テレビの砂嵐にも似た音が大音量で鳴り響く!
今から14年前のことです。ある朝、目を覚ましたとたん、驚きました。
まるで滝つぼの中にいるような、ザーッという音に包まれていたからです。
昔のアナログのテレビは、放送終了時に砂嵐のような画像と音が出たものですが、あの音が自分の周囲で鳴り続けていたのです。
それが、私と耳鳴りの、つきあいの始まりでした。
その当時の私は、さまざまなストレスから、おそらく、うつ状態に陥っていたのだと思います。
耳鳴りはうつから発生した症状の一つだったのでしょう。
しかし当時は、そうした自覚がなかったため、耳鼻科をはじめ、ほかの科も受診して、さまざまな検査を受けました。
それでも、医師からは「どこも悪くない」「原因不明」といわれるばかり。
いくつ病院を回っても治りませんでした。
砂嵐の音が耳もとで、大音量で流れているのですから、会話していても、相手の声が聞き取りにくくて困ります。
また、耳鳴りがあまりにうるさいため、夜も眠れません。
毎晩、睡眠導入剤と精神安定剤を服用し、強制的に眠りについていました。
実のところ、薬を飲んでもせいぜいウトウトする程度で、熟睡できたことはほとんどありませんでした。
首や肩のコリは先生が指圧しても凹まないほど
困り果てた私が頼ったのが、坂本均整施術所の、坂本実穂先生でした。
坂本先生には、以前から腰痛でお世話になっていましたが、耳鳴りは耳鼻科の領域と思っていたので相談するのが後回しになってしまったのです。
耳鳴り治療のために通い始めたのは、症状が出て半年ほどしてからだったと思います。
最初のうちは、坂本先生の施術を受けている間だけ、耳鳴りの音量が、わずかに小さくなりました。
短時間、気持ちよく眠れるというだけでも、私にとっては救いでした。
また、先生からは、首や肩のコリをほぐすセルフケアとして「わきもみ」と「首もみ」を教えてもらいました。
私の、首や肩のコリは、相当なものでした。常にガチガチで先生が指圧しても凹みません。
ひじで押してもらっても、ほとんど何も感じないほど、こり固まっていました。
施術してもらうと、一時的には心地よくほぐれるのですが、家に着くころには、もう肩がこってきます。
坂本先生によると、首や肩のコリを少しでもほぐすことが、耳鳴りの解消につながるとのこと。
それならと、自宅でも取り組むことにしました。
首や肩のコリがほぐれて耳鳴りも改善した!
私の場合、わきもみは、時間があるときに行うよう心がけました。
一方で、首もみを行うのは、入浴時です。湯船の中で、後頭部から首にかけての筋肉を、よくもみほぐします。
坂本先生のもとで施術を受けつつ、自分でも、わきもみや首もみを毎日続けました。
当初はわきをもむと猛烈な痛みがありましたが、そのうちに、痛さを感じなくなりました。
すると、首や肩のコリが和らぐのと並行して、耳鳴りの症状も徐々に改善してきたのです。
なにしろ私の耳鳴りは重症でしたから、一気に治ったわけではありません。薄紙をはぐように少しずつ、よくなっていきました。
昨日と今日とでは違いがわかりませんが、「先月と比べると、多少はいいかな?」といった感じでしょうか。
ハッキリと実感できるほどの効果が!
それでも根気よく続けていたところ、始めて2~3年後には、ハッキリと実感できるほど効果が現れました。
最もひどかったときのボリュームを10とすると、5くらいまで、砂嵐の音が小さくなったのです。
今は、さらによくなって、ボリュームは2くらい。
改善まで時間はかかっていますが、あのひどい耳鳴りが8割ほど軽減したのですから大きな変化です。
人と話をしていても、以前よりずっとよく聞き取れます。
耳鳴りによる不眠も解消し、薬を飲まずに眠りにつけるようになりました。
そういえば、コリがひどいときは、首が動かなくなるほど湿布を貼って寝たこともありましたが、今はその必要もなくなりました。
耳鳴りや難聴といった症状は、なかなか治らないと聞きます。
あのまま耳鼻科に通い続けても、私の耳鳴りがよくなることはきっとなかったでしょう。
病院では、首や肩のコリをほぐすことで耳鳴りがよくなるとは説明されませんし、そのためのセルフケアを指導されることも、なかったからです。
あのとき坂本先生に相談してよかったと、心から思います。
常態化した筋肉の緊張を効率よく刺激した(坂本均整施術所所長 坂本実穂)
角野さんの耳鳴りは、首や肩のコリが原因となるタイプの典型でした。おっしゃるとおり、ストレスや、男性更年期によるホルモン減少などもあり、ひどい筋肉の緊張が常態化して、耳鳴りを招いたのでしょう。私がわきをもむと、叫び声を上げるほど痛がっていました。
わきを前と後ろの両側からもむと、東洋医学の経絡的にも、西洋医学の血管や神経の流れといった面からも、症状の改善に重要な部位を効率よく刺激することができます。首もみも同様です。角野さんは、ご自身で念入りにわきもみや首もみを続けたのが功を奏しました。
「首に湿布を貼ることもない」と角野さん