MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【疲れやすい】原因は肝臓 脂肪肝を予防する「温肝湿布」のやり方

【疲れやすい】原因は肝臓 脂肪肝を予防する「温肝湿布」のやり方

私は長年、ガンの免疫療法の研究に携わってきました。その活動を通じて、健康維持のためにとても重要だと認識するようになったのが、肝臓の状態を良好に保つことです。今の日本には脂肪肝の人が多く、サラリーマンの約7割程度に、脂肪肝の傾向があるともいわれます。【解説】阿部博幸(アベ・腫瘍内科・クリニック理事長)

温肝湿布を愛用する阿部先生

肝臓が健康な人ほど 生き生きしている

 私は長年、ガンの免疫療法(自己治癒力を高めて病気を治す方法)の研究に携わってきました。
 その活動を通じて、健康維持のためにとても重要だと認識するようになったのが、肝臓の状態を良好に保つことです。

 拙著『人生の幸せは肝臓で決まる』(青萠堂)でも書きましたが、肝臓が健康な人ほど、体全体に不調が少なく、生き生きしているというのが、医師としての実感です。
 それというのも、肝臓は代謝、解毒、胆汁の生成・分泌といった、人体にとって非常に重要な役割をいくつも担っています。肝臓の健康状態が悪化し、機能低下すれば、これらの役割がうまく果たせなくなるわけですから、体のあちこちに弊害が出て当然なのです。

 肝臓の健康状態を悪化させる主な要因は、暴飲暴食です。
 肝臓ではアルコールの分解や脂肪分の処理が行われますが、その処理能力が追いつかなくなるほどアルコールや脂肪分を摂取すると、肝臓がダメージを受けてしまいます。

 アルコールを分解するさいには、アセドアルデヒドという有害物質が生成されます。「アルコールに強い・弱い」は、アセドアルデヒドの分解能力の高低によって決まるのです。
 お酒を飲んで吐き気やめまいがしたら、それは分解されなかったアセドアルデヒドが引き起こした症状だと考えてください。吐き気やめまいの症状が出るということは、明らかに肝臓に負担がかかっている証拠。

 また、肝臓の処理能力を超える脂肪を摂取した場合は、処理しきれなかった脂肪が、肝臓に蓄積されることになります。
 それが続くと、いわゆる脂肪肝と化し、肥満しやすい体質になってしまいます。今の日本には脂肪肝の人が多く、サラリーマンの約7割程度に、脂肪肝の傾向があるともいわれます。

 脂肪肝が進行すると、肝硬変やウイルス性肝炎、慢性肝炎、さらには肝臓ガンなどを発症しかねないため、なんとしても進行を食い止めなければなりません。

肝臓があたたまる「温肝湿布」のやり方

肝臓(右の肋骨の下)部分に服の上から使い捨てカイロ(はるタイプ)などを当てて、じっくり温めるだけ。
30分程度を目安とする。温める時間は、夜寝る1~2時間前がお勧め。
※低温ヤケドには注意をすること。

寝る1〜2時間前に 温めるのがお勧め

 睡眠不足や運動不足によっても肝臓の機能は損なわれるため、食事のみならず、生活習慣全般に注意を払いましょう。

 また、ストレスによって交感神経(心拍数や血圧を上げるなど全身の活動力を高める神経)が優位になり、肝臓に流れ込む血液量が減ることも、機能低下の一因になります。

 通常、肝臓には1分間につき約1・5Lの血液が流れ、体中の血液量の約50%が集まっています。それは、エネルギーのもとになる栄養分を代謝するために、血液が必要だからです。
 血液量が減ると、必然的に代謝が悪くなり、体脂肪がたまりやすくなります。そればかりでなく、冷え症や便秘になる可能性も高くなるでしょう。

 さらに、肝臓の機能低下は、アンモニア(疲労のもとになる物質)などの有害物質を解毒する力を弱めてしまいます。
 結果、常に体がだるく感じられたり、疲れやすくなったり、睡眠の質が低下したり、二日酔いがひどくなったりと、ありとあらゆる不快な症状が出やすくなるのです。

