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口をぱくぱくするだけで、内臓や血管が元気になるってホント?

口をぱくぱくするだけで、内臓や血管が元気になるってホント?

口をぱくぱくと開け閉めすると、体と心の中にいる「インナードクター(内なる医師)」が呼び起こされ、腰痛、不眠、肩こり、高血圧、胃腸炎、頻尿、便秘、顎関節症、アトピー性皮膚炎、更年期障害など、さまざまな病気や不調が改善する可能性があるのです。【解説】筒井重行(風楽自然医療研究所所長)

解説者のプロフィール

筒井重行
1971年、九州歯科大学卒業。東京医科歯科大学、昭和大学歯科病院をへて、88年、歯学博士取得。95年、早稲田医療専門学校鍼灸科卒業。2008年、風楽自然医療研究所開設。40年以上、顎関節症の治療に従事する中で、西洋医学と東洋医学をベースにした新たな医療体系を開発。自律神経失調症、頭痛、腰痛、耳鳴りなど、多くの症状を改善させている。著書に『「口をぱくぱくする」と超健康になる』(マキノ出版)がある。

原初的な生命活動を担う迷走神経

私はかねてから、「人間の体には、健康体になるための未知のスイッチがある」と考えていました。
そして、ついに、最強のスイッチを発見しました。それが「口ぱくぱく法」です。

口をぱくぱくと開け閉めすると、体と心の中にいる「インナードクター(内なる医師)」が呼び起こされ、必要な働きが自発的に行われて、内臓、血管、筋肉、神経が元気になります。
そして、腰痛、不眠、肩こり、高血圧、胃腸炎、頻尿、便秘、顎関節症、アトピー性皮膚炎、更年期障害など、さまざまな不調や病気が自然と改善していくのです。

では、なぜ口ぱくぱく法で、体の不調がよくなるのでしょうか。その理由はずばり、口を開閉することで、「迷走神経」という、重要な神経の働きを活性化できるからです。
迷走神経は、脳神経の一つです。脳神経とは、脳から末梢の組織に延びている12対の神経で、それぞれに異なる特徴と役割があります。

迷走神経の最大の特徴は、12対の脳神経の中で最長の神経で、体内に最も広く分布している、原初的な生命活動を担う神経だということです。
ほかの11対の脳神経は、どれも首から上に分布しているのに対し、迷走神経は、脳神経の中で唯一、胸部や腹部にまで延びています。

栄養を取り込む口と排泄する肛門、それをつなぐ消化器をコントロールする神経だった迷走神経は、進化によって内臓が分化するにしたがって、受け持ちが増えていきました。
その結果、迷走神経は、体内で複雑に枝分かれしつつ、肺、心臓、胆嚢、脾臓、食道、胃、膵臓、副腎、腎臓、小腸、大腸の上まで延びるようになったのです。

迷走神経を活性化することは、自律神経のバランスを整えることにもつながります。
自律神経には、拮抗して働く「交感神経」と「副交感神経」があります。アクセルとブレーキに当たる、この二つの神経のバランスが取れているのが、健康な状態です。

しかし多忙な現代人の多くは、不規則な生活、ストレス、運動不足などにより、交感神経が優位になった状態が慢性化しています。すると、体内は興奮・緊張状態になり、消化や吸収などの働きが低下し、体の不調が生じやすくなるのです。
そこで、交感神経の働きを抑えるために、体内を安静化させる副交感神経の働きを高めることが、心身の健康のために不可欠です。その副交感神経を活性化させる最大の鍵が、迷走神経です。

実は、解剖学的には、交感神経、副交感神経という神経はありません。交感神経、副交感神経というのは、その機能による分類なのです。
そして副交感神経機能の大部分を占めているのが迷走神経です。すなわち、迷走神経を活性化することこそが、副交感神経の活性化にほかならないのです。

脳の近くの瘀血を押し流す効果がある

 では、口をぱくぱくすると、なぜ迷走神経を活性化できるのでしょう。

 実は、迷走神経が脳幹から内臓に向かって延びるのが、口の開閉によって動く下あごの骨や、側頭骨(耳の周囲を形成する骨)からの振動が、ちょうど伝わりやすい位置なのです。
 つまり、口をぱくぱくと動かすことで、直に、迷走神経を刺激することができるのです。

 また、上あごの後方の奥には、翼突筋静脈叢という血管の密集する場所があります。脳を回った血液は、この静脈叢を通って心臓に戻りますが、ここは瘀血がたまりやすい部分です。
 瘀血とは、東洋医学でいう血流の滞りのことで、それが原因でさまざまな不調や病気が起こるとされています。

 口ぱくぱく法は、この静脈叢にも刺激を与えることができます。それによって、静脈叢を浄化することができ、瘀血を解消できると考えられるのです。
 口ぱくぱく法を行ったら、そのまま静かに体の声を、できれば15分ほど聞いてみましょう。
 中には、手足がバタバタと動いたり、体が揺れたりといった動きが、意志とは無関係に現れる人がいます。おなかがグルグルと鳴ったり、指先が熱くなったり、あくびが止まらなくなったりする人もいます。

 現れ方は人それぞれですが、全部、体と心が本来あるべき状態に戻ろうとするインナードクターからの処方せんです。その体の変化に身を任せてください。
 たとえ最初は、これといった体の変化を感じられなくても、体内は確実に健康な状態に変化しています。毎日続けているうちに、その効果を実感できるようになるはずです。  以前、講習会で、「KPPでPPKやな」とうまいことを言ってくれた人がいました。その心は「口(K)ぱく(P)ぱく(P)でピン(P)ピン(P)コロリ(K)」だそうです。みなさんもぜひ続けてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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