【最強の野菜スープ】ファイトケミカル(効能成分)摂取は「スープ」がベスト

【最強の野菜スープ】ファイトケミカル(効能成分)摂取は「スープ」がベスト

ファイトケミカルは、従来から知られている糖質(炭水化物)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの5大栄養素とはまったく違います。ファイトケミカルは、それらにはないすぐれた機能を持っています。【解説】高橋弘(麻布医院院長・医学博士 ハーバード大学医学部元准教授)


抗がん作用、抗酸化作用、免疫力の向上作用がある

ファイトケミカルは、従来から知られている糖質(炭水化物)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの5大栄養素とはまったく違います。ファイトケミカルは、それらにはないすぐれた機能を持っています。主な点は次の3つです。

①抗酸化作用
活性酸素の害を無毒化し、体の酸化を抑える作用です。活性酸素は遺伝子を傷つけてがんを引き起こしたり、脂質を酸化して動脈硬化を促進したりするなど、多くの病気や老化の原因になる物質です。
②抗がん作用
発がん物質を抑制したり、肝臓の解毒作用を高めたり、がん細胞のアポトーシス(自殺死)を促してがんを予防する作用です。
③免疫の増強・調整作用
免疫細胞の数を増やしたり働きを活性化させたりして、体内に侵入した病原菌やがん細胞などと戦う力を強化する作用です。高くなりすぎた免疫を抑制する作用もあります。

細胞膜を壊さないと体に吸収できない

 このようにファイトケミカルは、私たちが健康に生きるために欠かせない物質で、野菜や果物を食べることで摂取できます。

 しかし、その多くは、細胞や細胞膜の中に隠されており、細胞膜を壊さなければ私たちの体内に吸収されないのです。ところが、植物の細胞や細胞膜は、セルロース(繊維質)でできた細胞壁に囲まれているため、包丁で刻んだり、ミキサーで粉砕した程度では壊れません。

 細胞壁を壊す最も簡単な方法は、加熱することです。野菜を加熱してスープにすると、細胞壁が壊れて野菜の細胞や細胞膜からファイトケミカルの大部分がゆで汁(スープ)の中に溶け出してきます。一定時間煮続けると、その8〜9割がスープに溶け出ます。 
 ファイトケミカルは安定的な物質で、熱に強く、加熱しても効力は失われません。
したがって、ファイトケミカルは、煮てスープにすることによって、有効成分をムダなく摂取することがでます。

スープは生ジュースより数百倍も抗酸化力が強い(前田浩教授らの研究)

 次に、これを裏付ける研究をご紹介します。図は、熊本大学医学部微生物学教室の前田浩教授らの研究です。前田教授らは、各種野菜の生のしぼり汁と、ゆで汁に含まれる成分を取り出し、脂質に対する抗酸化力を比較しました。

 すると、驚くべきことに、ゆで汁は、生のしぼり汁の数百倍の抗酸化力があったのです。白印が野菜の生の抽出成分、赤印がゆで汁の抗酸化力を示しています。例えば、ニンジンでは、生のしぼり汁(ジュース)の抗酸化力を1とすると、ゆで汁の抗酸化力は約100倍でした。これは、ファイトケミカルがスープに溶け出た結果です。

 野菜は「熱を加えるとビタミン類が破壊されてよくない」とされ、サラダとして生で食べることが勧められてきましたが、抗酸化力の面では、加熱して、そのスープを摂取するのが効果的と言えます。

 ファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫から自分の身を守るために合成している物質なので、日光を浴びた野菜に豊富に含まれています。スープを作るときには、露地栽培の旬の野菜を選ぶといいでしょう。

ファイトケミカルの抗酸化力は 毒性の強い活性酸素も無毒化する

 体内でエネルギーが代謝されたり、外からウイルスや細菌が侵入したりすると、活性酸素の一種である「スーパーオキシド」という物質が発生します。
 スーパーオキシドは、非常に不安定な状態となった活性酸素で、自らを安定させようとして周りにさまざまな危害を与えるようになります。
 通常は、スーパーオキシドは解毒酵素によって分解され、無毒化されます。

 ところが、この抗酸化作用は加齢とともに低下します。さらに、紫外線やストレス、過剰な運動などにより、活性酸素はどんどん増えてしまいます。処理が追いつかず、体内にスーパーオキシドがどんどんたまってしまうと、より毒性の強い活性酸素へと変化していきます。
 その代表ともいえるのが、ヒドロキシラジカル(OH・)です。スーパーオキシドの数十倍もの酸化力を持ち、遺伝子を傷つけて発がんの引き金となる強力なイニシエーター(発がん物質)です。

 人間は、ヒドロキシラジカルを無毒化する能力を持っていません。
これに対して、野菜に含まれるα-カロテンやβ-カロテン、フラボノイドなどのファイトケミカルは、非常に強い抗酸化力を持っているので、ヒドロキシラジカルを無毒化して遺伝子を守り、発がんを予防してくれるのです。

ファイトケミカルスープの作り方はこちら
 

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【肝臓病予防】には食生活の改善が重要!酸化・ 糖化・鉄化を防ぐ「野菜スープ」がよい

