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【腰のツボ】大腸愈の刺激で脊柱管狭窄症の症状を改善

【腰のツボ】大腸愈の刺激で脊柱管狭窄症の症状を改善

私の治療院にも、脊柱管狭窄症で悩んでいるかたがたくさんいらっしゃいます。そうした皆さんに試して、効果を上げているツボがあります。ここでは、その特効ツボを紹介します。一人で簡単にできるものです。右側の痛みも、左側の痛みにも対応できます。【解説】佐藤一美(日本経絡指圧会会長)

解説者のプロフィール

佐藤一美
日本経絡指圧会会長。東京都指圧師会会長。その卓越した指圧のテクニックで、「ツボ名人」の異名を持ち、『壮快』をはじめとした雑誌での原稿執筆や講演活動のほか、株式会社ケイラク代表取締役として、指圧治療の業務を全国で展開。著書に『本当に効く「ツボ」が正しく押せる本』(マキノ出版)など。

便秘によく効く特効ツボ「大腸愈」

 私の治療院にも、脊柱管狭窄症で悩んでいるかたがたくさんいらっしゃいます。そうした皆さんに試して、効果を上げているツボがあります。ここでは、その特効ツボを紹介します。

 それは、腰の大腸愈というツボです。大腸愈は、便秘などによく効くツボとして有名ですが、実は、このツボが脊柱管狭窄症の症状を楽にするのに役立つことがわかってきたのです。
 まず、そのツボの位置を説明しましょう。大腸愈は、背骨の左右に1つずつあります。左右に大きく張った腰骨(腸骨)のいちばん上の高さで、背骨の中心から左右に指の横幅2本分だけ離れたところです。人差し指の先を腰骨の頂点に当てて親指を背中へ回します。親指は、背骨の左右にある筋肉(脊柱起立筋)の膨らみの頂点に届いているはずです。そこが、大腸愈になります。

腰のツボ「大腸愈」が、なぜ脊柱菅狭窄症に効くのか

 では、なぜ、この大腸愈への刺激が脊柱管狭窄症のかたに有効なのでしょうか。
 脊柱管狭窄症で悩んでいるかたにさわってみると、多くのかたに共通する傾向が見られます。
 肋骨の下辺りの背骨から骨盤へと伸びている大腰筋という筋肉がありますが、これは、上半身と下半身をつなぎ、私たちの体を支える重要な働きをしています。

 脊柱管狭窄症のかたは、この大腰筋のうち、腰椎(腰の部分の背骨)の4番、5番の部分から出ている筋肉が、ひどくかたくなっているケースが非常に多いのです。
 いい換えれば、それは、腰椎の4番、5番の部分に脊柱管の狭窄が起こっているケースが多いということでもあります。

 腰椎の4番、5番の靭帯などが加齢によって肥大すると、そこを通っている神経などが圧迫されます。また、その部分の血液循環が阻害されたり、脊柱管の中を流れている脳脊髄液の流れなども悪くなったりします。
 こうした影響を受けて、4番、5番から出ている大腰筋の筋肉がかたくなる現象が起こっていると考えられます。
 つまり、脊柱管狭窄症の患部の状態と、大腰筋の状態は密接に連動しているといってもいいでしょう。このため、脊柱管狭窄症の症状が出たりひどくなったりする前に、それらの前駆症状として、この大腰筋がカチカチになるという現象がしばしば見られます。

 このように両者が連動していることを利用して、ツボ刺激による効果を上げようというわけです。大腸愈のツボを刺激すると、これらのかたくなった筋肉をほぐすことができ、筋肉の血液循環もよくなります。それが、ひいては、筋肉のつけ根にある腰椎の4番、5番の部分へもよい影響を及ぼすことになります。

 もちろん、これで脊柱管に起こっている狭窄自体がよくなるわけではありませんが、その部位の血液循環がよくなれば、阻害されていた脳脊髄液やリンパ液の流れも改善し、神経の圧迫状態も軽減されます。
 その結果、脊柱管狭窄症による痛みやしびれが軽快することが期待されるのです。

親指を当てて刺激する

 次に、大腸愈のツボの刺激のやり方を説明しましょう。
 足を伸ばして、まずは、右側を上にして横向きに寝ます。重要なのは、このときの足先の位置です。足首をそろえて重ねてはいけません。
 そろえてしまうと、腰椎の4番、5番から出ている筋肉にほとんど刺激を与えることができないからです。
 そこで、右足を左足の後ろ側に回し、左右の両足首をからめるような位置に置いてください。こうすることによって、4番、5番の筋肉にうまく刺激を与えることができます。

 この姿勢を取り、大腸愈のツボの位置に親指を当てて刺激します。息を吐きながら親指にグッと力を入れて押し込みます。そのまま指の力を抜かずに、心の中で1、2、3と…10まで数えてください。
 10まで数えたら、力を抜き、息を吸いながら休みます。次に、また10まで数えながら指圧し、また休み、次に指圧しながら10まで数えることくり返します。これを3分間続けてみましょう。左側も同様に行ってください。

痛みが出る側だけ行なってもOK

 このツボ刺激は、1日3回程度行います。大腸愈は、腰の左右にありますから、左右の大腸愈を刺激するのが基本ですが、すでに左右のどちらかに痛みやしびれなどが出ているケースでは、症状の出ている側を重点的にやってもいいでしょう。
 例えば、悪いほうを3分刺激し、よいほうは1分にとどめるといったやり方でもいいのです。
 実際、足や腰に痛みやしびれが出ているときも、この指圧をやってみてかまいません。かたくなっていた筋肉がほぐれると、症状が軽減してくるのが感じられるはずです。

 また、腰椎の4番、5番の部位の脊柱管に狭窄が起こると、そこから出ている神経が圧迫された影響で、仙腸関節などの周囲や骨盤内に痛みが出ることがあります。こうした骨盤内の痛みというのは、なかなか治しにくいものですが、こうした症状に対しても、大腸愈への刺激は有効です。

 また、さきほどもふれたように、脊柱管狭窄症の前駆症状として、大腰筋の硬縮が起こるケースもあります。その時点で刺激しておけば、脊柱管狭窄症の予防や、その症状がひどくなることを遅らせる効果なども期待できます。
 この指圧は簡単にできるものですから、多くのかたにお試しいただきたいと思います。

腰のツボ「大腸愈」の刺激のしかた

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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