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変形性股関節症を「ノルディックウォーキング」で改善!

変形性股関節症を「ノルディックウォーキング」で改善!

私は、変形性股関節症の患者さんたちに対して、股関節に過度な負荷をかけない生活を送りながら、痛みや歩行能力の改善を促す、保存療法に取り組んでいます。手術療法を否定するつもりはありませんが、必ずしも手術に頼らなくても、保存療法で股関節の機能を十分再建できると考えています。【解説】矢野英雄(富士温泉病院名誉院長)

疲れや痛みを感じず楽しく歩ける

 私は、変形性股関節症の患者さんたちに対して、股関節に過度な負荷をかけない生活を送りながら、痛みや歩行能力の改善を促す、保存療法に取り組んでいます。手術療法を否定するつもりはありませんが、必ずしも手術に頼らなくても、保存療法で股関節の機能を十分再建できると考えています。

 その保存療法の手段の一つとして「ノルディック・ウオーク」に注目し、約3年前から患者さんたちに指導しています。
 ノルディック・ウオークとは、スキーのストックに似た2本のポールを使って歩くウオーキング法のことで、近年は、スポーツやレジャーとして、一般の人々の間でも人気が高まっています。これまでの研究から、変形性股関節症を改善するリハビリテーションウオークとして、ノルディック・ウオークには以下の五つの効用が挙げられます。

・歩行姿勢が改善する。
・歩行速度が向上する。
・下肢(足)の筋肉の緊張が取れ、股関節の屈曲拘縮(関節が曲がったままの状態で固まること)が改善する。
・疲れずに楽しく、多く歩けるようになることで気分が高揚し、生活意欲も高まる。
・転倒やつまずきの危険が少ない安全なトレーニング方法となり、ポールさえあれば自宅の近所で手軽にできるので、コストパフォーマンス(費用対効果)の高い健康増進となる。

 杖は、体を支えて歩くための道具なので、必然的に前かがみの姿勢になりますが、ノルディック・ウオークのポールは、杖ではありません。両手にポールを持って立つだけで、おのずと背骨や腰が伸びた起立姿勢が取れます。そして、ポールをつきながら歩くことで、上半身も含めて体全体を使った、リズミカルな歩行が可能になります。

歩行中のバランスの取り方や重心移動もスムーズになり、歩行姿勢が改善するのです。
そして、歩行姿勢が安定し、自然と前足を大きく踏み出せるようになる結果、歩幅が広くなり、歩行速度も速くなります。

清里高原 ノルディック・ウオーク旅行

変形性股関節症の予防や改善に有効

 私が特に評価しているのは、精神面への効果です。変形性股関節症は、40~50代の女性に多く発症します。自身の更年期や親の介護、また家族の世話などで、心労が多く多忙な年代に、股関節の痛みから外出や仕事もままならない不安が続く精神的ストレスは、想像を絶するものがあります。
 そうした「心の痛み」が体の痛みをも増幅させ、筋肉や神経の疲労を招き、股関節や骨の損傷を進行させている一面もあります。

 ノルディック・ウオークは、あまり疲れや痛みを感じずに、自力で楽しく歩ける喜びを与えてくれます。心と体の痛みが癒え、ポールを使用することで全身を正しく使って歩く訓練が自然にできるので、股関節の症状も回復に向かうのです。

 以上のことから、ノルディック・ウオークは、変形性股関節症の予防や改善に大変有用ではありますが、どれくらいの頻度や時間で行うか、という適正な運動量は、一人一人の体の状態や症状によって異なります。
 股関節に痛みと過剰な負荷を与えないよう、きちんと自己管理をしながら、生活に取り入れていただきたいと思います。

解説者のプロフィール

矢野英雄(富士温泉病院名誉院長)

●富士温泉病院
山梨県笛吹市春日居町小松1177
[TEL]0553-26-3331
http://fujionsen.jp/

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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