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糖尿病予防には「白米」より「チャーハン」ってほんとに?

糖尿病予防には「白米」より「チャーハン」ってほんとに?

糖尿病の予防には、厳しいカロリー制限をしなければならないと思っている人が多いようです。血糖値を上げるのは、高カロリーの食べ物ではなく、糖質だけなのです。いきなり糖質を断つのは、至難の業。糖質を摂取しても、血糖値をあまり上げなくて済む方法を、紹介しましょう。【解説】大櫛陽一(東海大学名誉教授・大櫛医学情報研究所所長 )

解説者のプロフィール

大櫛陽一
1971年、大阪大学大学院工学研究科修了。1988年より東海大学医学部教授。
2006年、日本総合検診医学会シンポジウムで、全国約70万人の健診結果から、日本初の男女別・年齢別基準範囲を発表。2012年東海大学を定年退職し、現在は名誉教授。
主な著書に『間違っていた糖尿病治療―科学的根拠に基づく糖尿病の根本的治療』(医学芸術社)、『100歳まで長生きできるコレステロール革命』(永岡書店)などがある。

糖質の吸収が緩やかになる!

糖尿病の予防には、厳しいカロリー制限をしなければならないと思っている人が多いようです。しかし、思い違いをしてはいけません。血糖値を上げるのは、高カロリーの食べ物ではなく、糖質だけなのです。

したがって、糖尿病予防のためには、食事に占める糖質をへらすのがいちばんよい方法です。しかし、先祖代々、米を主食としてきた日本人が、いきなり糖質を断つのは、至難の業ではないかと思われます。

そこで、糖質を摂取しても、血糖値をあまり上げなくて済む方法を、紹介しましょう。それは、オイルコーティング、つまり糖質を油とたんぱく質で包むという方法です。

例えば、普通に炊いた白いご飯とチャーハンを比較したときに、どちらを食べたほうが、血糖値が上昇しやすいと思いますか?

答えは、意外にも白いご飯のほうです。なんと油で炒めてあるチャーハンのほうが、血糖値が上がりにくいのです。

このことは、実験でも明らかになっています。私は、どちらも同じ76gの糖質量にして、白米とチャーハンを食べたときの、食後血糖値の上昇を比較しました。すると、チャーハンはなんと、白米の半分以下に血糖値の上昇をおさえられることがわかったのです。

なぜこのような結果になったのかというと、チャーハンの場合は、ご飯がオイルと卵でコーティングされているからです。

要するに、脂肪やたんぱく質でくるまれていると、糖質をとっても、腸からの吸収が緩やかになるのです。そのため、食後、急激に血糖値は上がりません。

そして、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌も少量で済み、膵臓への負担も軽くなると考えられます。

このようにお話ししても、皆さんの中には、脂質であるオイルを摂取したら、コレステロール値が高くなるのではないかと、不安に感じる人もいるかもしれません。

健康診断における日本の脂質の基準は、かなり厳しく設定されています。日本では意図的に悪玉とされているLDLコレステロールが140mg/dlを超えるだけで、薬を処方されてしまいます。

アメリカでは、2013年2月に、アメリカ心臓病学会が、コレステロール値のガイドラインを10年ぶりに改訂しました。それによれば、LDLの基準値は190mg/dlに統一され、遺伝病の発見だけに使われて、低下治療の目標値は廃止されました。

コレステロール値が高くても、元気で健康であれば、脂質を安心して摂取できます。

つまり、血糖値の上昇を防ぐために、糖質をバターでコーティングしても、それほど問題ではありません。さらに、脂質の多い肉などをチャーハンに加えても大丈夫です。

バターライスやピラフでもOK

ところで、アメリカ科学アカデミーが推奨している食事療法に、「DASH食」というものがあります。これは、高血圧の人の血圧を、コントロールするための食事法ですが、その内容が昨年見直されました。

以前は、食事に占める糖質の割合が55%だったのが、40%に引き下げられました。糖尿病の予防のためには、1日に摂取する糖質の適量は130gになり、このことは糖尿病学会も認めています。ちなみに、日本人は、平均260gで、明らかに過剰摂取です。

話を戻すと、糖質の割合が下がった分、割合が多くなったのがたんぱく質と脂質です。食事に占める割合は、糖質40%、脂質40%、たんぱく質20%が理想的になったのです。

この割合をチャーハンに当てはめてみましょう。ご飯110g、バター15g、卵1個50g、鶏の胸肉50g。これにネギや葉物野菜を加えて作ると、まさに栄養バランスに優れた、おいしいチャーハンが出来上がります。

糖尿病になっている人なら、糖質量を1食10g以下にする必要があると私は考えます。このため、ご飯を糸コンニャクに替えて具材をもっと多くした焼きソバにすると、おいしくいただけます。

このオイルコーティングは、チャーハン以外の料理にも応用できます。

バターライスやピラフにも、同じ効果が期待できるでしょう。カレーを食べるなら、普通のご飯にかけるよりも、本格的なカレー店で出されるようなバターライスにかけたほうが、血糖値が上がりにくくなります。糖尿病の人は、カレーのご飯やナンの代わりに、糖質オフのパンがお勧めです。

同様に、パンを食べる場合は、たっぷりとバターやオリーブオイルをつけて、少ない枚数を食べたほうが、血糖値の上昇をおさえることができます。

どうしても糖質を食べずにはいられない人は、このようにオイルコーティングしたご飯やパンをお勧めします。おいしく食べられるうえ、血糖値が上がらないという、すばらしい方法といえるでしょう。

オイルと卵が血糖値上昇をおさえる!

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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