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【脊柱菅狭窄症に役立つ食事】抗炎症作用がある「痛み軽減食」とは

【脊柱菅狭窄症に役立つ食事】抗炎症作用がある「痛み軽減食」とは

脊柱管狭窄症は加齢が原因の疾患ですが、患者数は年々ふえています。理由の1つとしては高齢化社会が挙げられますが、昔に比べて肥満の人がふえたことも原因なのです。脊柱管狭窄症を予防し、その痛みの軽減に役立つ食事についてお話をしていきます。【解説】石部基実(石部基実クリニック院長)

解説者のプロフィール

石部基実
 1982年、北海道大学医学部卒業。北海道大学医学部整形外科、アメリカRochester大学医学部整形外科、NTT東日本札幌病院整形外科部長、同病院人工関節センター長を経て、2008年に石部基実クリニックを開設し、現職。現在まで、6000例を超える人工股関節手術実績がある。少林寺拳法正拳士四段。

体重60㎏なら1日たんぱく質を60g

 私の専門は股関節で、人工股関節手術を1年間に500人以上に行っています。
 手術は、変形性股関節症が進行して、股関節痛がある患者さんに行われますが、手術が必要になる前に、ふだんの生活で進行を予防することがなによりも大切です。ウォーキングやストレッチといった運動を習慣にすること、健康にいい食事を実践することが、その鍵を握っています。

 そこで今回は、変形性股関節症や、股関節症に合併して起こることがある脊柱管狭窄症を予防し、その痛みの軽減に役立つ食事についてお話をしていきます。

 脊柱管狭窄症は加齢が原因の疾患ですが、患者数は年々ふえています。理由の1つとしては高齢化社会が挙げられますが、昔に比べて肥満の人がふえたことも大きな要因です。
 脊柱管は、脊柱(背骨)の中央にある神経の通り道で、そこが変形し狭くなることで、座骨神経などの神経に炎症が発生し、痛みやしびれが起こります。肥満は、腰への負担を大きくして、痛みを増幅させるわけです。

 ですから、脊柱管狭窄症の人は、まずふだんの食事で脂肪や炭水化物のとりすぎに気をつけ、過食の傾向があれば改めなくてはいけません。脊柱管狭窄症と診断され、肥満度が高い人はカロリー制限を行い、体重をへらす必要もあるのです。

 こうした肥満の予防にもつながることですが、関節にいい食事の基本は、「バランスのいい食事」です。具体的には、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した、ご飯などの主食、野菜やキノコ類などの副菜、肉や魚、卵などの主菜、牛乳・乳製品、果物を一定の割合でバランスよくとる「食事バランスガイド」が、関節に最もよい影響を与える食事だと考えます。

ビタミン、ミネラル、ポリフェノールをバランスよく取る


 そして、バランスのいい食事の中でも、特に心がけたいことがあります。それは、抗酸化作用のあるビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの微量栄養素が多く含まれる野菜や果物をとることです。とはいえ、ある特定の野菜や果物を大量にとっても、余分なビタミンやミネラルは排泄されて無駄になるということは、覚えておきましょう。

 牛乳は、骨を強くするカルシウムや、筋肉を維持するたんぱく質が豊富なので、毎日とってほしいものです。その中でも、脂肪分の少ない低脂肪牛乳や無脂肪牛乳、スキムミルクを推奨します。
 また、筋肉の増強には肉や魚のたんぱく質が必要ですが、その1日の摂取目安は体重の1000分の1とされています。体重が60㎏なら1日に60gのたんぱく質をとればいいのです。ただし、とりすぎると最終的には脂肪になり、体重は増加します。逆効果になるので、注意しましょう。

野菜や果物は生の摂取がお勧め!

 関節炎のためには、抗炎症作用が認められている食品をバランスよくとることもお勧めです。抗炎症作用のある食品をとると、痛みの軽減効果が期待できます。

 野菜では、ショウガやニンニク、ネギ、ニラなど、果物ではパイナップルに抗炎症作用があるとされています。特にショウガやニンニクは、プロスタグランジンやロイコトリエンといった、炎症を激化させる成分の産出を防ぐ働きに優れています。料理に使うことで、炎症を鎮める効果が期待できます。
 ほかにはナッツ類やクルミ、チョコレート、ココア、ドクダミ茶などに、またターメリック、バジル、コショウ、トウガラシといったスパイスにも抗炎症作用が認められています。

 抗炎症作用をもたらす成分は熱に弱いことがあるので、野菜や果物はできるだけ生で摂取するのがお勧めです。また、毎日、少しずつバランスよく摂取することが長期的な効果につながります。
 皆さんの健康のため、ぜひ食生活に取り入れてください。

食事バランスガイド

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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