解説者のプロフィール
マクロビ流 美味しい減塩料理

高血圧のかたが召し上がる減塩料理は、塩気に慣れた舌には物足りなく感じてしまいます。
そこで、少ない量の塩で満足感のあるものにする工夫が必要です。
私が研究しているマクロビオティック(玄米を主食とした日本の伝統的な食事内容を見直す食事法)に基づいた料理であれば、減塩料理の欠点をカバーできるのです。
ポイントは2点です。
マクロビごはんのポイント

レシピ(1)カボチャのグラタン

野菜の甘みと食感が楽しめる一品
【カボチャのグラタン】エネルギー243kcal・塩分0.7g(各1人分)
[材料](2人分)
カボチャ…100g
ヤマイモ…50g
タマネギ…1個
ナタネ油…大さじ1
全粒粉(または薄力粉)…大さじ2
水…30ml 豆乳…200ml
塩…小さじ1/4
[作り方]
❶カボチャとヤマイモは一口大に、タマネギは薄く切る。
❷鍋にナタネ油を入れて、カボチャ、ヤマイモ、タマネギを炒め、野菜から甘い香りがしたら、全粒粉を入れてさらに炒める。
❸水を加えて、カボチャが柔らかくなるまで弱火で煮る。
❹豆乳を加えて、さらに弱火で5分ほど煮込み、塩を加える。
❺耐熱皿に④を入れて、180度のオーブンで15分焼く。
レシピ(2)豆腐のステーキ

香ばしくて舌もおなかも満たされる
【豆腐のステーキ】エネルギー76kcal・塩分0.1g(各1人分)
[材料](2人分)
豆腐…1/2丁
ネギ…1/4本
シイタケ…2枚
水…大さじ2
しょうゆ…小さじ1/4
ゴマ油…小さじ1/2
ショウガ…適宜
ノリ…適宜
[作り方]
❶ネギとシイタケを薄く切る。ネギの青い部分を分け、刻んでおく。フライパンに水を入れ、残りのネギと、シイタケを炒める。
❷ネギとシイタケがしんなりしたら、しょうゆを加えて味を調える。
❸よく熱したフライパンにゴマ油を引き、豆腐を両面にこんがりと焼きめがつくまで丁寧に焼く。
❹③を皿に盛りつけて、②と刻んだショウガ、青ネギ、ノリを乗せる。
レシピ(3)マクロビおでん

身も心もほっこり!
【マクロビおでん】エネルギー70kcal・塩分1.1g(各1人分)
[材料](2人分)
ダイコン…50g レンコン…50g
サトイモ…2個 干しシイタケ…2枚
コンブ…7cm角 シュンギク…適量
しょうゆ…小さじ1
[作り方]
❶ダイコンは3cm幅の半月に、皮つきのレンコンを縦に食べやすい大きさに切る。サトイモは皮をむいて食べやすい大きさに切って、塩でもんで洗う。
❷干しシイタケと、水に戻したコンブを、食べやすい大きさに切る。
❸鍋にコンブ、干しシイタケ、ダイコン、レンコン、サトイモを入れて、野菜がしっかりとつかるまで水を加え、弱火でゆっくりと煮る。味見をして、しょうゆを加える。
❹シュンギクは別の鍋でサッとゆで、食べやすい大きさに切る。
ダイコンに味が染み込んだのを確認したら、シュンギクを加えて1分ぐらい煮る。全体に味がなじんだら、刻んだユズの皮(分量外)を乗せて出来上がり。
レシピ(4)シュンギクのサラダ

ミカン味のドレッシングが斬新
【シュンギクのサラダ】エネルギー76kcal・塩分0.7g(各1人分)
[材料](2人分)
シュンギク…1/2束 ミカン…1個
ミカンジュース…100ml
ショウガの搾り汁…小さじ2
水…大さじ2 タマネギ…1/4個
シメジ…30g しょうゆ…小さじ1
塩…少々 エゴマ油…小さじ1
[作り方]
❶シュンギクは洗って、食べやすい大きさに手でちぎる。ミカンは皮をむいて、薄皮をはいでおく。小さな容器に、ミカンジュースとショウガの搾り汁を入れて混ぜ合わせて、ドレッシングを作る。
❷フライパンに水を入れ、薄く切ったタマネギと手でさばいたシメジを炒める。タマネギとシメジがしんなりしたら、しょうゆを加えて味をつける。
❸器にシュンギクとミカンを入れ、塩を振り、背中に羽根が生えたようなイメージで軽く混ぜ合わせる。
❹③と②を混ぜ合わせる。
❺食べる直前にエゴマ油とドレッシングをかけて仕上げる。
レシピ(5)炊き込みご飯

