【名医が指南】抗炎症作用がある「痛み軽減食」とは

【名医が指南】抗炎症作用がある「痛み軽減食」とは

脊柱管狭窄症は加齢が原因の疾患ですが、患者数は年々ふえています。理由の1つとしては高齢化社会が挙げられますが、昔に比べて肥満の人がふえたことも原因なのです。脊柱管狭窄症を予防し、その痛みの軽減に役立つ食事についてお話をしていきます。【解説】石部基実(石部基実クリニック院長)


体重60㎏なら1日たんぱく質を60g

 私の専門は股関節で、人工股関節手術を1年間に500人以上に行っています。
 手術は、変形性股関節症が進行して、股関節痛がある患者さんに行われますが、手術が必要になる前に、ふだんの生活で進行を予防することがなによりも大切です。ウォーキングやストレッチといった運動を習慣にすること、健康にいい食事を実践することが、その鍵を握っています。

 そこで今回は、変形性股関節症や、股関節症に合併して起こることがある脊柱管狭窄症を予防し、その痛みの軽減に役立つ食事についてお話をしていきます。

 脊柱管狭窄症は加齢が原因の疾患ですが、患者数は年々ふえています。理由の1つとしては高齢化社会が挙げられますが、昔に比べて肥満の人がふえたことも大きな要因です。
 脊柱管は、脊柱(背骨)の中央にある神経の通り道で、そこが変形し狭くなることで、座骨神経などの神経に炎症が発生し、痛みやしびれが起こります。肥満は、腰への負担を大きくして、痛みを増幅させるわけです。

 ですから、脊柱管狭窄症の人は、まずふだんの食事で脂肪や炭水化物のとりすぎに気をつけ、過食の傾向があれば改めなくてはいけません。脊柱管狭窄症と診断され、肥満度が高い人はカロリー制限を行い、体重をへらす必要もあるのです。

 こうした肥満の予防にもつながることですが、関節にいい食事の基本は、「バランスのいい食事」です。具体的には、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した、ご飯などの主食、野菜やキノコ類などの副菜、肉や魚、卵などの主菜、牛乳・乳製品、果物を一定の割合でバランスよくとる「食事バランスガイド」が、関節に最もよい影響を与える食事だと考えます。

 そして、バランスのいい食事の中でも、特に心がけたいことがあります。それは、抗酸化作用のあるビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの微量栄養素が多く含まれる野菜や果物をとることです。とはいえ、ある特定の野菜や果物を大量にとっても、余分なビタミンやミネラルは排泄されて無駄になるということは、覚えておきましょう。

 牛乳は、骨を強くするカルシウムや、筋肉を維持するたんぱく質が豊富なので、毎日とってほしいものです。その中でも、脂肪分の少ない低脂肪牛乳や無脂肪牛乳、スキムミルクを推奨します。
 また、筋肉の増強には肉や魚のたんぱく質が必要ですが、その1日の摂取目安は体重の1000分の1とされています。体重が60㎏なら1日に60gのたんぱく質をとればいいのです。ただし、とりすぎると最終的には脂肪になり、体重は増加します。逆効果になるので、注意しましょう。

野菜や果物は生の摂取がお勧め!

 関節炎のためには、抗炎症作用が認められている食品をバランスよくとることもお勧めです。抗炎症作用のある食品をとると、痛みの軽減効果が期待できます。

 野菜では、ショウガやニンニク、ネギ、ニラなど、果物ではパイナップルに抗炎症作用があるとされています。特にショウガやニンニクは、プロスタグランジンやロイコトリエンといった、炎症を激化させる成分の産出を防ぐ働きに優れています。料理に使うことで、炎症を鎮める効果が期待できます。
 ほかにはナッツ類やクルミ、チョコレート、ココア、ドクダミ茶などに、またターメリック、バジル、コショウ、トウガラシといったスパイスにも抗炎症作用が認められています。

 抗炎症作用をもたらす成分は熱に弱いことがあるので、野菜や果物はできるだけ生で摂取するのがお勧めです。また、毎日、少しずつバランスよく摂取することが長期的な効果につながります。
 皆さんの健康のため、ぜひ食生活に取り入れてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

脊柱管狭窄症の足のしびれと痛みが解消 81歳現役シェフの「11円スリッパ」体験談

最初は半信半疑でしたが、藤井先生に勧められたとおり、常に中敷きを入れて、靴をはくようにしました。そうして1ヵ月ほどたったころでしょうか、自分でも「あれほどつらかったのは、一体なんだったのだろう? 」と感じるくらい、その後はひざの痛みに悩まされることはなくなりました。【体験談】藤田正義(オーナーシェフ・81歳)


