医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営

頭が臭い!を解消する「体臭専門医」が勧める【塩洗髪】のやり方

頭が臭い!を解消する「体臭専門医」が勧める【塩洗髪】のやり方

私のクリニックには、「こまめに洗髪しているのに頭が臭い、におう」という患者さんが多く来院します。そうした患者さんに勧めているのが「塩洗髪」です。【解説】五味常明(五味クリニック院長)


シャンプーで洗えば 洗うほど髪は臭くなる

 気温と湿度が上がって汗ばむ季節になると、体臭に加え、頭髪のにおいも気になるところです。毎日朝晩シャンプーするなど、洗髪の回数が増えるのではないでしょうか。
 しかし、これは大きな間違いです。
 頭皮や髪の毛が臭くなるのは、洗い足りないからではありません。むしろ洗い過ぎや、使用しているシャンプー剤の影響が大きいのです。つまり皮肉なことに、現代人の清潔志向が、においを生み出しているといえます。
 私のクリニックには、「こまめに洗髪しているのに、頭がにおう」という患者さんが多く来院します。そうした患者さんに勧めているのが、「塩洗髪」です。

塩洗髪のやり方

 やり方は簡単です。

 洗面器に40度ほどのお湯を張り、大さじ3〜4杯の天然塩を溶かしておきます。

 次に、熱めの温水シャワーで、頭皮をもむように洗いましょう。これで、汚れと皮脂が落ちます。
 それから、洗面器の塩湯を頭にかけ、頭皮をマッサージするのです。指の腹で、地肌だけを優しくもみ洗いします。
 髪の毛は、こすらないようにしてください。

 最後に、シャワーで塩をしっかり洗い流しましょう。

頭皮が臭う原因

 なぜ、塩で洗髪するとよいのでしょうか。また、なぜ洗い過ぎると頭が臭くなるのでしょうか。「頭皮のにおい」と「髪の毛のにおい」に分けて、説明しましょう。
 まず、頭皮がにおう原因は、三つあります。

 一つめは、皮脂の酸化です。脱脂力の強いシャンプー剤で洗髪すると、体は「皮脂が足りない」と判断し、かえって皮脂分泌を促します。新鮮な皮脂が適量出ているぶんには、においは出ません。ところが、分泌過剰になると皮脂が毛穴に詰まって酸化し、強いにおいを放つのです。

 二つめは、におい分子の蒸発です。頭皮を頻繁に洗うことで、皮脂がなくなると、皮下の水分が蒸発しやすくなります。においの成分は水溶性なので、水分が蒸発するとき、いっしょに出てきてしまうのです。

 三つめは、雑菌の繁殖です。皮膚には、雑菌の繁殖を抑える善玉の常在菌が棲みついています。バリアを作り、アレルギー物質の侵入を防いでいるのも常在菌です。
 アルカリ性のシャンプーなどで髪を洗うと、弱酸性の環境を好む常在菌は流されてしまいます。そして、その後も棲みにくくなります。
 常在菌が減ると、かわりに、黄色ブドウ球菌などの雑菌や、水虫のような真菌(カビ)などが繁殖しやすくなります。これらが、においやかゆみの原因になるのです。当然、抜け毛や薄毛にもつながるでしょう。

 つまり、シャンプー剤での洗髪は、自分の味方を殺して、敵に塩を送る行為といえます。
 一方、髪の毛のにおいについては、また事情が異なります。
 健康な髪の毛は、ガラスのように表面がツルツルで、におい分子がつきにくくなっています。ですから、髪の毛についたにおいは、ブラッシングだけで十分落とせるのです。
 ところが、シャンプー剤を使うと、化学物質などの刺激で、髪の毛が傷んでしまいます。すると、空気中に浮遊していたり、頭皮から発生したりするにおい分子がくっつきやすく、落ちにくくなるのです。

イオンの働きで 頭髪が中和消臭!

