アトピーとは一生の つきあいだと思っていた
私は、小学5年生から30年以上、アトピー性皮膚炎に苦しんできました。顔、首、ひざやひじの内側に、ジュクジュクした湿疹ができ、かゆみで眠れないこともありました。
皮膚科では、あたりまえのようにステロイド軟膏が処方され、症状はよくなったり、悪くなったりのくり返し。20代のころ悪化した際、大学病院の医師に、このままステロイドを使うのは危険と判断され、ステロイドをやめることになりました。
そのリバウンドは耐え難いものでした。朝起きると顔がパンパンに腫れて目も開かず、顔から膿が出てきます。このような状態なので、外出するのが、いつもおっくうでした。
ステロイドによるリバウンドが治まったあとも、アトピーが治ったわけではありません。疲れたときなど、たちまち症状が現れました。顔から首にかけて、皮膚が真っ赤に腫れました。
さらに、花粉の時期になると、顔が強烈にかゆくなります。花粉症は、長年、薬に頼らざるをえませんでした。
けっきょく、30代になっても、40代になっても、アトピーも花粉症も治りません。一生つきあっていくんだと、あきらめるしかありませんでした。
そんな私に、私が勤務する歯科クリニックの相田能輝院長が、今井一彰先生を紹介してくれました。5年前のことです。
今井一彰先生から、口呼吸の弊害を聞いたときは、唖然としました。思い当たることがいくつもあったからです。
私は少し出っ歯で、いつも口を開けて呼吸をしていました。朝起きると、口はいつもカラカラで、よくのどを腫らしました。声が出なくなることもあり、そのつど、抗菌薬を飲んでいたのです。
今井先生によると、口呼吸から鼻呼吸になって、アトピーや花粉症が改善した人もおおぜいいるそうです。そこで、今井先生に教えてもらった口の体操「あいうべ」と「口テープ」を、すぐに試すことにしました。

【after】赤身が消え、きれいな肌になった!
私の体調も肌も 人生で最もよい状態!
口テープは、睡眠中の口呼吸を防ぐものです。就寝前に、上下の唇をサージカルテープで留めて寝ます。口テープを始めたころは、朝起きるとテープが口からはがれていることがよくありました。寝ている途中で、口呼吸をしているからでしょう。
でも、続けていくうちに、朝までテープがついたままの日がふえました。「あいうべ」の効果もあるのかもしれません。
「あいうべ」は、舌や口の周囲の筋肉を鍛える体操です。舌を正しい位置に戻すことで、鼻呼吸をしやすくするのです。
私は、この「あいうべ」を毎日30回、入浴中に行いました。
こうして、口テープと「あいうべ」を始めてから、口が乾燥することも、のどを腫らすこともなくなりました。朝まで熟睡できるようになったので、以前のように疲れが残らなくなりました。とても爽快な1日のスタートがきれるのです。
そして、アトピーの症状は徐々に和らぎ、1年もすると、ほとんど目立たなくなったのです。その後も、皮膚はキレイな状態を維持できています。
花粉症も少しずつ軽くなり、2年前からは薬もいっさい飲んでいません。
まさに、奇跡のような効果でした。
そこで私は、口テープや「あいうべ」を、まず小学1年生の姪に教えました。姪もアトピーがとてもひどかったのです。ところが、口テープと「あいうべ」を始めたところ、なんと2ヵ月で症状がなくなりました。
こんなにすばらしいことは、多くの人に伝えたいと思い、歯科に来られる患者さんに、ときどき口テープなどを教えています。試した人のなかには、アトピーや花粉症が治ったと喜んでくれる人も少なくありません。
現在、体調も肌も、私の人生で最もよい状態です。
先日、地震に備えた避難袋には、抗アレルギー薬ではなく、毎晩使っているサージカルテープを入れました。私の人生に欠かせないものだからです。
【Before】皮膚の赤みが目立つ刈部さん