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ひざ痛、 腰痛の原因は「浮き指」かも? チェックの方法と改善のポイント

ひざ痛、 腰痛の原因は「浮き指」かも? チェックの方法と改善のポイント

歩くとひざが痛くなる、腰が重くなる、どっと疲れが出る。私なら、まず「浮き指」を疑います。詳しく調査した結果、現代日本人男性の6割、女性の7割が浮き指であることがわかったのです。浮き指とは、文字どおり「足の指が浮いている」状態を指します。【解説】阿久根英昭(桜美林大学健康福祉学群教授)

解説者のプロフィール

阿久根英昭(あくね・ひであき)
桜美林大学健康福祉学群教授。足と健康について長年研究を重ねる、足のスペシャリスト。土踏まずや足指の機能低下が病気を引き起こしているという観点から、「足力」を向上させるさまざまな健康法を考案・提唱。その劇的な効果から「阿久根マジック」と呼ばれ話題を呼んでいる。『世界一受けたい授業』などテレビ出演や、『足力(あしりょく)』(スキージャーナル社)など著書も多数。

日本人女性の7割男性の6割が浮き指

歩くとひざが痛くなる、腰が重くなる、どっと疲れが出る。病院や治療院に行ってもなかなか治らない。結局は年のせいか。しばらく家でおとなしくしていよう──。

こんなケース、意外と多いのです。痛みや症状のせいで気力までも失うことになり、せっかくのシニア生活が満喫できないなんて、本当にもったいないと思います。

もし私なら、まず「浮き指」を疑います。浮き指とは、文字どおり「足の指が浮いている」状態を指します。

浮き指の人は、立っているときに、床に足の指が触れていないか、触れていてもほとんど力が入っていない状態です。「え?足の指が床に着いていない?そんな人は特別でしょ」と思う人もいるかもしれません。30年近く「足と健康」の関係について研究を重ねてきた私も、最初はそう思っていました。

浮き指の問題に直面したのは、4年前です。ある幼稚園の園児の足を調べたところ、約9割の園児に浮き指の兆候があったのです。それ以降、詳しく調査した結果、現代日本人男性の6割、女性の7割が浮き指であることがわかったのです。

最近、私が『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)で、何人かの芸能人の足を調べたところ、ほとんどの人が浮き指。なかでも、オリンピック代表選手の足が浮き指だったことで、スタジオ中が騒然となりました。

男性にも浮き指は多い。

浮き指とは

浮き指の原因はいくつか考えられますが、一つは、足の指を使わないことによる「足底筋(足の裏の筋肉)の衰え」です。

もう一つは、「かかと重心・足の外側接地」です。足底筋が衰えると姿勢が不安定になるため、かかとや足の外側で重心を取ろうとします。それが、歩行時のけり出しを弱め、足指の機能をさらに低下させるのです。

そしてもう一つ、靴の影響があります。特に、先が細いデザインや、ヒールがある靴は、靴に押されて指が浮き上がりやすいといえるでしょう。

本来、正しい立ち方は、①足指、②足指の付け根、③かかと、の3点で重心を取るものです。ところが浮き指の場合、足指がまったく機能していないので2点重心になります。

安定した3点歩行。正常な重心。足指まで力が加わっているのがわかる(足底圧器による計測)。

不安定な2点歩行。かかと重心。浮き指の足底圧画像では足指に力が入っていないのがわかる。

浮き指が進行すると

不安定な状態は、かかと重心や足の外側接地を深刻にします。すると、体は無意識のうちに、後ろに転ばないよう、顔や肩を前に出してバランスを取るようになり、ネコ背やO脚になっていくのです。

冒頭の、「歩くとひざが痛くなる」「腰が重くなる」「どっと疲れが出る」は、まさにこれまで説明したような機序で、症状が現れているケースといえるのです。

とはいえ、浮き指は自覚症状がないので、なかなか自分では気付きません。そこで、私が考案した自己チェック法をご紹介します。

かかと重心になる。→ネコ背、外側接地(ガニ股)で歩くようになる。→ひざ痛や腰痛、股関節痛が現れる。

割りばしを使う自己チェック法

まず、割りばしを用意します。割りばしを割り、十字に組んで、輪ゴムで固定します。
縦軸の一方はかかとへ、横軸は、親指と小指の根元にある膨らみにそれぞれ合わせます。当てたとき、足の指と、割りばしのすき間が1cm以上あったら浮き指です。

理想的な歩き方 「あおり歩行」

しかし、安心してください。浮き指は、自分で改善することができます。

お勧めは、「足指じゃんけん」です。足の指を、グー、チョキ、パーの形にして、よく動かします。グー、チョキ、パーを1セットとして、10セット。これを1日2回程度行えばいいでしょう。チョキをすると足がつりそうだという人は、グーとパーだけでもOKです。

「歩き方」でも、浮き指は改善します。理想的な歩き方を「あおり歩行」といい、かかとの外側、小指の付け根、親指の付け根の順番で接地し、けり出すさいに、親指、人さし指、中指を使うという歩き方です。

「靴の選び方」も重要です。きつ過ぎず、ゆる過ぎない自分の足にあったサイズと形。さらに、靴底が薄いほうが地面に接している感覚があって、足指を使えるでしょう。私は、親指の部分が分かれた、底の薄いスニーカーを愛用しています。もちろん、5本指の靴下もはいています。

しかし、浮き指の改善にいちばん理想的な履物は、「草履」です。足の親指と人さし指で鼻緒をつかもうとするので、足の指全体に力が入り、「足指力」が高まるのです。

このように、足指をしっかり使った歩き方は、痛みや症状を改善するだけでなく、若々しさを保つ源泉になるはずです。

阿久根先生が愛用する、親指部分が分かれたスニーカー

86歳でもつえなしで歩けるようになった!

足の指を鍛えて、浮き指が改善されれば、体のバランスも整って、歩きやすくなるだけでなく、痛みやこりなどの不調の改善にも役立ちます。

実例をご紹介しましょう。
86歳の私の母は、以前はつえをつき、すり足で歩いていました。しかし、このエクササイズを1ヵ月半続けたところ、つえなしでも速く歩けるようになりました。歩幅も広くなっています。

また、ある理学療法士のかたは、自分の担当する高齢の女性が、数ヵ月のリハビリでも効果が現れないことに悩んでいました。くも膜下出血を発症後、マヒが残り、歩けなくなっていたのです。

そんなとき、私の出演したテレビ番組を見て、足の指のエクササイズをリハビリに取り入れました。その結果、動かなかった彼女の足の指は、1ヵ月ほどで動くように。その後は歩行訓練も順調に進み、現在は補助なしでも数歩は歩けるまでに回復したそうです。

小さなお子さんやお孫さんがいるかたは、将来の健康のためにも、ぜひこのエクササイズをやってもらいましょう。最近の子どもは、生まれたときから足の指をあまり使わない生活をしているため、足の指の機能がうまく育たず、土踏まずもない子どもが多いからです。

日本には「足が地に着く」という言葉があります。気持ちがしっかり安定しており、落ち着いている、といった意味で使われる言葉ですが、現代人の健康を取り戻すためには、浮き指を改善し、健康的な足の指を取り戻して、言葉のとおり「足を地に着ける」ことが必要だと、私は考えています。

ぜひ今日から、自分の足の指に意識を向け、「足を地に着けた」生活を送ってください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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