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便秘解消!便秘薬が効かない人にお勧め「耳ヨガ」のやり方

便秘解消!便秘薬が効かない人にお勧め「耳ヨガ」のやり方

私のヨガ教室では、ヨガ中でも、トイレは我慢せずに行っていいですよとお伝えしています。ヨガをすると詰まりが解消されることが多いからです。私が必ずメニューに取り入れているのが耳ヨガです。便秘解消の効果も高いので是非役立ててください。【解説】薄 久美子(ハーモニースペースdeヨガ主宰・ビジョンヨガインストラクター)

腸の働きを整え、便通を促す働きがある「耳ヨガ」

自律神経の働きを整え老廃物の排出を促す

 私のヨガ教室では、ヨガ中でも、トイレは我慢せずに行っていいですよとお伝えしています。というのも、ヨガをすると詰まりが解消されることが多いからです。

 ヨガといっても、今回お勧めする「ビジョンヨガ」は、無理のない動きで、どなたにでも実践できます。このヨガの特徴は、呼吸法を活用しながら、「ちょっと痛いけど、刺激すると気持ちいい」と感じるくらいの強さでほぐすことです。
 呼吸に合わせて、体を丁寧にほぐしていくと神経が鎮まり、頭の緊張が解かれて脳がリラックスします。それとともに、全身の血液循環がよくなり、内臓の動きもよくなりますから、腸のぜん動運動も活発になります。

 ですから、それまで腸の調子が悪くて便秘ぎみだった人でも、教室でヨガをしている最中、おなかがグルグルと自然に動き出し、便意を催すということもあるのです。生徒さんの中には、1時間半の教室の間に3回もトイレに行ったかたもいたほどです。
 ビジョンヨガには、多様な動きのポーズがありますが、その1つとして、私が必ずメニューに取り入れているのが、耳を引っ張りながら耳のかたくて気持ちいいところをほぐしていく、「ファイヤー」という耳ヨガです。

 この耳ヨガには、腸の働きを整え、便通を促す働きがあります。耳ヨガによって、耳に適度の刺激を与えると、自律神経の働きを整える効果があります。自律神経は、内臓などの働きも調整していますから、腸の動きもよくなり、老廃物の排出も促されます。このため、便秘解消の効果も高いと思われます。

 耳ヨガのやり方はとても簡単です。親指と人差し指で耳をつまんで、息を吐きながらギュッと引っ張るだけです。
 

耳ヨガのやり方

耳ヨガで便秘を解消した例

 では、実際に、耳ヨガで便秘を解消した例をご紹介します。

 まず1人めは、40歳代の女性です。このかたは数ヵ月間、排便の際に便が出切らないような感覚に悩まされていました。彼女は頻繁に教室に来られてはいませんでしたが、家でもできるのが耳ヨガのよいところ。
 思い出して自宅で耳ヨガを試すと便意を催して、次の排便時から、出切らない感覚のあった便がスルリと出るようになって残便感が解消。快便に戻ったといいます。

 2人めも、40歳代の女性。このかたは、ふだんから便通はいいのですが、仕事で出張しホテルに泊まったりすると、決まって便秘になり困っていました。
 そこで、宿泊先で耳ヨガをするようアドバイスしました。実際に試したところ、いつもなら便秘に苦しむはずが、スルスルとお通じがあったといいます。

 3人めは、30歳代の女性です。私のヨガ教室に通う以前は、かなり重度の冷え症。生理痛も重く、ひどい便秘に苦しんでいました。下剤がないと便通がない状態だったそうです。
 ところが、私のヨガ教室に通うようになってからは、冷え症が解消し、顔色がみるみるよくなりました。そして、ひどい便秘がすっかりよくなり、薬がなくても便通があるようになったのです。教室が終った翌日、「便通がありました」とメールが届くようになりました。

旅行中に耳ヨガを 行うと朝にお通じ!

 また、私自身も、耳ヨガを活用しています。ふだんの便通には全く問題ありませんが、枕が替わると、やはり、私も便秘ぎみになる傾向があります。そこで、旅行に出かけた折などは、必ず寝る前と寝起きに耳ヨガを行うようにしています。これだけで、朝にはスムーズにお通じがあるのです。

 私の例や体験例を見てもわかるとおり、耳ヨガには即効性があります。非常に使い勝手がいい方法だと実感しています。また、耳ヨガには、腸の働きを整えて便通を促す効果のほかにも、多くの健康効果が期待できます。例えば、冷えや生理痛、イライラなどを解消できますし、物忘れ予防にも役立ちます。また、不妊で悩んでいるかたにもお勧めできます。

 耳ヨガはとても簡単で、いつでもどこでも実践できますから、便秘解消だけでなく、さまざまな健康増進に役立ててください。

解説者のプロフィール

薄 久美子
ビジョンヨガ認定インストラクター資格を取得後、2005年にハーモニースペースdeヨガを立ち上げる。東京、大阪を中心にヨガ教室を開催。著書に『いたきもヨガダイエット』(KKベストセラーズ)。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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