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【ステーキは長寿食】50歳を過ぎたら肉を食べよ!その理由と食べ方のコツ

【ステーキは長寿食】50歳を過ぎたら肉を食べよ!その理由と食べ方のコツ

「肉はとってはいけない」と思う人が多いようです。肉を食べると、コレステロールがふえて血管にたまり、動脈硬化を起こし、腸内環境が悪化すると考えるからです。しかし、長寿を考えると、これは間違いです。50歳を過ぎて、長生きしたければ、肉を食べなければなりません。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)


日野原重明先生も週2回はステーキを召し上がっていた!

 心身を健康にするには、腸内細菌をふやし、腸内環境のバランスを整えることが大事です。そのためには、食物繊維の多い野菜や豆類、海藻類や、日本の発酵食品であるみそや納豆、ぬか漬けなどをしっかりとる必要があります。

 そういうと、「肉はとってはいけない」と思う人が多いようです。肉を食べると、コレステロールがふえて血管にたまり、動脈硬化を起こし、腸内環境が悪化すると考えるからです。
 しかし、長寿を考えると、これは間違いです。50歳を過ぎて、長生きしたければ、肉を食べなければなりません。

 人間の体は60兆個もの細胞から作られています。その細胞が正常に働けるのは、それぞれが細胞膜に包まれているためです。細胞膜がなければ、人間は体の機能を保てません。この細胞膜の原料がコレステロールです。
 コレステロールには、体内にコレステロールを供給する役割を持つLDLというコレステロールがあります。これがふえすぎると、血管にたまり、動脈硬化の原因になると、一般的には考えられています。

 しかし、LDLコレステロールが悪玉となるのは、活性酸素と結びつき、過酸化脂質に変性したときです。この過酸化脂質こそが真の悪玉で、血管を傷つけ、ボロボロにするのです。
 ですから、私たちが配慮する必要があるのは、過酸化脂質を作る活性酸素の害を極力へらすことです。決して、肉を食べていけないわけではありません。
 LDLコレステロールがなければ、肝心要の細胞膜を維持できず、体にかえって悪いのです。近年、コレステロール値が高いほど死亡率は低くなるという大規模な研究結果が出されていますし、コレステロールを下げる薬を服用しても、心臓病予防効果は見られない、といった海外報告が相次いでいます。

 確かに、お年寄りでも元気な人は、よく肉を食べます。100歳を超えても現役で医師を続けていた聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生も、週に2回はステーキを食べていました。
 私は、ときどき日野原先生と食事をしていましたが、ビックリするほど大きなお肉をペロリと食べてしまわれるのです。百寿者のかたは、そのようにしてじょうぶな細胞を日々作っているのです。

血糖値が正常化し若々しい体になった!

 では、肉を食べると、腸内環境はどうなるのでしょうか。

 確かに、週4回以上肉を食べ、野菜などをとらない食生活をしていたら、体にはよくありません。腸内細菌のバランスがくずれて、免疫力が落ちるなど、いろいろな支障が出てくるからです。
 ですから、肉を食べるときは、必ず野菜もたっぷりとってください。腸内環境を良好な状態に保ち、活性酸素をふやさない工夫をすることです。その条件を守って、週に2〜3回は、しっかり肉を食べましょう。
 私も、糖質をへらして週2回はステーキを食べます。もちろん、みそキャベツも食べています。おかげで、糖尿病で高かった血糖値は正常値になり、体重は10㎏へり、腸の調子も良好です。以前より若々しい体になり、研究と講演、執筆活動にもますます邁進できるようになりました。

 人間の体は、50歳を境に、生殖のための体から、長寿のための体に変わります。50歳前後に、性ホルモンの分泌量は大幅にへり、老化のスピードが上がっていきます。そこで、外から性ホルモンの材料を大量に補う必要があります。その材料になるのが、やはり肉の持つコレステロールなのです。
 ですから、50歳を過ぎたら、肉をぜひ食べてください。

ファイトケミカルの7色例

 最後に、腸内細菌のえさとなり、活性酸素の消去にも役立つ「フィトケミカル」について、ご紹介しましょう。
「フィト」はギリシャ語で植物、「ケミカル」は化学物質。植物が紫外線や外敵から自身を守るために作り出す物質で、強力な抗酸化力を持っています。主に野菜や果物に含まれる色や香り、辛み、苦みの成分のことです。

 具体的には、植物の色素成分であるポリフェノール、緑黄色野菜などに含まれる色素成分のカロテノイド、ネギ類の香りや、ダイコンの辛み成分であるイオウ化合物、ハーブ類や柑橘類の香りや苦み成分のテルペン類、キノコ類に含まれるβ─グルカンなどです。

 フィトケミカルを多く含む食品は、「色が濃く、香り・辛み・苦みの強い野菜と、海藻類とキノコ類」と覚えていただいてもけっこうです。上の一覧は、その一部となります。異なる色の野菜をそろえて食べると、フィトケミカルの種類を豊富に摂取できるでしょう。
 肉とともに、たっぷりとフィトケミカルをとってください。これによって腸内環境が整い、腸が元気になり、しかもしっかりと細胞の強化を図ることができるはずです。ピンピンコロリの長寿も夢ではありません。

解説者のプロフィール

藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)

感染免疫学者。医師。
1939年旧満州生まれ、三重県育ち。
東京医科歯科大学医学部卒業。
東京大学医学系大学院修了。
金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授を歴任。
長年、腸内細菌の研究に取り組み、『腸内革命』(海竜社)、『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)、『腸の毒出しでやせる!病気が治る!』(マキノ出版)などベストセラー多数。
近著に『1000 兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法』(KADOKAWA)、『腸で変わる! 病気にならない、50 代からの生活習慣』(世界文化社)など。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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