医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営

耳鳴り、めまい、難聴を改善する「あごの円回し」のやり方

耳鳴り、めまい、難聴を改善する「あごの円回し」のやり方

耳の症状に見舞われた場合、内耳に問題があると考え耳鼻科に通う人がほとんどでしょう。しかしいくら薬を飲んでも、治療を受け続けても、よくならないケースは珍しくありません。それもそのはず。そうしたケースに悩んでいる人は、根本的な原因が、首に潜んでいる可能性が高いといえます。【解説】劉莉亜(劉先生鍼灸院院長・医学博士)


解説者のプロフィール

首治療の権威・劉先生


劉莉亜(りゅう・りあ)
劉先生鍼灸院院長。
1982年、中国医科大学医学部卒業。96年、愛知医科大学で医学博士号を取得。2001年、劉先生鍼灸院を開設。中国遼寧中医大学名誉教授。
●劉先生鍼灸院
神奈川県小田原市栄町1-4-5倉持ビル4F
0465-24-2122
http://www.ryu-sensei.com/

首の後ろを緩めて 血管や神経の圧迫を回避

 私は、頸椎(背骨の首の部分)の異常などにより神経が刺激され、さまざまな症状を引き起こす「頸椎症」を専門にした鍼灸院を開いています。
 日本で治療活動を始めて16年になりますが、開院当初から、日本人特有の身体傾向があることに気づいていました。

 それは、首に問題を抱えている人が非常に多い点です。
 これは、欧米人に比べて首の骨が小さいことや、湿度の高い特有な気候も影響しているのでしょう。しかし、いちばんの理由は、ふだんの悪い姿勢によって首に負担がかかり、首周辺の血流が悪化していることだと、私は考えます。

 頸椎の周囲には、筋肉や筋膜(筋肉を包む薄い膜)などの組織があり、それらが頸椎を支えて安定しています。しかし、悪い姿勢で血流が低下すると、首を支える筋肉がどんどん衰え、かたくなってしまうのです。
 首の場合、特に問題となるのが、後頭部の左右両側にある、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の三つの筋肉です。

 これらの筋肉は三角形を形成していますが、この中央部にあるすきまのことを後頭下三角と呼びます。ここには、脳につながる重要な血管や神経が通っています。
 しかし、悪い姿勢が続き、首の筋肉組織が硬化・癒着などの変化を起こすと、後頭下三角が狭くなり、そこを通る神経や血管が圧迫されてしまうのです。

後頭下三角の圧迫時の症状

 特に、後頭下三角を通る血管は、小脳や内耳に血液を供給するという重要な役割を持っています。
 そのため、後頭下三角が圧迫されると、次のような症状が出やすくなります。
●耳の症状:めまい、耳鳴り、難聴など
●目の症状:視力低下、眼精疲労、かすみ目、ドライアイなど
●その他の症状:頭痛、吐き気、倦怠感、疲労感など

 耳の症状に見舞われた場合、内耳に問題があると考え、耳鼻科に通う人がほとんどでしょう。しかし、いくら薬を飲んでも、治療を受け続けても、よくならないケースは珍しくありません。
 それもそのはず。そうしたケースに悩んでいる人は、根本的な原因が、首に潜んでいる可能性が高いといえます。
 つまり、首の筋肉を緩めて、後頭下三角を広げれば、耳鳴りやめまい、難聴などの耳の症状の改善につながるのです。

耳鳴りと難聴が軽快! 耳の手術も回避できた!

 しかし、前述した後頭下三角を形成する三つの筋肉は、皮膚の深層にあるので、指圧程度の刺激では、ほとんど緩めることができません。そのため、私の鍼灸院では、首への鍼治療を行っています。

 そして、それらの筋肉をほぐすセルフケアとして患者さんにお勧めしているのが、「あごの円回し」です。
 あごの円回しは、日常生活で手軽にできる簡単なストレッチですが、その効果は絶大です。

 この動きをすることで、首の筋肉を伸ばしたり縮めたりすることができ、カチカチにかたまった首の筋肉が緩みます。もちろん、深層にある後頭下三角を形成する三つの筋肉にも有効です。

 あごの円回しは、耳鳴りやめまい、難聴といった耳の症状はもちろん、首が原因による眼精疲労や頭痛、肩こりなど、さまざまな症状の改善にも役立つでしょう。

あごの円回しのやり方

「あごの円回し」で耳の病気が改善!

 これまで私は、たくさんの患者さんに、あごの円回しを勧めてきました。実際に、いくら病院に通ってもよくならなかった耳の病気が改善した、というケースは多くあります。一例をご紹介しましょう。

 Aさん(40代・女性)は、めまいに加えて、耳鳴りと難聴にも苦しんでいました。耳鼻科で診てもらったところ、「内耳の手術が必要」といわれたそうです。そこで私は、Aさんの首に鍼治療を施しつつ、あごの円回しを教えました。

 すると、Aさんのめまいはほぼ消失。さらに、耳鳴りと難聴も軽くなったのです。耳の手術が回避できたのは、鍼治療や、熱心に続けたあごの円回しの成果でしょう。
 首や肩のコリは、まさに首に異常が起こっているサインです。ぜひ、あごの円回しを日常生活に取り入れてください。

「あごの円回し」の体験談はコチラ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


起床時の「キーン」という耳鳴りが「昆布水」で改善し、高かった血圧も落ち着いた!

起床時の「キーン」という耳鳴りが「昆布水」で改善し、高かった血圧も落ち着いた!

