野菜スープについてもっと知りたい、ここがわからない、なんでもQ&A

野菜スープについてもっと知りたい、ここがわからない、なんでもQ&A

必ずしも4つの野菜だけで作る必要はありません。どんな野菜にもファイトケミカルが含まれていますから、そのときどきに応じて、他の野菜を加えるといいでしょう。【回答】髙橋 弘(麻布医院院長・医学博士 ハーバード大学医学部元准教授 )


目次

【Q】スープをおいしく作るコツはありますか?

 カボチャがポイントです。カボチャは煮崩れしやすいので、後から入れるとホクホクしたおいしいカボチャになります。
 また、いちばん火の通りにくいタマネギを最初に入れるのもコツです。
 したがって、まずタマネギを鍋の底に入れ、次にニンジン、キャベツ、水を入れて火にかけ、煮立ってきたら、カボチャを入れます。その後、弱火でコトコト20分ほど煮てください。

【Q】スープの具材に、4つの野菜(キャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャ)以外のものを加えてもいいでしょうか?

 基本の4つの野菜なら、どこの家庭にも年中あり、しかも組み合わせがおいしいという理由で選びました。
 しかし、必ずしも4つの野菜だけで作る必要はありません。キャベツがなければハクサイ、タマネギの代わりに長ネギ、カボチャの代わりにトマトを使ってかまいません。キノコや豆類を加えてもいいのです。旬の野菜に置き換えて作れば、いろいろなバリエーションを楽しめます。
 どんな野菜にもファイトケミカルが含まれていますから、そのときどきに応じて、他の野菜を加えるといいでしょう。特に、セロリ、ブロッコリー、トマト、コマツナ、キノコ類などは、スープによく合います。

【Q】スープを作るとき、鍋のふたをしたほうがいいでしょうか?

 ファイトケミカルの多くは、水溶性で、揮発性です。それらのファイトケミカルが、スープの香りや蒸気(湯気)の中にたくさん含まれていますから、それを逃さないように、ふたはしっかり閉めてください。

【Q】味が物足りないので、味つけしたいのですが?

 スープと具をいっしょに食べると、物足りなく感じることがあるようです。その場合には、まずスープを先に飲み、後で具を食べることをお勧めしています。
 最初から、スープに塩を入れてたくさん飲むと、どうしても塩分の取りすぎになってしまうので、できるだけ塩は使わないでください。

 スープと具をいっしょに食べるときに味が物足りないならば、コショウやトウガラシなどの香辛料で味つけするといいでしょう。
 香辛料は栄養の宝庫で、野菜の採れない地方は香辛料で不足する栄養素を補っています。

【Q】具をおいしく食べる方法はありますか?

 先にスープを飲んで、残った具の野菜にカツオのふりかけやカツオブシ、ちりめんじゃこをふりかけたり、ポン酢をかけたりすると、おいしく食べられます。また、うどん、カレー、シチュー、ラーメンなどの具としても利用できます。

【Q】具の野菜は食べないといけないのでしょうか?それとも食べなくてもいいのでしょうか?

 重い病気や高齢で野菜を食べられないようなら、無理して食べる必要はありません。しかし、健康な人や、糖尿病や高血圧、高脂血症(脂質異常症)などの生活習慣病を持っている人は、具も食べてください。
 生活習慣病は、過食と野菜不足が大きな原因になっています。スープだけでなく具も食べれば、低カロリーで満腹感が得られ、過食や野菜不足を防ぐことができます。

【Q】カロリーはどれくらいでしょうか?

 キャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャ400gのトータルのカロリーは、日本カボチャでは146㎉、西洋カボチャでは188㎉と、非常に低カロリーです。

【Q】カボチャのないときは、冷凍したカボチャでもかまいませんか?

 かまいません。市販の冷凍カボチャでもいいし、カボチャがたくさんあるときに冷凍しておいてもいいでしょう。冷凍しておけば、1年中使えます。

【Q】スープにはファイトケミカル以外に、どんな栄養が溶け込んでいますか?

 水に溶ける水溶性の栄養素が溶け込んでいます。水溶性の食物繊維やビタミンC、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、葉酸など)のほか、ミネラルの多くも水溶性です。

【Q】この野菜スープでどれくらいの量の野菜が取れるでしょうか?

 厚生労働省が推奨する野菜の1日の必要摂取量は350gですが、この野菜スープなら400gの野菜が取れます。生野菜でそれを取ろうとすると、大量の野菜を食べなければなりません。しかし、スープにして具も食べれば、1日の必要摂取量より50gも多い野菜が楽に取れます。

 アメリカでは、野菜の1日の摂取量が平均で約300gを超えてからがんが減少しました。一方、日本では逆に、野菜の摂取量がどんどん減少し、それに比例するようにがんが増えています。2007年のデータでは、平均でアメリカは約350g、日本は約290gとなっています。

【Q】スープを取ったあとの具には、どのような栄養が含まれているでしょうか?

 具には、水に溶けない不溶性の食物繊維や、糖質(炭水化物)、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの5大栄養素が含まれています。また、水に溶けないファイトケミカルも多少は入っています。

【Q】野菜を煮てからミキサーにかけています。これでもいいでしょうか?

 いいですね。こうすると野菜がとろけてポタージュスープのようになり、スープとともに野菜の栄養を丸ごと取れます。噛む力が落ちて野菜を食べられない人や、小さいお子さんでも野菜を食べられます。

【Q】スープを冷凍したら、電子レンジで解凍してもいいですか?

