
睡眠時の口呼吸を防ぐには口テープがお勧め
目覚めたときにテープがついていればОK!
ふだんは鼻で呼吸している、あるいは意識して口を閉じているという人も、夜の睡眠時は口呼吸になっていることが多いものです。特に、うつぶせや横向きで寝る人、疲れがたまっている人などは、口が開きやすい傾向にあります。
朝起きたとき、口の中が乾燥していたり、のどがヒリヒリしたりする人は、間違いなく口呼吸になっています。就寝時は、ただでさえ唾液の分泌量が少なくなるので、体への害を考えたら、一刻も早く口テープを行い、鼻呼吸にするべきです。
●口テープのやり方
テープは、薬局などで売られている医療用のテープ(サージカルテープや絆創膏)を使用します。幅は特に指定していませんが、12mm前後が適当でしょう。
やり方は、テープを5cmほどに切り、唇の中央に縦にはって、そのまま寝るだけです。
強くはる必要はありません。軽くはるだけでも、就寝中の口呼吸を防ぐことができます。また、軽くはっておけば、どうしても鼻で呼吸ができずに苦しくなったとき、簡単に口を開けられるので安心です。
朝、起きたらテープをはがしましょう。
目覚めたとき、テープがきちんとついていれば、寝ている間、口は開かなかったということです。逆に、テープがはがれてしまっていたら、口呼吸になっていたということです。毎日続けて、鼻呼吸を習慣づけていきましょう。
なお、肌がかぶれやすい人や、唇が荒れやすい人は、次のようにしましょう。5cmに切ったテープ以外に、4cmに切ったテープを用意し、接着面どうしを重ねばりし、テープの上下5mmを残します。すると、テープをはっても唇に接着面がふれません。
また、テープをはがすときに痛いと感じる人は、口にはる前に、清潔なタオルや布団などに、はってははがすを数回くり返しましょう。すると、粘着力が弱くなって、はがしやすくなります。
口テープのやり方

健康維持のために毎晩続けるほうがよい
鼻がつまっているときは、口にテープをはると、呼吸しづらいかもしれません。そのようなときは、目の下にある「四白」というツボを刺激してから、口テープをはってください。
四白は、まっすぐ正面を見たときの瞳の真下、眼球が収まっている骨のくぼみの下縁から指幅1本分下です。左右の人差し指の腹で10秒ほど押すのを2〜3回くり返します。
すると、鼻がスーッと通ってくるのがわかると思います。この間に口テープをはって眠りにつけば、呼吸が楽にできるはずです。
また、鼻の中に炎症がある場合は、「鼻うがい」をするといいでしょう。精製水に食塩を1%加えて作る生理食塩水を2mlほど鼻にたらして、鼻をキレイにする方法です。鼻水と同じ塩分濃度なので、痛くはありません。
そのほか、鼻の通りをよくするには、馬油の点鼻などもお勧めです。
口テープをして寝ることに抵抗がある場合は、起きている間に30分ぐらい、口テープをはって過ごし、少し慣らしてから寝るといいでしょう。この方法は、子供の口にテープをはる際にもお勧めです。
なお、健康を維持するため、口テープは毎晩行いましょう
解説者のプロフィール

今井一彰
みらいクリニック院長。NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長。1995年、山口大学医学部卒業。2006年に福岡市博多駅前にみらいクリニックを開業後、さまざまな方法を駆使しながら、薬を使わずに体を治す独自の治療を行う。「あいうべ」による息育や「足指を伸ばす」ことによる足育の普及にも力を入れている。著書に『免疫を高めて病気を治す 口の体操「あいうべ」』、監修に『足・ひざ・腰の痛みが劇的に消える「足指伸ばし」』(いずれもマキノ出版)など多数。
睡眠時は口呼吸になっている人が多い