病院での検査の結果、メニエール病と診断され、難聴になっていることもわかりました。めまいは、処方してもらった薬を飲んだら、なんとか治まりました。耳鳴りはその後も続きました。いちばん気になるのは、朝起きたときです。いつも耳の中で、キーンという音がしていました。【体験談】岩佐優(料理店経営・66歳)


傷口は治ったのに古傷が痛む…11円スリッパで腫れが引いて楽になった!

傷口は治ったのに古傷が痛む…11円スリッパで腫れが引いて楽になった!

十数年前に登山中に木の株に足を引っかけて転び、足の腫れと痛みに悩まされていました。11円スリッパをはき始めて3~4日たったころ、「左足のくるぶしの出っ張りが見える! 」と驚きました。というのも、ケガ以来、左の足首の腫れによって、くるぶしの外側の骨が見えなくなっていたからです。【体験談】土田喜代美(仮名・主婦・74歳)


まさに耳の三重苦…めまい・耳閉感・拍動性耳鳴りが「耳たぶさすり」で変化

まさに耳の三重苦…めまい・耳閉感・拍動性耳鳴りが「耳たぶさすり」で変化

耳鳴り、めまい、耳閉感、という「耳の三重苦」のような症状で、不快でつらい状態が続いていました。耳たぶさすりを一ヵ月くらい続けたところ、少しよくなってきたかな、と感じていました。気をよくした私は、さらに熱心に2~3ヵ月続けました。すると、見違えるような変化が現れたのです。【体験談】水川華代(仮名・主婦・70歳)


運動不足や食事が原因?頻繁に起こるめまいが「オクラ水」で改善した!

運動不足や食事が原因?頻繁に起こるめまいが「オクラ水」で改善した!

オクラ水を飲み始めて、1ヵ月ぐらい経ったころでしょうか。「あれ? 最近めまいが起こる頻度が減ってきたな」と気づきました。3ヵ月経った頃には、ほとんどといっていいほど、めまいが起こらなくなったのです。そういえば、以前より眠気を感じることがなくなり、ゴロゴロしている時間も減りました。【体験談】飯田大樹(大学院生・23歳)


高音の耳鳴りとクラクラめまいが「首コリ」をほぐすとたちまち大改善

高音の耳鳴りとクラクラめまいが「首コリ」をほぐすとたちまち大改善

私の首はガチガチにこっているというのです。首のコリが耳に悪い影響を与え、耳鳴りやめまいといった症状を引き起こすということでした。首ほぐしを毎日続けてから2週間ほど経ったときのことです。ふと「耳鳴りがしなくなってきたな」「そういえば最近、めまいが起こっていないな」と感じたのです。【体験談】笹本和雄(仮名・自営業・44歳)


最新の投稿


自律神経が整うと睡眠の質がよくなった!頭皮セラピーのリラックス効果

自律神経が整うと睡眠の質がよくなった!頭皮セラピーのリラックス効果

私の場合、いろいろなプログラムを受けた後、交感神経の数値は下がっても、副交感神経にはほとんど変化がありません。施術直後でこの状態なのですから、普段はもっと緊張しているのだと思います。施術を受けた後、あくびが何度も出たのは、交感神経の緊張が取れ、リラックスした証拠だと思います。【体験談】西野博子(仮名・主婦・53歳)


起床時の「キーン」という耳鳴りが「昆布水」で改善し、高かった血圧も落ち着いた!

起床時の「キーン」という耳鳴りが「昆布水」で改善し、高かった血圧も落ち着いた!

病院での検査の結果、メニエール病と診断され、難聴になっていることもわかりました。めまいは、処方してもらった薬を飲んだら、なんとか治まりました。耳鳴りはその後も続きました。いちばん気になるのは、朝起きたときです。いつも耳の中で、キーンという音がしていました。【体験談】岩佐優(料理店経営・66歳)


【脳の疲労を解消するコツ】睡眠時間は長すぎもNG!寝る姿勢はあおむけ?うつぶせ?

【脳の疲労を解消するコツ】睡眠時間は長すぎもNG!寝る姿勢はあおむけ?うつぶせ?

あまりに寝過ぎると、レム睡眠が急激に増え、ノンレム睡眠がほとんど起こらなくなります。睡眠中は、十分な酸素供給が行われないため、脳は酸素不足の状態です。そんな状態のところに、脳が活発に働くレム催眠が増えると、脳は疲労回復どころか、かえって疲労してしまいます。【解説】保坂隆(保坂サイコオンコロジー・クリニック院長)


夜間頻尿改善のために食べた「干しブドウ酢」トイレの回数が減って効果を実感

夜間頻尿改善のために食べた「干しブドウ酢」トイレの回数が減って効果を実感

効果はすぐに実感しました。食べ始めて2~3日で、夜のトイレの回数が2回に、1~2週間で1回に減ったのです。この変化には、自分でも驚きました。私は、毎朝職場で重機をチェックし、点検表をつけています。今は、老眼鏡を使うのは薄暗い曇りの日だけで、晴れた日は老眼鏡を使っていません。【体験談】佐藤徳雄(重機オペレーター・71歳)


歪んだ体を正す「正座あおむけ」でひざ痛が軽減!過剰な食欲も正常に

歪んだ体を正す「正座あおむけ」でひざ痛が軽減!過剰な食欲も正常に

15秒ですらきつかった姿勢の維持も、1分以上維持できるようになりました。徐々に、しかし確実に、体は変わっていきました。腰痛はすっかり消え、右ひざの痛みもいつの間にか消えていたのです。おなかの冷えからくる腰痛もなくなりました。【体験談】朝倉啓貴(派遣インストラクター・49歳)