【肝臓病予防】には食生活の改善が重要!酸化・ 糖化・鉄化を防ぐ「野菜スープ」がよい

肝臓病の予防や進行阻止、改善には、なんといっても食生活が重要です。そのポイントは、「体の酸化・糖化・鉄化を防ぐ」ということです。そこで、酸化対策として、食事でファイトケミカルを上手にとることが大切です。活性酸素を除去する「抗酸化作用」を持っています。【解説】髙橋弘(麻布医院院長ハーバード大学医学部内科元准教授)


【不整脈が改善】300のコレステロール値が下がった 秘密は「野菜スープ」

【不整脈が改善】300のコレステロール値が下がった 秘密は「野菜スープ」

今回ご紹介するのは「くず野菜スープ」です。「野菜のくず」を生ごみに出しているかたが多いのではないでしょうか。しかし、これらは「くず」ではなく、実際は体に有用な成分の宝庫です。紫外線やウイルス、細菌などから身を守るファイトケミカルは野菜の外側にこそ多くあるのです。【解説】佐古田三郎(刀根山病院院長・大阪大学名誉教授)


【食事療法】がんがきっかけの「野菜スープ」 続けられるのは美味しいから

【食事療法】がんがきっかけの「野菜スープ」 続けられるのは美味しいから

この野菜スープをとり始めてから3カ月ほどたつころ、いつもお世話になっているメイクさんから「肌の透明度が上がりましたね」と言われました。そのかたがおっしゃるには、皮膚のすぐ下に流れている血液が、サラサラできれいに流れていると肌の透明度が上がるそうです。【解説】岸本葉子(エッセイスト)


【野菜スープの効果】シミ(老人斑)が薄くなった!老眼もなく、白内障も進行しない

【野菜スープの効果】シミ(老人斑)が薄くなった!老眼もなく、白内障も進行しない

野菜スープをとり始めてしばらくたったころ、妻が私の顔をまじまじと見て、こう言いました。「あなた、シミが薄くなったわねえ」私は現在79歳で、10年ほど前から老人斑と呼ばれるシミが増えていました。ところが、野菜スープを飲むうちに、そのシミが非常に薄くなっていたのです。【解説】富永祐民(愛知県がんセンター名誉総長)


【ブロッコリーの栄養】茹ですぎに注意!便秘解消・シワ対策に効果のある食べ方・使い方

【ブロッコリーの栄養】茹ですぎに注意!便秘解消・シワ対策に効果のある食べ方・使い方

ブロッコリーは、野菜の中でも栄養が飛び抜けて豊富で、多くの健康効果や美容、ダイエットにも効果を期待できる、まさに「野菜の王様」です。体にいい成分の宝庫であるブロッコリーを、積極的に食生活に取り入れない理由はありません。【解説】木村至信(秋山眼科医院耳鼻咽喉科部長、木村至信BANDリーダー)


最新の投稿


脳が活性化する親指の体操で明るく前向きになれる!意欲がわいてくる!

脳が活性化する親指の体操で明るく前向きになれる!意欲がわいてくる!

親指刺激を行っているうちに、手の動きと脳の働きが同時によくなり、薬の管理がうまくできるようになったというお年寄りもいます。認知症に関する効果だけでなく、肩こりや冷えが軽減した、姿勢がよくなったという人も多いのです。【解説】長谷川嘉哉(認知症専門医)


巻き爪を予防する「正しい爪の切り方」深爪やバイアスカットが陥入爪も招く

巻き爪を予防する「正しい爪の切り方」深爪やバイアスカットが陥入爪も招く

フットケア外来を開設して驚いたのは、ほとんどの患者さんが正しい爪の切り方を知らないことでした。巻き爪や陥入爪(巻いた爪が皮膚に食い込む状態)といった爪のトラブルを防ぐには、スクエアカットといって、爪を̻四角に切ります。絶対してはいけないのが深爪とバイアスカットです。【解説】高山かおる(済生会川口総合病院皮膚科主任部長)


老廃物をグイグイ流して血流を改善「足の指刺激」のやり方

老廃物をグイグイ流して血流を改善「足の指刺激」のやり方

私は若い頃から拳法で鍛え、道場で拳法家の育成にも努めています。30代前半までは、仕事に、拳法にと精力的な日々を送っていましたが、30代後半になると、とたんに肩こりや座骨神経痛など、さまざまな痛みが生じるようになりました。【解説】原田秀康(国際足健法協会会長)


漢方薬剤師に聞く「干しぶどう」の効果効能「夜は酒・昼は酢」で使い分ける

漢方薬剤師に聞く「干しぶどう」の効果効能「夜は酒・昼は酢」で使い分ける

私は以前から、目の症状を訴えるかたがたに「干しブドウ酒」を勧めてきました。実際に、干しブドウ酒を試したかたがたからは、「目が疲れにくくなった」「目の痛みが取れた」「見えやすくなった」「かすみ目が改善した」など、さまざまな声をいただいています。【解説】井上正文(木暮医院漢方相談室薬剤師)


【息子の婚活】服装を親が選んではダメ!第一印象アップの秘訣を“モテ”のカリスマが指南

【息子の婚活】服装を親が選んではダメ!第一印象アップの秘訣を“モテ”のカリスマが指南

最近の”婚活”の主役は40代ですが、親御さんのセミナー参加が多くなったのも特徴です。特に、「どうすれば息子は結婚できるのでしょうか」という、お母さまからの切実な相談が増えています。【解説】白鳥マキ(Change Me結婚相談所代表・モテるメール評論家)