
16年来の腰痛が軽くなった
今タマネギワインが大変な人気です。すぐに手に入るタマネギと赤ワインを使って、わずか2日で作れる手軽さと、毎日少量飲むだけで効果が得られるというのが、その人気の秘密のようです。
タマネギを切ると、独特の刺激を感じます。この刺激は、タマネギに含まれる硫化アリルなどの揮発性(蒸発しやすい性質)の有効成分によるものです。タマネギには、硫黄などのミネラル類が豊富に含まれているのです。
一方、赤ワインにはアルコールのほか、赤い色素に鉄分をはじめとするさまざまなミネラル類や薬効成分が含まれています。
漢方で薬酒を服用するときは、生薬(漢方薬の原材料となる草根木皮)を乾燥させて酒に漬けて使います。その場合、タマネギの揮発性の成分を、じゅうぶんに活用するのは難しいでしょう。
その点、タマネギワインはタマネギを生のまま使うので、そうした有効成分の薬効を、ほぼそのまま使うことができるはずです。タマネギワインは、タマネギと赤ワインという、優れた薬効を持つものどうしを組み合わせた、実によく効く薬酒といえるのです。
『壮快』に寄せられた読者の体験からも、多くの症状にタマネギワインが効いていることがわかります。
今までの特集記事の体験手記をいくつか挙げてみると、次のようになります。
高血圧
●最大血圧200㎜Hg、最小血圧120㎜Hgと高かった血圧が、タマネギワインを飲み始めた翌月には、ほぼ正常範囲に下がった。
●最大血圧180㎜Hg、最小血圧90㎜Hgだった血圧が、タマネギワインを飲み始めて2週間で最大血圧140㎜Hg、最小血圧70㎜Hg程度に安定してきた。
糖尿病
●糖尿病で300㎎/㎗あった血糖値が、タマネギワインを飲んだら、120㎎/㎗とほぼ正常範囲におさまってきた。
●食事療法を続けていても、170㎎/㎗と、全く下がらなかった血糖値が、タマネギワインを飲んだら、すぐに140㎎/㎗前後におさまってきた。
腰痛・ひざ痛
●16年来の腰痛、ひざ痛が、タマネギワインを飲み始めたら軽くなった。
●階段の上り下りができないほどのひざ痛が、タマネギワインでたった4日で軽減した。
認知症
●タマネギワインを飲んだら、夫の認知症が改善した。
白内障
●白内障(目をカメラにたとえたときにレンズに当たる水晶体が白く濁る病気)の目のかすみが、タマネギワインですっかり取れて、視界が明るくなった。
このほかにも、リウマチ、心臓病、動悸・息切れ、頭痛、めまい、便秘、下痢などの症状に効いたという体験があり、タマネギワインの幅広い薬効には、驚くほどです。
弱った全身の機能を高め、正常にしていく
タマネギワインは、その揮発性の成分やアルコールなどの働きで、全身と局所の血の巡りをよくします。また、豊富なミネラル類で体を調整することを通じて、弱った全身状態、臓器、関節などの機能を高め、正常にしていくのです。
例えば、糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが少なくなったり、その機能が低下したりして起こります。
糖尿病の人がタマネギワインを飲むと、全身や消化器系での血液循環が改善され、消化器全般と膵臓などの血の巡りがよくなります。
その結果、循環するインスリンが行き渡り、機能が高まって、血糖値を調整しやすくなるわけです。
また、全身の臓器の新陳代謝は、粘膜を介して行われます。したがって、血行が悪くなって粘膜が不調を起こすと、必要な栄養の補給や老廃物の回収が円滑に進まなくなってしまいます。
タマネギワインは血行をよくし、タマネギ特有の揮発性成分の刺激で、粘膜の状態を調整するのです。その結果、新陳代謝がうまくいくようになると考えられます。
糖尿病や高血圧は、昔と現在では症状の現れ方が少し違っています。昔の糖尿病は、水を飲んでも飲んでものどが渇いて苦しく、どんどんやせていくといった症状が見られ、アルコールを飲ませるなど、とんでもないことでした。
ところが現代の糖尿病は、最初の10年ほどは本人はあまり苦痛を感じないケースが多いのです。ところが、その後、血栓(血液中にできる血の塊)、眼底出血(光を感じる働きをする網膜の血管が出血を起こす病気)、腎不全などの血管の障害が起こり寿命が短くなります。
タマネギワインは膵臓やインスリンの働きを助けるとともに、血管の障害を防ぐ効果も期待できますから、適量を飲めば、糖尿病に適した健康飲料といえるのです。

また、昔は高血圧の患者に運動をさせたり、アルコールを与えたりすることは疑問視されていました。しかし、今は、運動や適量のアルコールで血行をよくすれば、血圧が下がるケースがふえているのです。
このような最近の病気の特徴も、タマネギワインが活躍し、人気を得る背景となっています。タマネギワインは、糖尿病や高血圧などの改善だけでなく、なんとなく体がだるい、などの半健康状態の人の健康増進や、健康な人の健康維持と病気の予防に役立つでしょう。
解説者のプロフィール
岡田研吉
1972年、東邦大学医学部卒業。ドイツのリューベック医科大学留学中、東洋医学を志す。帰国後、名古屋聖霊病院、藤枝市立病院に勤務するかたわら、国立東静病院で漢方医療を学ぶ。81年には、北京中医学院に1年間留学。