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「耳の3点もみ」で耳鳴り、めまい、難聴の症状を改善!

「耳の3点もみ」で耳鳴り、めまい、難聴の症状を改善!

首や肩のコリは、耳の後ろと鎖骨を結ぶ、胸鎖乳突筋がこることで血流が悪化し、発症しやすくなります。胸鎖乳突筋がこると、耳がついている側頭骨周辺の筋肉もかたくなります。その結果、側頭骨と後頭骨の間を通る神経や血液の流れが悪化し、耳鳴りやめまいが起こりやすくなるのです。【解説】村山哲郎(戸塚鍼灸院院長)

耳のツボを刺激すると 耳の症状に顕著な効果

 耳鳴りやめまいに悩む患者さんを治療すると、首や肩がこっている人が圧倒的に多いことがわかります。
 首や肩のコリは、耳の後ろと鎖骨を結ぶ、胸鎖乳突筋がこることで血流が悪化し、発症しやすくなります。胸鎖乳突筋がこると、耳がついている側頭骨周辺の筋肉もかたくなります。

 その結果、側頭骨と後頭骨の間を通る神経や血液の流れが悪化し、耳鳴りやめまいが起こりやすくなるのです。
 東洋医学において、耳は、生命力をつかさどる腎と深い関係があります。腎の衰え(腎虚)は、老化に直結します。ですから、老化によって起こる耳鳴りや難聴なども、耳への刺激で腎が元気になれば、改善しやすくなるのです。

 私は30年ほど前から、耳のツボを刺激する耳鍼療法を治療に取り入れています。きっかけは、何をしてもよくならなかった、座骨神経痛の患者さんでした。その人に初めて耳鍼を併用したところ、うそのように、みるみる症状が改善したのです。

 以来、患者さんには、自分で耳をマッサージする「耳もみ」を勧めるようになりました。耳鍼ほどの即効性はないものの、安全かつ確実に効果を実感できる、優れた家庭療法です。
 耳には、全身のツボが縮図のように投影されています。耳もみは、全身の症状に対応していますが、特に耳に関連する症状に顕著な効果があります。

耳の3点もみのやり方

耳の血流やストレス、 首周りのコリを一挙改善

 そこで、今回お勧めしたいのが、私が考案した、耳鳴り・めまい・難聴によく効く「耳の3点もみ」です。
 やり方を説明しましょう。

1.下部のゾーン
 耳たぶを刺激します。親指と人差し指ではさんで、痛いところを探しながら、痛気持ちいい強さで30秒もみます。痛いところは、特によくもんでください。
 そして、斜め下方に30秒、気持ちよく感じる程度に引っぱります。強過ぎないよう、軽く引っぱるのがコツです。
 このゾーンは、内耳、側頭部、あごなど、耳鳴りやめまいに関係の深い部位にアプローチします。ここを刺激することで、各部位の血流の改善を促します。


2.上部のゾーン
 神門のツボを刺激します。ここを1と同様に30秒もみます。そして、斜め上方に30秒、気持ちよく感じる程度に軽く引っぱります。
 神門は、精神に関係するツボです。ストレスは、耳の病気を招く大きな原因の一つです。ここを刺激すれば、ストレス由来の不調の改善が期待できます。


3.中央のゾーン
 耳の穴の横を刺激します。ここを1と同様に30秒もみます。そして、真横に30秒、気持ちよく感じる程度に軽く引っぱります。
 ここを刺激すると、後頭下筋や胸鎖乳突筋といった、首や肩周りの筋肉が緩みます。それにより、首周辺の詰まりが取れ、血流が改善します。


 以上の1〜3を、両耳に行います。1日2〜3セットを目安に行ってください。
 1と2の順番は逆でもいいですが、最後は3で終えてください。最後に横に引っぱることで、全身のゆがみを調整しやすくなります。

 耳もみはいつ行ってもかまいませんが、耳鳴りやめまいは起床時に起こりやすいので、朝が効果的です。症状がある場合はその場で軽くなり、症状がない場合も、毎日続けることで予防効果が期待できます。
 首を軽く動かしたり、歩いたり足踏みしたりしながら行うと、後頭骨や側頭骨に適度な刺激が伝わり、より効果的です。

 1日1セットから始めてもかまいません。ぜひ、毎日続けてください。

解説者のプロフィール

耳もみを勧める村山先生

村山哲郎
岡山県生まれ。日本鍼灸理療専門学校卒業。操体法、カイロプラクティック、オステオパシー等の手技療法を習得。鍼灸治療、耳鍼を基本とした、様々なアプローチを行う。自宅でできるセルフケアを考案し患者に紹介している。

●戸塚鍼灸院
244-0003
横浜市戸塚区戸塚町120斉藤ビル3F
TEL 045-881-2854
http://okirakuseijin.cocolog-nifty.com/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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