無理に口を閉じるとあごに梅干しができる!
自分が鼻呼吸なのか口呼吸なのか、よくわからないという人もいらっしゃるでしょう。そういう人は、まず「口呼吸チェックリスト」で確認してみてください。
いかがでしたか。いくつか該当する項目がありましたか。
実は、一つでも該当するようでしたら、口呼吸の可能性があります。
それぞれの項目について、簡単に説明しましょう。
1は口の周囲の筋肉が衰えているから、意識しないと口が閉じられない、典型的な口呼吸といえます。
2の「梅干し状のふくらみとシワ」は、ふだん口呼吸で舌が下がっているために起こります。無理に口を閉じようとすることで、口の周囲の口輪筋が緊張して、あごにふくらみやシワが発生するのです。
3の「クチャクチャ音」は、口呼吸がクセになって、口を開けたまま、ものをかんでいるのが原因です。
4の「歯のかみ合わせが悪い」というのも、口呼吸と関係しています。口呼吸の人は、舌が下がって舌先で前歯の裏を押すことになり、少しずつ歯並びを悪くしてしまうのです。出っ歯や受け口などになる人も少なくありません。
また、口呼吸をしていると、口の中だけでなく、5のように唇も乾燥します。そのため、よく唇が荒れて皮がむけたり、血が出たりする人もいます。
6の「口臭が強い」のは、口呼吸で口の中が乾燥しているので、細菌が繁殖しやすいからです。これは、歯周病の悪化にもつながります。
口呼吸チェック(1)

イビキや歯ぎしりは口呼吸をしている証拠
7、8は、就寝時に口呼吸になっている証拠。「のどのヒリヒリ」は、口の中が冷たい空気が入って乾燥することで、ウイルスなどが侵入し、のどを傷めるからです。睡眠中に「イビキや歯ぎしり」をしている人は、無意識のうちに口呼吸になっています。
イビキは、舌の筋力が衰えて、下がってしまうため、気道が狭くなり、苦しくて口が開いてしまうのです。
9のタバコを吸うことは、煙を口から吸って口から吐く、つまり口呼吸にほかなりません。喫煙は長い「ため息」と同じです。
10の「激しいスポーツをしている」アスリートは、鼻だけの呼吸では酸素摂取が間に合いません。だから、口を開けて補うのです。ふだんから口を閉じる意識をしていないと、いつも口呼吸になってしまいます。
さて、一つや二つ該当項目はあったが、自分は鼻で呼吸している、口呼吸とは思っていないという人は、もう一つチェックする方法があります。「口呼吸チェック2」を試してください。
口呼吸チェック(2)

①の人は鼻呼吸といえますが、それ以外の人は口呼吸よいえます。
でも、心配することはありません。②~④の人も口の体操「あいうべ」を10回やってみてください。
舌の先が当たる場所が、①に近づくはずです。
解説者のプロフィール

今井一彰
みらいクリニック院長。NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長。1995年、山口大学医学部卒業。2006年に福岡市博多駅前にみらいクリニックを開業後、さまざまな方法を駆使しながら、薬を使わずに体を治す独自の治療を行う。「あいうべ」による息育や「足指を伸ばす」ことによる足育の普及にも力を入れている。著書に『免疫を高めて病気を治す 口の体操「あいうべ」』、監修に『足・ひざ・腰の痛みが劇的に消える「足指伸ばし」』(いずれもマキノ出版)など多数。
口呼吸は万病のもと!