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医師解説【降圧剤の副作用で認知症に!?】180ミリなら無理に下げなくて良い

医師解説【降圧剤の副作用で認知症に!?】180ミリなら無理に下げなくて良い

基準値を少し超えたからといって、すぐに降圧剤を飲むのは考えものです。体はわざわざ血圧を上げているからです。それを薬で無理に下げれば、さまざまな症状を引き起こします。薬を飲み始めた高齢者が、「元気がなくなった」「手足が冷たくなった」等の不定愁訴に悩まされるのは、このためです。【解説】岡本裕(e-クリニック医師)

血圧をさげるためには、
食事改善や運動といった自助努力が必要!

薬で血圧を下げると脳の血流量が低下する

 私たちの血圧が年とともに上がるのは、おおむね老化という自然現象によるものです。
 私たちの血管は加齢によって細くなり、弾力がなくなってきます。そのぶん、血液を押し流す圧力を高めないと、血液の流れが悪くなるのです。
 つまり、加齢とともに血圧が上昇するのは、体が血流をスムーズに保とうとする適応反応といえます。

 ですから、基準値を少し超えたからといって、すぐに薬(降圧剤)を飲むのは考えものなのです。
 というのは、硬くなった血管に弾力がなくなることで、血流が滞るので、体はわざわざ血圧を上げているわけです。それを薬で無理に下げれば、体の隅々まで栄養や酸素が行き届かなくなります。その結果、さまざまな症状に悩まされるようになるのです。

 高齢者が薬を飲み始めると、「元気がなくなった」「物覚えが悪くなった」「頭がボーッとする」「集中力がない」「手足が冷たくなった」といった不定愁訴に悩まされるのは、このためです。確かに、老人ホームで生活しているお年寄りの様子を見ていると、元気な人の共通点は、血圧の高さといえます。
 そして、薬を服用している人は、服用していない人に比べて、認知症の進行が早いという報告もあるのです。

 脳がじゅうぶんに働くには、多くの血流量を必要とします。血管が硬くなっている場合は、血圧を上げることで脳の隅々まで血液を送り込んでいます。ところが、薬で血圧を下げると、脳の血流量が低下してしまいます。
 この結果、認知症のような症状が現れるのです。そのまま放置していると、本格的に認知症になる人も出てくるでしょう。

 以上のことから、薬がボケをふやしているともいえるのです。逆に、薬をやめると、認知症のような症状が解消することも少なくありません。
 血圧が多少上がったからといって、むやみに怖がってはいけません。私が患者さんによくいっているのは、60歳以上の場合、最大血圧が180㎜Hg以下を保っているかぎり、慌てて薬を飲む必要はないということです。体が血流を調整しているのだと思えばよいのです。

 もちろん、薬を飲まずに高い血圧を放置していいというわけではありません。血圧上昇の原因は、加齢だけではないからです。動脈硬化は、加齢以外のさまざまな要因によって進んでいることが考えられるのです。

「薬で無理に下げる」のと「自然に下がる」は違う

 その最たる要因が、生活習慣です。自分の生活習慣を、一度よく振り返ってみてください。乱れた食生活や、極度の運動不足に陥っていませんか。また、心配事など、慢性的なストレスを抱えていませんか。思い当たるところがあれば、その生活習慣を改善していきましょう。

 薬で「血圧を無理に下げる」のと、食事の改善や運動といった自助努力で、「血圧が自然に下がる」のは、同じではありません。私がお勧めするのは、いうまでもなく、自助努力で「血圧が自然に下がる」ことです。
 血圧の上昇は、血液を押し流す血管に弾力がなくなることで起こります。そこで必要なのは、薬を飲んで血圧を無理に下げることではなく、血管の弾力をなくしている根本原因を改めることです。
 そうすれば、いくつになっても、血圧が自然と下がり、薬は必要なくなるのです。

 食事面では脂っこい物、塩辛い物、甘い物、カロリーが高い物を控え、和食中心にして、野菜や野菜ジュースを積極的にとることが大切です。
 運動面では速歩きや階段の上り下りなど、足腰に負荷がかかるような、少し息切れするくらいの運動をすること。ハイキングなどがお勧めです。

 知人の男性(59歳)の例を挙げてみましょう。
 この男性はひさしぶりに健康診断を受けたところ、最大血圧が180㎜Hg、最小血圧が130㎜Hgもあって仰天したといいます。
 担当医から薬を飲むように勧められ、私のところに相談にきたのです。話を聞くと、食事は外食が中心で、ステーキや中華料理など、自分の好きなものばかり食べていました。運動も全くしていません。

 そこでまず、生活習慣の改善を勧め、この男性は生活を180度変えました。そうしたところ、2週間たつころから、効果が現れ始め、2〜3ヵ月で、最大血圧が130㎜Hg台に、最小血圧が70㎜Hg台になり、安定しました。もちろん、薬を飲まずに済んだのです。
 すでに薬を飲んでいる場合、急に薬をやめるのは不安だと思います。まずは、動脈硬化を引き起こしている生活習慣を改善しましょう。そうすることで、しだいに血圧が下がってきます。下がってくる血圧に歩調を合わせるように、薬を少しずつへらしていけば、体に無理なく、薬をやめられるでしょう。

降圧剤をやめるには

解説者のプロフィール

岡本 裕(e-クリニック医師 )
1957年、大阪府生まれ。e-クリニック医師・医学博士。大阪大学医学部卒業、同大学院卒業。大学病院、市立病院などを勤務後、1995年、阪神淡路大震災をきっかけに「21世紀の医療・医学を考える会」を仲間と立ち上げる。2001年、会を移行した形で、「e-クリニック」をスタート。編書に『免疫を高めるとガンは自然に治る』(マキノ出版)などがある。
●e-クリニック
http://e-clinic21.or.jp/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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