モチモチの食感と野菜のうまみがポイント
【炊き込みご飯】エネルギー581kcal・塩分0.3g(各1人分)
[材料](2人分)
シメジ…30g ゴボウ…10g
ニンジン…10g ダイコン…10g
厚揚げ…1/2個 コンブ…3㎝角
玄米…2合 水…250ml
しょうゆ…小さじ1
紅ショウガ…適宜 ノリ…適宜
[作り方]
❶シメジは手で小さく分け、ほかの野菜は7㎜のさいの目に切る。厚揚げは2㎝角に切り、コンブははさみで細く切る。玄米は洗っておく。
❷圧力鍋に①の厚揚げとコンブ以外の食材と玄米を入れ、水を加える。
❸弱火でひと煮立ちさせたら、厚揚げとコンブを加え、圧力をかけて25分炊く。
❹炊きあがったら10分蒸らし、天地返しをするときにしょうゆを加えて混ぜ合わせる。茶わんによそったら、好みで紅ショウガ、ノリ、ちぎった大葉(分量外)を散らす。
レシピ(6)ヒジキとハクサイのみそ汁

体の芯から温まる
【ヒジキとハクサイのみそ汁】エネルギー48kcal・塩分1.0g(各1人分)
[材料](2人分)
ヒジキ…大さじ1
ハクサイ…大1枚
ニンジン…30g
水…400ml 油揚げ…1/2枚
みそ…小さじ2
ユズの皮…少々
[作り方]
❶ヒジキは水200mlで戻して、食べやすい大きさに切る。ハクサイ、ニンジンはせん切りに。
❷鍋にハクサイ、ニンジン、ヒジキを入れ、ヒジキの戻し汁200ml(足りなければ水)を加えて、弱火で7分ほど煮る。
❸一煮立ちしたら水200mlを入れ、刻んだ油揚げを加えて弱火で煮る。
❹小さなすり鉢でみそを溶き、③に入れて味を調える。
❺ユズの皮を飾る。
レシピ(7)切り干しダイコンのなます

ユズの香りと酸味のさっぱり味
【切り干しダイコンのなます】エネルギー90kcal・塩分0.5g(各1人分)
[材料](4人分)
切り干しダイコン…10g 干しシイタケ…3枚
ニンジン…50g 油揚げ…1枚 アラメ…2g
しょうゆ…小さじ1/4 酢…大さじ2
ユズの搾り汁…小さじ2 塩…少々
ユズの皮…適宜 白ゴマ…小さじ2
シュンギク…適宜
[作り方]
❶切り干しダイコン、干しシイタケは水で戻して、食べやすい大きさに切る。ニンジンはせん切りにする。油揚げは両面をカリッと焼いて、刻んでおく。
❷鍋に干しシイタケ、ニンジン、切り干しダイコン、アラメの順に重ねる。戻し汁を加えて弱火で一煮立ちさせ、5分ほどクツクツと煮る。
❸鍋肌からしょうゆを入れて天地返しをして、さらに5分ほどクツクツと煮る。
❹ボウルに酢とユズの搾り汁、塩を入れて混ぜ合わせ、③を入れてさらに混ぜ合わせる。
❺④に刻んだ油揚げとユズの皮と炒った白ゴマを加えて、混ぜ合わせる。サッとゆでたシュンギクを仕上げに混ぜ込み、味を調える。一晩寝かすと、味が染み込んでさらにおいしくなる。
中 美恵
1961年、兵庫県生まれ。日常に取り入れやすい形でのマクロビオティックを精力的に紹介し、健康と美容、癒しなど、さまざまなシーンでの活用法を提案している。主催するクッキングサロンでは、マクロビを身につけたい人のニーズに、きめ細かくこたえている。オリジナルレシピは2000以上。雑誌やテレビ、ラジオ、講演などで、幅広く活躍。『中美恵のキレイになるマクロビ・ダイエット』(講談社)など著書多数。