 シャンプーが頭皮の悪臭の原因となることは、おわかりいただけたと思います。
 では、なぜ塩がよいのでしょうか。

 塩が洗浄剤として優れている点は、たんぱく質を溶かす「塩溶」という作用にあります。汚れと皮脂はお湯で洗い流せますが、たんぱく質である垢だけは、熱で凝固してしまいます。このたんぱく質を落とすのが、塩なのです。
 また、塩湯ならば、余分な皮脂や垢を取る一方で、必要な常在菌は残します。化学物質による刺激もなく、髪の毛を傷める心配もありません。

 そして、塩洗髪の最大の利点は、イオンによる消臭作用です。
 におい分子は、必ずプラスかマイナスの電気を帯びています。塩が水に溶けると、マイナスのナトリウムと、プラスの塩素に分解(イオン化)されます。
 この塩湯で洗髪することで、プラスのにおい分子にマイナスイオンが、マイナスのにおい分子にはプラスイオンが、それぞれ吸着します。その結果、頭髪が中和消臭されるのです。

 さらに、ミネラルを含む天然塩を使うことで、髪の毛への潤い効果も期待できます。塩洗髪は、いいことずくめです。
 ただし、皮脂の分泌過剰は急に止まらないので、シャンプーをやめた直後は、べたつきを感じるかもしれません。また、常在菌が増え、バランスが正常化するまでには、多少の時間がかかります。
 しかし、塩洗髪を数週間続けることで、本来の健康な髪と頭皮がよみがえり、においも気にならなくなるでしょう。

解説者のプロフィール

五味常明
医学博士。1949 年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学で形成外科学、多摩病院精神科で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本に外科的手法を組み合わせた「心療外科」を新しい医学分野として提唱し、体臭・多汗治療の現場で実践する。著書に『なぜ一流の男は匂いまでマネジメントするのか?』(かんき出版)などがある。

【体臭を消したい】加齢臭・ミドル脂臭・汗臭対策

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連するキーワード


洗髪法 におい

関連する投稿


【耳の裏がくさい】わきや汗の嫌な臭いに効果「ミョウバン水」の活用法

【耳の裏がくさい】わきや汗の嫌な臭いに効果「ミョウバン水」の活用法

においを気に病んで消極的になると、もっとにおいが強くなってしまいます。本来、体臭は一つの個性。完全に体臭を消そうとする必要はありません。今の自分に合った、正しいにおい対策を心がけてください。体臭を抑えるために、多くの人にお勧めしているのが「ミョウバン水」です。【解説】五味常明(五味クリニック院長)


【皮膚科医推奨】抜け毛対策のシャンプー法 原因は免疫力低下で若い人に薄毛が急増中

【皮膚科医推奨】抜け毛対策のシャンプー法 原因は免疫力低下で若い人に薄毛が急増中

近年、中高年や高齢者だけでなく、子どもや若い世代にも抜け毛や薄毛に悩む人が増えてきました。大きな原因は、免疫力(病気に抵抗する力)の低下です。そこで私が抜け毛や薄毛対策に患者さんに勧めているのが「きな粉シャンプー」です。【解説】永峯由紀子(永峯クリニック銀座院長)


【口が臭い】原因は喉奥の白い塊 "臭い玉" 膿栓(画像有)の除去は耳鼻科でできる

【口が臭い】原因は喉奥の白い塊 "臭い玉" 膿栓(画像有)の除去は耳鼻科でできる

咳やくしゃみをした際に、口中から非常に臭い、小さな白い塊が出てくることがあります。これは膿栓(のうせん)、通称ニオイダマと呼ばれるものです。新陳代謝によって口中の粘膜が剥がれ、そこに歯周病菌や大腸菌等の死骸や食べカス等が付着。それらが扁桃腺周辺の窪みに溜まって固まったものです。【解説】徳永雅一(とくなが耳鼻咽喉科院長)