足の長さが左右で違う原因は股関節のズレ!体の歪みをとる「ひざ縛り」のやり方

足の長さが左右で違う原因は股関節のズレ!体の歪みをとる「ひざ縛り」のやり方

足の長さに左右差があると、骨盤や全身の骨格が左、または右に傾いています。このゆがみは、腰痛や生理痛、便秘、冷えなど全身の不調につながります。そうした骨格のゆがみを矯正するために私が指導している方法が、両ひざをひもで縛る「ひざ縛り」です。【解説】城戸淳美(今井病院医師)


【糖尿病専門医】 「ミルク酢ごはん」は血糖値が上がりにくい

【糖尿病専門医】 「ミルク酢ごはん」は血糖値が上がりにくい

私は、「なるべく多くの患者さんが幸せになれる治療法」をモットーに、日々、診療にあたっています。患者さんにガマンを強いる「食事制限」ではなく、おいしく食べながら体の状態をコントロールする「食事調整」であるべきだと、私は考えています【解説】原島伸一(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学講師)


変形性股関節症の改善率が94%!運動で治す「ゆうきプログラム」が進化

変形性股関節症の改善率が94%!運動で治す「ゆうきプログラム」が進化

ゆうきプログラムで股関節の痛みが消えた、手術を回避できた、杖が不要になって歩行に不安や困難がなくなったという声は、枚挙にいとまがありません。改善率が、さらに伸びた理由は、「痛みの元凶が靱帯の拘縮にある」ことがわかり、その改善法を開発できたことです。【解説】大谷内輝夫(ゆうき指圧院長)


【変形性股関節症】術後の回復にも効果「ゆうきプログラム」とは

【変形性股関節症】術後の回復にも効果「ゆうきプログラム」とは

現在、ゆうきプログラムの運動法は、300種類を超えています。その運動はすべて、靱帯や筋肉の拘縮をほぐし、それに伴う筋肉のアライメントのくずれを改善することにあります。さらに、さまざまな角度から症状の改善にアプローチしています。【解説】大谷内輝夫(ゆうき指圧院長)


最新の投稿


【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

私が腰の痛みを感じるようになったのは、昨年の暮れからです。どういうわけか、いきなり腰が痛くなったのです。それからは、常に重だるい感覚が腰周辺にありました。【体験談】遠藤裕子(仮名・66歳・理容師)


水虫やカンジダを防ぐ!正しい足の保湿ケアとマッサージ方法

水虫やカンジダを防ぐ!正しい足の保湿ケアとマッサージ方法

皆さんはお風呂から上がったとき、足をしっかり拭いていますか。水分が皮膚に残ったままだと、その水分が蒸発するときに熱を奪い、皮膚が乾燥しやすくなります。また、指の間に水分が残っていると不衛生になり、湿疹ができたり、白癬菌やカンジダなどの感染の温床になったりします。【解説】高山かおる(済生会川口総合病院皮膚科主任部長)


【注目の断食】ミネラルファスティングで腸内環境を改善!月1回でも健康的に痩せる

【注目の断食】ミネラルファスティングで腸内環境を改善!月1回でも健康的に痩せる

ミネラルファスティングは、断食前後や日頃の食事、生活習慣までを含めたトータルパッケージの健康プログラムとなっています。行う前や行った後も穀菜食を続けていれば、60兆個の細胞が正しく働くための環境整備に役立ち、ひいては「腸の掃除力」も高まっていくわけです。【解説】山田豊文(杏林予防医学研究所所長)


ハチミツのダイエット効果は「夜」 寝る1時間前に飲んで17kgやせた!

ハチミツのダイエット効果は「夜」 寝る1時間前に飲んで17kgやせた!

「どうにかしなければ!」10年前、私は人生で最大の「85.6kg」という体重になってしまい、焦りました(身長は173cm)。始めて半年くらいは、ほとんど体重が変わりませんでした。ところがその後は、毎晩、寝ている間に、必ず0.5~0.7kg減るようになったのです。【体験談】芳賀靖史(翻訳家・58歳)


厚い爪・白い爪は水虫の可能性!爪白癬の治療法と予防について皮膚科医が解説

厚い爪・白い爪は水虫の可能性!爪白癬の治療法と予防について皮膚科医が解説

爪白癬は、中高年を中心に日本人の10人に1人はかかるポピュラーな病気です。単独で生じることもありますが、多くは足の水虫と合併します。白癬菌は、高温多湿な環境で繁殖します。気温と湿度が上がる今の時期は、通気性のいい靴下をはくなどして、足の風通しをよくしましょう。【解説】野田真史(池袋駅前のだ皮膚科 )