみになっています。腸は筋肉でできているので、筋肉運動をして消化するわけです。先ほどのような、楽に吸収できるものばかりを食べていると、筋肉を使う必要がないので、筋肉運動をしなくなり、退化してペラペラに薄くなっていくわけです。
 腸がペラペラになると、さらに体は、消化しやすい、糖分の多いものばかりを欲するようになります。そのため、悪循環でどんどんその傾向が強くなるわけです。
 糖分ばかり摂取するため、ペラペラ腸の人は、太っている人が多い傾向があります。つまり、ペラペラ腸は、メタボやうつ病の元凶ともなるのです。

 では、ペラペラ腸になってしまったら、どうすればいいのでしょうか。それには、衰えた筋肉を鍛えるのと同様に、腸を鍛え直す必要があります。
 まず重要なことは、規則正しい食生活を心がけることです。自分では意識できませんが、消化管運動はもともと自動でプログラムが組まれています。したがって、腸が働く時間、休む時間というように、きちんとメリハリをつけましょう。間食や夜食をとると、このプログラムに支障を来してしまいます。

 次に、食事内容を変えることでも、腸は鍛えられ、機能が向上します。何を食べればいいのかというと、食物繊維、発酵食品、スパイスの三つです。
 食べ物は、消化に時間のかかるものを選ぶことが、腸を鍛えるのに大切です。食物繊維の豊富な野菜を、温野菜などにしてたっぷり食べましょう。穀物であれば、雑穀もいいでしょう。食物繊維は、便のかさをふやす効果もあり、免疫を向上させるメリットもあるので、食事で意識的にとりたいものです。

干物や漬物などの和定食で腸トレ!

よくかんで食べるとガス腹の解消に役立つ

 また、腸の働きをよくするためには、善玉菌と悪玉菌のバランスも大事です。酵母や乳酸菌を含む発酵食品を意識的にとると、善玉菌がふえて腸の働きが活発になります。すると、腸が鍛えられて、さまざまな病気を防ぐ、免疫力を高めてくれます。

 腸にいい発酵食品というと、ヨーグルトを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、ヨーグルトに入っているのは1種類の乳酸菌だけです。その点、日本に古くからある漬物は、乳酸菌、酵母菌、食物繊維が同時に摂取できるのでお勧めです。

 スパイスの香りや味の刺激も、胃腸の働きを活発にし、代謝を上げてくれます。さまざまなスパイスをミックスしたカレー粉や、コショウ、シナモンといったおなじみのスパイスのほかにも、ショウガやニンニク、ワサビ、和ガラシ、サンショウ、シソ、ミョウガ、ミツバ、ネギ、辛みダイコン、七味トウガラシ、柚子コショウなどもすべてスパイスの仲間です。日ごろから、スパイスを多用すれば、バラエティに富んだ、風味のよい食事が楽しめます。そうすれば、自然と腸が元気になっていきます。

 ところで、以上の三つの条件を満たす食事を考えると、まさに日本古来の和定食がうってつけです。雑穀米に、干物や漬物などの発酵食品、野菜の煮物といったメニューの和定食を1日2回食べていれば、確実に腸を鍛えることができます。和定食以外では、キムチやカレーなどもお勧めです。
 このようにして、腸を鍛えていけば、ペラペラ腸が改善して活発に動くようになります。すると、健全な食生活ができるようになり、メタボもうつ病も解消できるはずです。

 ところで、皆さんの中にはガス腹に悩んでいる人がいるかもしれません。ガス腹とは、ガスが腸にたまって苦しくなる症状です。実は、ガス腹になる原因の8割は、咀嚼に問題があります。パンなどをはじめ、食べ物にはかなり空気が含まれているので、よくかんで空気を取り除き、唾液と混ぜる必要があります。
 ところが、歯のぐあいが悪くてよくかめないなど、咀嚼が不足すると、空気を飲み込むことになり、ガス腹が起こるのです。

 また、ガス腹の残りの2割は、腸に問題があるケースで、この場合は下痢や便秘を伴うのが特徴です。このような人も、食物繊維や発酵食品、スパイスなどを積極的にとって腸を鍛えれば、腸の状態が改善します。和定食をよくかんで食べる習慣は、すなわちガス腹の解消にも有効なのです。
 以上に留意して食生活を改善し、腸の機能を向上させて、心身ともに健康増進に努めてください。

丁 宗鐵先生
1947年、東京都生まれ。横浜市立大学医学部大学院修了。医学博士。北里研究所東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院医学系研究科助教授などを経て、現職。著書に『「カレーを食べる」と病気はよくなる』(マキノ出版)など多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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