【尿が臭い・においの原因】慢性膀胱炎の可能性 予防には温水便座を避けると良い

【尿が臭い・においの原因】慢性膀胱炎の可能性 予防には温水便座を避けると良い

尿がにおうのは、尿の成分である尿素が、排尿後に皮膚や空気中にいる細菌に触れて分解され、アンモニアを発生させるからです。ですから、健康な人では、排尿直後の尿はほとんどにおいません。60歳代という年齢から考えると、最も可能性が高いのは「慢性膀胱炎」です。【解説】二宮典子(女性医療クリニックLUNA心斎橋院長)


【体臭を消す方法】悪臭(加齢臭・ミドル脂臭・汗臭)対策は2種のスプレー

【体臭を消す方法】悪臭(加齢臭・ミドル脂臭・汗臭)対策は2種のスプレー

生活習慣の乱れやストレスなどが原因でエクリン腺の働きが衰えると、ミネラルや糖質・脂質を多く含むベタベタの「悪い汗」が出てくるのです。現代人の多くがかく汗は悪い汗で、脂臭・汗臭のそもそもの発生源です。【解説】五味常明(五味クリニック院長・医学博士)


最新の投稿


【スタンフォード式】疲労回復にいい食べ物・疲れない食事術を大公開!

【スタンフォード式】疲労回復にいい食べ物・疲れない食事術を大公開!

久々に帰国して驚いたのは、日本で普通に食事をすると、アスリートのための食事とは真逆で、疲労をためてしまう食事が多いということでした。特に気になったのは、砂糖があふれかえっていることです。糖質(炭水化物)の摂取も多いですね。【解説】山田知生(スタンフォード大学スポーツ医局アソシエイトディレクター・アスレチックトレーナー)


布施博が脊柱管狭窄症を克服!足の激痛と歩行困難から救った方法とは?

布施博が脊柱管狭窄症を克服!足の激痛と歩行困難から救った方法とは?

腰の辺りから肩甲骨の下辺りまで指圧しても、せいぜい3分程度しかかかりません。実際にやってみると、これがすごく気持ちいいんです!こわばっていた筋肉がほぐれていくのを実感できます。なにしろ、脊柱管狭窄症の症状が目に見えてよくなりましたね。右足に感じていた激痛が、すっかり治まったんです。【体験談】布施博(俳優)


金属音のような耳鳴りが「酢タマネギ」で大改善した!納豆を入れるのがお勧め

金属音のような耳鳴りが「酢タマネギ」で大改善した!納豆を入れるのがお勧め

作った酢タマネギを、毎朝食べている納豆に混ぜて食べています。酢タマネギを混ぜる量は、私はカレースプーンに2杯、妻は1杯です。こうして毎日の朝食で酢タマネギを食べ続けていたら、耳鳴りの音が徐々に小さくなってきたのです。3ヵ月後には、日中はほとんど気にならなくなりました。【体験談】鈴木興起(無職・80歳)


老廃物を排出してむくみ改善!心身がスッキリする「塩カイロ」の作り方 ・やり方

老廃物を排出してむくみ改善!心身がスッキリする「塩カイロ」の作り方 ・やり方

今回、むくみの予防と改善のためにお勧めするのが「塩カイロ」です。塩カイロは、塩灸をアレンジした、手軽なセルフケアです。塩カイロは、お尻にある尾骨を温めます。尾骨周辺を塩カイロで温めることにより、こりやゆがみが解消し、自律神経のバランスが整って、血液やリンパの流れが改善するのです。【解説】宮本啓稔(新宿西口治療院院長)


【炭酸水パックの美肌効果】ペットボトルでもOK?濃度(ppm)の目安はある?

【炭酸水パックの美肌効果】ペットボトルでもOK?濃度(ppm)の目安はある?

炭酸水につかると、その部位の毛穴から炭酸が浸透。体内で毛細血管に入り、血管内の酸素を細胞に送り出します。これを体が察知すると「酸素が足りていない」と勘違い。炭酸水につかっている部位に酸素を供給しようと、血液がドッと流れてきます。こうして血管が拡張され血流が改善するのです。【解説】齋藤真理子(山本メディカルセンター院長)