【女性医療】即効!尿トラブルには「ダブルカイロ」―更年期症状にも効く

【女性医療】即効!尿トラブルには「ダブルカイロ」―更年期症状にも効く

昔から、「冷えは女性の大敵」などといわれます。実は、中高年の女性に多い頻尿や尿もれなどの尿トラブルは、寒い時期に悪化しがちです。私のクリニックでは、尿トラブルの治療は骨盤底筋トレーニングと腹式呼吸が基本です。【解説】関口由紀(女性医療クリニック LUNAグループ理事長・医学博士)


ダブルカイロを勧める関口先生

切迫性尿失禁はその場で改善

 昔から、「冷えは女性の大敵」などといわれます。実は、中高年の女性に多い頻尿や尿もれなどの尿トラブルは、寒い時期に悪化しがちです。

 私のクリニックでは、尿トラブルの治療は骨盤底筋トレーニングと腹式呼吸が基本です。
 骨盤の底では、骨盤底筋群と呼ばれるハンモック状の筋肉や靭帯などが、膀胱や子宮などを支えています。尿トラブルの大きな原因の一つは、この骨盤底筋群の衰えです。

 骨盤底筋トレーニングは、骨盤底筋群を動かし、鍛えるトレーニング法です。具体的にはイスに腰掛けた状態で、肛門と膣を収縮させて、骨盤底筋をしっかり締めます。その状態で下腹部を緊張させたまま、息を吐きながら、締めた骨盤底筋をギュッと持ち上げます。

 患者さんの状態にもよりますが、骨盤底筋トレーニングを続けて3ヵ月ほどで、尿もれの7割は改善されます。
 ほかにも、過活動膀胱などによる頻尿の治療では、抗ムスカリン薬などの薬を用いることもあります。こちらも7割程度は改善されます。

 このような治療の効果がなかなか出ない人は、尿トラブルだけでなく、強い冷えを訴えている例が少なくありません。詳しい理由はわかりませんが、冷えと尿トラブルは深いかかわりがあるようです。実際に、冷えを漢方薬や使い捨てカイロ、腹巻きなどで解消すると、尿トラブルの多くが改善するのです。
 なかには、使い捨てカイロで骨盤内部を温めただけで、尿トラブルが改善した例もあります。カイロによる温めは、すぐに効果が表れるのが特徴です。
 特に、トイレに行く途中で間に合わずに尿がもれてしまう切迫性尿失禁は、温めるとその場で改善します。

骨盤内部を温めたら第2子を妊娠した!

 寒い時期には、生理痛を含む下腹部痛も悪化しがちです。こちらも使い捨てカイロなどで骨盤内部を温めると、すぐに痛みが消えます。更年期の女性の中には、顔や上半身はのぼせたりほてったりするのに、下半身は冷えているという人が少なくありません。このような更年期ののぼせにも、有効です。

 ほかにも、私のクリニックでは不妊に悩む人にも、骨盤内部を温めるように勧めています。温めることで、子宮などの働きを高めるのが目的です。
 実は私自身も第1子出産後、2人目をなかなか授からずにいました。当時は、おなかが痛むほど強い冷えを感じていたのです。そこで、骨盤内部を温めてみると、第2子を無事に妊娠・出産することができました。

 では、骨盤内部を効果的に温める使い捨てカイロの使い方をご紹介しましょう。私は、下腹部とお尻の割れ目の上の2ヵ所にカイロをはる、「ダブルカイロ」を勧めています。

 おへそから指4本分下がった位置に、関元というツボがあります。関元は、生命エネルギーを補充できるツボとして知られています。さらに、関元より指1本分下がった位置には中極というツボがあります。中極は排尿痛や下腹部痛に有効なツボです。下腹部は、この二つのツボの上に使い捨てカイロを当てます。
 もう1ヵ所は、お尻の割れ目の上です。お尻の割れ目の上にある骨の先端には中髎、中髎から指2本分上がった位置には次髎というツボがあります。これらは、いずれも尿トラブルに有効なツボとして知られています。

 低温ヤケドを避けるため、使い捨てカイロは肌に直接当たらないようにしてください。また、糖尿病や脊椎損傷などの知覚障害の出る可能性がある人は主治医に相談しましょう。低温ヤケドにさえ気を付ければ、一日中、カイロを当てっ放しでいても構いません。
 使い捨てカイロを二つも用意するのが面倒という人は、どちらか一方を温めるだけでもよいでしょう。冷えを強く感じる人は、体を冷やす作用のあるコーヒーや緑茶、果物、アルコールなども控えてみてください。

 頻尿や下腹部痛に関しては、ダブルカイロをしてすぐに変化を実感できるでしょう。3ヵ月ほど続ければ、より大きな変化を実感できるはずです。
 この冬をトラブル知らずで元気に過ごしたい人は、ぜひダブルカイロをお試しください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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