 電子レンジで解凍しても、自然解凍してもかまいません。大事なことは、野菜ごと凍らせることです。野菜ごと凍らせると、野菜の中の水分が結晶して、とがります。それが細胞膜を壊して、中のファイトケミカルが細胞の外に出やすくなるのです。手間と時間を省くという点では、電子レンジによる解凍が便利でしょう。
 また、夏は自然解凍して、冷たいまま食べてもおいしいですよ。

【Q】スープはどんな鍋で作ったらいいのでしょうか?

 ふたがしっかり閉まり、蒸気を外に逃さない鍋をお勧めしています。例えば、ホーロー鍋です。ホーロー鍋は火の当たりがやわらかく、野菜のうまみをじっくり引き出してくれます。圧力鍋も熱や蒸気を逃さないので、いいと思います。

【Q】スープにすると、ビタミンCや酵素が壊れませんか?

 確かに、ビタミンCや酵素は熱に弱いと言われています。しかし、なくなってしまうわけではありません。野菜によっては、炒めたり煮たりしてもビタミンCがそれほど減らないものもあります。

 例えば、キャベツのビタミンCを調べると、生のほうが若干多いですが、ゆでたキャベツにもかなりのビタミンCが含まれています。ビタミン類も、細胞が破壊されなければ吸収されないので、吸収率を考えると煮たほうがいいかもしれません。

 全般に野菜より果物のほうがビタミンCの豊富なものが多いので、ビタミンCや酵素は果物で補給してもいいでしょう。厚労省は果物の1日の必要摂取量を200gとしていますから、デザートやおやつは甘いお菓子ではなく、果物をお勧めします。

【Q】スープをたくさん飲めば、生野菜は取らなくていいのでしょうか?

 生野菜を取らなくてもいいということはありません。生野菜には生野菜のよさがありますし、食のバラエティということを考えると、生野菜も取ってください。
 しかし、生野菜だけではじゅうぶんなファイトケミカルを取ることができません。ファイトケミカルは、野菜を煮ることによって、その8〜9割がスープに溶け出し、ファイトケミカルを効率的に取ることができます。スープも飲んで、生野菜も食べてください。

【Q】入院している父にスープを食べさせたいのですが、具は食べられません。スープだけでも効果はありますか?

 スープには4種類の野菜に含まれる多様なファイトケミカル、水溶性の食物繊維、ミネラルなどがたくさん溶け込んでいるので、スープを飲むだけでもじゅうぶん効果はあります。むしろスープにこそ野菜のエッセンスが凝縮していますから、具は食べなくてもスープを大事に飲んでください。

 また、スープなら携帯用の容器に入れて持ち運びできますから、病院に持って行くこともできます。

【Q】スープに含まれる水溶性の食物繊維は、不溶性の食物繊維とどう違うのでしょうか?

 食物繊維は、人間の消化酵素では消化されない成分です。スープには水溶性の食物繊維が溶け込んでおり、具の野菜には不溶性の食物繊維が残っています。したがって、スープと具をいっしょに取れば、両方の食物繊維を摂取できます。

 スープに多い水溶性の食物繊維は、腸内のコレステロールや脂肪、有害物質などを吸着して外に排出したり、糖質の吸収をゆるやかにしたりして血糖値の上昇を抑えます。さらに腸内細菌のエサになって善玉菌を増やしたり、便を軟らかくしたりして排便をスムーズにするなど、腸内環境を整える働きがあります。

 一方、具に残っている不溶性の食物繊維は、便のかさを増やし、腸壁を刺激して、便通をよくします。
 同じ食物繊維でも、このように水溶性繊維と不溶性繊維とでは、人体に及ぼす作用がだいぶ違います。生活習慣病や大腸がんの予防には、水溶性の食物繊維が非常に重要です。
 ちなみに、ファイトケミカルスープには、具も含めてスープ100g中に1・4gの食物繊維が含まれています。

【Q】野菜スープは離乳食にもいいでしょうか?

 スープは最高の離乳食です。スープだけでもいいですし、出来上がったスープをミキサーにかければ、野菜の栄養を丸ごと取れます。

【Q】この野菜スープを飲んではいけない人、飲んではいけない病気はありますか?

 野菜でいちばん問題になるのは、カリウムの過剰摂取でしょう。カリウムを取りすぎると、血中のカリウムの濃度が上がってしまう「高カリウム血症」になる怖れがあります。

 しかし、4種類の野菜とも、カリウムはそれほど多く含まれていないので、毎日飲んでも高カリウム血症になる心配はないでしょう。子どもからお年寄りまで、誰が飲んでも安心、安全なスープです。

【Q】使う野菜は無農薬や有機野菜でなければダメですか?

 毎日食べるものなので、無農薬(減農薬)や有機野菜が望ましいことは言うまでもありません。特にがんのように重い病気を患っている人は、無農薬、有機野菜にこだわっていただきたいと思います。

 ですが、健康な人はあまりそれにこだわる必要はないと思います。それよりも、おいしく飲んで毎日続けることが大事です。よい土壌で日差しをたっぷり浴びて育った野菜は、ファイトケミカルが豊富で味も濃いので、できれば露地栽培の野菜を選ぶといいでしょう。

 なお、栽培法にこだわった野菜の宅配サービスもありますから、無農薬・有機野菜が手に入らない人は、そういうものを利用すると便利です。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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