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【逆流性食道炎】原因はストレスによる食いしばり 対策と治し方を紹介

【逆流性食道炎】原因はストレスによる食いしばり 対策と治し方を紹介

逆流性食道炎、頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧──。こうした症状に悩む患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。【解説】吉野敏明(誠敬会クリニック銀座院長)


解説者のプロフィール

吉野敏明
 神奈川県横浜市出身。1993年、岡山大学歯学部卒業。歯学博士。日本歯周病学会指導医・専門医。歯周病原細菌検査を用いた歯周治療の、日本における第一人者。医科(内科)と歯科が連携し、東洋医学と西洋医学を包括した治療を実践。『健康でいたいなら10秒間口を開けなさい](PHP新書)、『口元美人化計画』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。「アスクレピオスの杖」(TOKYO MX)などテレビへの出演も多い。

目、耳、口、脳をつなぐ神経が圧迫される

 頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧、逆流性食道炎──。
 こうした症状に悩む患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。

 一見、脈絡なく感じられるこれらの症状は、実は「食いしばり」が元凶となって起こっているという共通点があります(食いしばりについては後述)。
 食いしばりの害をなくすいちばん簡単で効果的で、お金もかからず誰にでもできる方法が、口を開けることなのです。
 耳の前辺りに指先を当てて、奥歯をぐっと嚙みしめてみてください。筋肉がぐっと盛り上がるのが感じられるはずです。
 ちょうどこの辺りに、脳から直接出てくる脳神経である、内耳神経や三叉神経、顔面神経が通っています。これらは耳や目、口(舌)と脳をつないでいるとても重要な神経です。

 無意識に食いしばっていると、筋肉のこり(硬結)や骨の圧迫によって、これらの神経が機能不全を起こし、耳、目、口、脳の不調が起こります。ちょうど正座でひざの裏の神経が圧迫され、足がしびれて動けなくなるようなものです。
 また、下あごは、全身のバランサーとしての働きがあります。体が傾いたとき、下あごは上下前後左右にやじろべえのように微細に動いて、傾きの影響を吸収し、姿勢を整えているのです。 
 ですから、下あごはゆらゆらと自由に動ける必要があります。ところが、食いしばって下あごががっちり固定されてしまっていると、あそび(ゆとり)がなくなり、全身の骨格にゆがみがもろに伝わって、筋肉や関節が障害されてしまうのです。

 具体的な症状で説明しましょう。食いしばりであごの関節の位置がずれると、、平衡感覚をつかさどる三半規管や蝸牛などの内耳組織を強く圧迫し、耳鳴りやめまいを起こします。
 また、食いしばることで頸椎の位置がずれ、さらに胸椎・腰椎へと雪崩的にゆがみが及ぶので、腰痛になります。
 この腰椎のゆがみが骨盤の仙腸関節に及ぶことで、消化器や生殖器の機能が落ち、便秘や月経困難などを誘発します。
 骨盤がゆがめば足の長さが変わりますから、ひざ関節にも負担がかかります。
 さらに、食いしばると、食物の受け入れ態勢を取ろうと、胃の入り口である噴門が反射的にゆるみます。寝た姿勢で食いしばれば、ゆるんだ噴門からたやすく胃酸が逆流して、逆流性食道炎や酸蝕歯(酸によって歯が溶ける症状)を起こすのです。

 このように、食いしばりは全身に影響を与えて、不調を誘発する元凶なのです。
 実際、食いしばりによる筋肉の過緊張をほぐしたら、その場ですぐ、高かった血圧が20~30㎜Hg下がったり、耳鳴りの音が小さくなったり、ひざが痛くて歩けなかった人がすたすた歩けるようになったといった例は、私たちのクリニックでは日常茶飯事です。

食いしばりが原因となって起こる主な症状

ストレスの改善に「開口ストレッチ」がお勧め

「私は食いしばっていないから大丈夫」。そう他人事のように考えているかもしれません。
 しかし、残念ながら、私の臨床実感では、日本の現代人の90%以上が、上唇と下唇を閉じたとき、上下の歯がどこかで当たっている「食いしばり」を起こしています。
 たとえ強く嚙みしめていなくても、歯と歯が少しでも当たっていれば、食いしばりなのです。唇が接していても、上下の歯の間には2〜3㎜のすき間があるのが、正常な状態です。

 これほど食いしばりが多くなった原因は、現代のストレス社会と生活環境が大きく影響しているのでしょう。
「歯を食いしばって耐える」という表現があるように、強いストレスや苦痛があるとき、私たちは無意識に歯を食いしばります。食いしばると、鎮痛作用を持つ「βエンドルフィン」という脳内麻薬が分泌され、苦痛が軽減されるからです。
 強いストレスに常にさらされている人は、手っ取り早く脳内麻薬を分泌しようと、意識しないうちに食いしばるのが癖になってしまうのです。 

 また、パソコンやスマートフォンなどの普及も、食いしばりに拍車をかけています。
 ためしに、スマートフォンを手に持ち、画面を見ながら口を開けてみてください。首が前に倒れて頭が落ちた姿勢で口を開けるのは、とてもやりにくいはずです。その状態だと、上下の歯がついていませんか?

 また、パソコンはさらに悪影響です。頭を前に突き出して画面を見ながら、手のひらを下にして机の上に手を置くような姿勢を取ると、肩が前に巻き込まれてネコ背になりやすく、食いしばりを誘発します。

 そこで私が患者さんたちに勧めているのが、「開口ストレッチ」です。巻き込んだ肩を広げてから、10秒くらい、ゆっくり、ぽかんと口を開けてみてください。
 口を開けながら、食いしばることはできません。そして、ときどき口を開けることを意識することで、上下の歯と歯が接さないように、意識できるようになるのです。
 開口ストレッチを1日1回以上続けていると、食いしばりが起こりにくい頸椎やあごの位置になります。肩こりや頭痛にも効果がありますし、ストレートネック(※)の治療にもなりますから、ぜひお勧めします。

 顎関節症でも、口を開けるとカクカクと音がするだけなら、特に気にする必要はありませんが、痛みが出る人は、無理をせず、痛まない範囲で、ゆっくりと、力を入れずに口を開けてください。続けるうちに、しだいに滑らかに口が開くようになっていきます。

開口ストレッチのやり方

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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