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整形外科医が考案!反らすと痛い腰痛が治る体操のやり方

整形外科医が考案!反らすと痛い腰痛が治る体操のやり方

ジャックナイフストレッチは、腰を反らせたときに痛い、という腰痛症状の対処にお勧めです。一方、前屈したときに腰が痛い人や、明らかにヘルニアのある人は、悪化する恐れがありますから、やらないでください。【解説】西良浩一(帝京大学医学部附属溝口病院 整形外科准教授)

ハムストリングス(太ももの後ろの筋肉)が硬いと腰痛になりやすい

 太ももの後ろの筋肉をハムストリングスといい、この筋肉が硬いことを、タイトハムといいます。
 
 タイトハムの人は、間違いなく腰痛になりやすい。これは昔から、整形外科では定説です。

 実際、腰痛がある人とない人では、ハムストリングスの硬さが違います。ですから、ハムストリングスを柔らかくすれば腰痛が改善することは、昔からわかっていました。

 子どもたちも例外ではありません。私はスポーツ外来でたくさんの子どもたちの腰痛を診ていますが、彼らに共通しているのは体が硬いことです。

 なかでも、ハムストリングスが硬い子どもが非常に多いのです。そのため、スポーツや日常の遊びでケガをしやすく、疲労骨折の原因にもなります。

 しかし、これまでハムストリングスを柔らかくする有効なストレッチはなく、よく行われる柔軟運動は、きついわりには、ハムストリングスをほぐす効果はそれほど高くありません。

 ところが、「ジャックナイフストレッチ」なら、いとも簡単にハムストリングスがゆるみ、体が柔軟になることがわかりました。

体の硬い人が前屈を行った状態

体を柔らくする即効性がある!

 ジャックナイフストレッチは、しゃがんだ姿勢で胸と太ももをピッタリつけ、その姿勢からゆっくりひざを伸ばしていくストレッチです(詳しいやり方は下記参照)。

 このストレッチを知ったのは、あるサッカー少年の疲労骨折がきっかけでした。
 彼は腰椎分離症(腰の部分の背骨である腰椎の一部が離れている状態)で治療し、ようやく治って、大好きなサッカーを再開したとたん、またもや再発を起こしてしまいました。

 腰椎分離症は疲労骨折ですから、体が硬いまま運動を再開したら、再発するのは当然の結果でした。

 少年の父親にそのように話すと、父親はインターネットで体を柔軟にする方法を探し、このストレッチを見つけたのです。少年は3週間で、見違えるほど体が柔らかくなりました。

 そのストレッチの最終形がジャックナイフ(折りたたみ式ナイフ)に似ていることから、私が命名しましたが、誰がこのストレッチを考案したのかはわかりません。

 ジャックナイフストレッチは、その場で体を柔らかくする即効性があります。体が硬い人でも、3週間も続ければ、前屈したときに手のひらがベタッと着くようになります。

 8名の成人を対象にその効果を調べたところ、4週間で平均22㎝の改善が見られました。

腰椎分離症の予防と改善に有効

 ジャックナイフストレッチを行って、ハムストリングスが柔らかくなると、腰椎分離症の再発を防止できますし、その他の腰痛も予防します。

 実際、私は子どもたちに、手が床にぴったり着くようになった段階で運動を許可していますが、再発を防げています。

 ジャックナイフストレッチの特徴は、股関節を曲げたままの状態で、ひざを伸ばすことです。前屈運動は、ひざを伸ばしたまま股関節を曲げる運動ですから、それとはまったく逆の発想です。

 では、なぜジャックナイフストレッチで、腰痛が改善するのでしょうか。

 ハムストリングスは、ひざの少し下から始まり、ひざと股関節を通って骨盤に付着している2関節筋です。ですから、ハムストリングスが硬いと、骨盤がハムストリングスに引っ張られて回転しにくくなります。
 上の写真は、タイトハムの人が前屈をするとき、腰から上体を曲げようとしているのを模倣したものです。このやり方では、腰の負担が大きくなります。

 ハムストリングスと拮抗関係にあるのが、太もものの前側にある大腿四頭筋です。ひざを伸ばすとき、前面の大腿四頭筋が収縮し、後ろにあるハムストリングスがゆるみます。

 ジャックナイフストレッチは、この二つの筋肉の相反抑制反射(曲げ伸ばしをするときに拮抗筋がゆるんで動作をしやすくする反射)を利用しています。股関節を曲げたままひざを伸ばしていくと、大腿四頭筋が収縮します。すると、拮抗筋であるハムストリングスは、その反射で自然にゆるむため、伸ばしやすくなるのです。

ハムストリングスをほぐして腰痛が改善する

 このように、筋肉の反射でハムストリングスがゆるむと、前屈運動のように無理な負担がかかりません。ですから、らくにストレッチができるのです。

 ハムストリングスがほぐれると、骨盤にかかっていたロックが解除されて骨盤が解放され、腰が動きやすくなります。その結果、腰への負担が減り、腰痛が改善すると考えられます。

 ジャックナイフストレッチは、腰を反らせたときに痛い腰痛の人にお勧めです。

 一方、前屈したときに腰が痛い人や、明らかにヘルニアのある人は、悪化する恐れがありますから、やらないでください。

 しかしその場合、寝ながらできるタイトハム改善のストレッチをお勧めします。ジャックナイフストレッチほどの即時効果はないものの、腰に負担をかけずにハムストリングスをほぐせます。

「ジャックナイフストレッチ」のやり方

※1~3を5回くり返す。朝晩2回行う。

寝ながら行うストレッチのやり方

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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