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【血圧を下げる食べ物】上も下も降圧効果があるのは「キウイフルーツ」

【血圧を下げる食べ物】上も下も降圧効果があるのは「キウイフルーツ」

日本でもすっかりおなじみになった、キウイフルーツ。実は、このキウイフルーツに優れた血圧降下効果があることが、最近の研究でわかってきました。最大血圧だけでなく、最小血圧の改善にも有効です。「下が高い」という人は、ぜひ積極的にとってみてはいかがでしょうか。【解説】本橋登(元明治薬科大学理事・教授・薬学博士)


最大血圧、最小血圧ともに下がった!

 日本でもすっかりおなじみになった、キウイフルーツ。実は、このキウイフルーツに優れた血圧降下効果があることが、最近の研究でわかってきました。
 研究を行ったのは、ノルウェーのオスロ大学病院労働環境医学科、メッセ・スヴェンセン先生です。2011年の米国心臓協会・学術会議で発表された内容を、早速ご紹介しましょう。

 研究では、最大血圧が135〜150ミリ、最小血圧が85〜99ミリのいずれか、あるいは両方を満たす35〜69歳の118人が協力しました。
 この人たちを二つのグループに分け、一つのグループには1日3個のキウイフルーツ、もう一つのグループには、1日1個のリンゴを、それぞれ8週間にわたり食べてもらい、血圧の変化を調べたのです。
 8週間後の最大血圧を調べると、キウイフルーツグループはリンゴグループと比べて、3.6ミリ低くなっていました。キウイフルーツを食べていたグループのほうが、有意に(統計学的に意味のある差で)高血圧の改善が見られたのです。
 また、最小血圧においても、キウイフルーツグループがリンゴグループより1.9ミリ低くなっており、やはり有意差があることがわかっています。

 こうした結果から、スヴェンセン先生は、「1日当たり3個のキウイフルーツを摂取するほうが、1日1個のリンゴを摂取するより血圧降下作用が高い」と結論づけています。

 ではなぜ、キウイフルーツには、このように血圧を下げる効果があるのでしょうか。
 実験を行ったスヴェンセン先生によると、キウイフルーツが血圧を下げる要因の一つとして、ルテインを挙げています。
 黄色い色素ルテインは、カロテノイドの仲間の一つで、抗酸化力が強いことで知られています。その抗酸化作用により、血液中の悪玉コレステロールの生成が抑制され、血液中の余分なコレステロールをへらす効果があります。ルテインのこうした働きによって、血流が改善され血圧が下がったと考えられるのです。
 キウイフルーツには、このルテインが最低でも100g中1.8マイクログラム(1マイクログラムは100万分の1g)含まれています。一方、リンゴに含まれるルテインの量は、1.4マイクログラムにすぎません。つまり、キウイフルーツは、リンゴの1.5倍ものルテインをより多く含んでいることになります。この豊富なルテインが、血圧によい影響を与えた可能性があるでしょう。

αカロテンの量が221%もふえていた

 ただ私は、血圧の改善には、ルテイン以外の成分も関与しているのでは、と考えています。

 カロテノイドには、ルテイン以外にもβカロテン、αカロテン、リコぺンなどがあり、これらの成分もキウイフルーツに含まれています。
 例えば、キウイフルーツに含まれるβカロテンの量は、100g中0.4マイクログラム。これはほかの果物と比べても、かなり高い数値です。ルテインと同様、キウイに含まれるαカロテン、βカロテン、リコぺンといったカロテノイドの仲間にも、優れた抗酸化作用があるので、これらが血圧の改善に役立ったことは間違いないでしょう。

 さらにもう一つ、この研究で注目したい点があります。
 八週間キウイフルーツを食べた後に、血漿(血液の液状成分)中に含まれるαカロテンの量を調べてみると、αカロテンが221%もふえていたのです。また、βカロテンも50%、ルテインも37%増加していることがわかりました。
 ところが、キウイフルーツ自体には、八週間食べ続けたにせよ、これだけの量のαカロテンは含まれていません。そこで、私は次のように考えました。

 αカロテンを含めたカロテノイドは、もちろん、ほかの野菜などにも含まれています。実験期間中、被験者は、これらの野菜などからもカロテノイドを摂取していたはずです。
 そして、キウイフルーツ中に含まれているなんらかの成分が、キウイフルーツ由来を含めた食品中のカロテノイドを、血漿中に保持する役割を果たしているのではないでしょうか。

 一般的には、血圧が1ミリ下がると、心筋梗塞(心臓の血管が詰まって起こる病気)などで死亡するリスクが、2〜3%下がると考えられます。
 血圧が気になるかたは、キウイフルーツを積極的にとってみてはいかがでしょうか。

解説者のプロフィール

本橋 登
1940年、東京都生まれ。
東北大学大学院薬学研究科修了。薬学博士。
明治薬科大学教授、明治薬科大学理事を歴任。
現在は、インド国立大学博士論文審査官。
フルーツ博士として、テレビやラジオ、書籍、雑誌などでおなじみ。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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