タマネギの皮捨ててる?薄皮に含まれる知られざる薬効

タマネギの皮捨ててる?薄皮に含まれる知られざる薬効

タマネギを調理する際、皆さんは、タマネギの薄皮をどうしているでしょうか。ほとんどかたは、無用のゴミとして捨ててしまっているしょう。しかし実は、このタマネギの薄皮には、無造作に捨ててしまうにはもったいない薬効が含まれています。【解説】三浦於菟(東邦大学東洋医学科客員教授 吉祥寺東方医院院長)


ふだん捨てている薄皮にも特筆すべき薬効

 タマネギを調理する際、皆さんは、タマネギの薄皮をどうしているでしょうか。
 ほとんどかたは、無用のゴミとして捨ててしまっているしょう。しかし実は、このタマネギの薄皮には、無造作に捨ててしまうにはもったいない薬効が含まれています。

 では、タマネギの薄皮に含まれている薬効とはどんなものでしょうか。
 中国では、タマネギのことを「洋葱」といいます。この当て字からもわかるように、タマネギはもともと西洋原産の野菜です。ただ、それでも中国では、昔からタマネギの薬効はよく知られていました。

 例えば、高血圧、高脂血症、糖尿病、脳血栓(脳の血管が詰まって起こる脳卒中)、老眼、白内障(目をカメラにたとえたときにレンズに当たる水晶体が白く濁る病気)、近視、めまい、のぼせ、便秘、肌荒れ、イライラなどが、タマネギの有効な病気や症状として知られています。その健康効果は、非常に多岐にわたっているといっていいでしょう。

 これらのさまざまな健康効果は、主にタマネギの白い身の部分から得られますが、ふだん捨てている薄皮の茶色い部分にも特筆すべき薬効があります。

 その一つが、ケルセチンの血圧降下作用です。ケルセチンとは、ポリフェノールの一種で、非常に強力な抗酸化作用を有し、血圧を下げる効用があることがわかっています。このケルセチンが、タマネギの薄皮にはたくさん含まれています。このため、血圧を下げるという目的では、タマネギの薄皮を積極的に摂取することが、推奨されることになるのです。

 また、漢方的にも、タマネギは高血圧に対して効果の期待できる食品です。東洋医学では、一種の生命エネルギーである「気」が体の中をスムーズに巡ることで健康が保たれると考えます。東洋医学的に見ると、高血圧は体の上に気が集まってしまった状態です。
 一般に健康によいとされるのが、「頭寒足熱」の状態ですが、高血圧では、気が上方に集まり、「頭熱足寒」の状態になっています。そこで高血圧になると、めまいや耳鳴り、ほてりといった自覚症状が生じることにもなるのです。

もったいなければ2番煎じまでOK

 タマネギには、漢方的には、主に三つの作用があります。一つが、「肝」を平静な状態に保つ「平肝作用」、一つが、水分の流れをよくして、タンを取る「去湿化痰作用」、一つが熱を冷ます「清熱解毒作用」です。この場合、とりわけ重要なのが、平肝作用です。

 肝とは、西洋医学の肝臓よりも広い概念を含みます。肝は、血を調整したり、血を貯蔵したり、気を体にスムーズに巡らせる働きをしています。
 タマネギを摂取すると、その平肝作用によって、体に気がスムーズに巡るようになります。それが、高血圧の人の、気が上方に集まった状態の改善につながるのです。上方に集まっていた気が下がり、頭にこもった熱が取れば、高血圧もよくなりますし、頭痛やほてり、イライラ、耳鳴りなどの症状も解消してくるでしょう。

 古い漢方の医学書では、タマネギの薄皮だけの薬効を説明した文献や臨床例はありませんが、経験的に、その薄皮にも、タマネギの白い身の部分と同様の健康効果があることもわかっています。ですから、今解説したようなタマネギの平肝作用は、タマネギの薄皮を摂取した場合も、当然、期待できるでしょう。

→タマネギの皮茶の作り方

 さらに漢方では、身に薬効のある食べ物の皮の部分には、特有の効能があるとされています。つまり、食べ物の表面にある皮には、人体の表面に出た症状を、身の部分よりも強力に取る働きがあると考えます。こうした意味で、タマネギの薄皮も、肌荒れや耳鳴りといった症状に勧められることになるのです。

 このようにさまざまな薬効を含んだタマネギの薄皮のエキスを効率的に摂取できるのが、タマネギの薄皮茶です。
 1日にコップ2杯を目安に、毎日続けて飲んでみましょう。薄皮を1度煎じただけで捨てるのがもったいない人は、2番煎じまでは行ってもかまわないでしょう。

→タマネギの皮を使った【解毒スープ】

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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