 こうした状況に陥らないためには、前述のとおり生活習慣に注意することが大切ですが、それと同時並行で取り組んでいただきたいのが、「温肝湿布」です。

 方法は簡単。肝臓(右の肋骨の下)部分に、服の上からはるタイプの使い捨てカイロなどを当てて、じっくり温めるだけです。
 長過ぎると肝臓が疲れてしまう場合があるので、30分程度を目安としてください。
 カイロなどで温めると、肝臓の血行がよくなり、低下した機能の改善が見込めます。
 例えば、やせやすくなったり、疲れが取れたり、便秘が解消されたりといった効果も、十分期待できるでしょう。
 温める時間は、夜寝る1〜2時間前がお勧め。肝臓の解毒は夜寝ている間に行われるため、寝る前にするとよいでしょう。

 私自身も温肝湿布をしますが、体調がよくなるばかりでなく、リラックス効果も高いと感じています。おかげで、よく眠れるようにもなりました。
 毎日ではなく、2日行ったら1日お休みするペースでも十分なので、気負わず日々の習慣として取り入れてみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連するキーワード
関連記事
症状の原因ははっきりとはわかりませんが人工透析を行う人には老若男女問わずよく現れるものです。これに薬で対応しようとすると体にもっと大きな負担がかかってしまいますし、副作用も心配です。少しでも患者さんの体に負担をかけずに症状をやわらげるのに「手のひら押し」が有効だと思っています。【解説】佐藤孝彦(浦安駅前クリニック院長)
更新: 2019-04-05 10:20:35
東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)
更新: 2019-04-05 10:21:05
手のひら押しのよいところは、いつでもどこでも自分でできて、効果がその場でわかることです。悪いところは手のひらに表れており、そこを押せば、その刺激が手から末梢神経を通り、脊椎を介して、対応する器官や臓器に届きます。それが、全身の回復につながります。【解説】足利仁(手のひらデトックス協会代表理事)
更新: 2019-01-29 18:00:00
2018年3月、腰椎椎間板ヘルニアの症状を注射により軽減する、日本発で世界初の薬剤がついに承認されました。5月には保険適用となり、8月から学会指導医のいる病院で治療を受けられるようになったのです。その薬が「コンドリアーゼ」です。【解説】松山幸弘(浜松医科大学整形外科学教授)【取材】山本太郎(医療ジャーナリスト)
更新: 2019-05-08 13:48:43
テレビでは飲料水メーカー各社によるアスリートを起用した炭酸水のCMがさかんに流れています。この夏にはNHKの『あさイチ』でも炭酸水の特集が組まれ話題沸騰。炭酸水はいまや一大ブームなのです。消費者の健康志向や自然志向がより高まったことで、支持を集めているのでしょう。【レポート】土橋彩梨紗(美容健康ジャーナリスト)
更新: 2019-01-22 18:00:00
最新記事
私は、これまで40年以上、タマネギをはじめとする、ネギ属の機能性成分を研究してきました。そこでタマネギには、確かに血液をサラサラにする働きがあるということが明らかになったのです。【解説】西村弘行(北翔大学・北翔大学短期大学部学長/東海大学名誉教授)
更新: 2019-05-22 18:00:00
見たいものにピントを合わせる「目の調節力」は25歳を過ぎる頃からどんどん低下し、30代後半から近くが見えづらくなる老眼になってきます。目の疲れや調節力の低下を改善するためにお勧めなのが、目の周囲を温める「温熱療法」です。私は、温熱療法の効果を多くの実験で確認しています。【解説】高橋洋子(みたにアイクリニック院長)
更新: 2019-05-21 18:00:00
「脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」などの改善のために行われる従来の脊椎手術は体への負担が大きく、後遺症が生じることもあります。そうした中、後遺症をほとんど残さない、新たな手術法が注目されています。【解説】白石健(東京歯科大学市川総合病院整形外科教授)【取材】山本太郎(医療ジャーナリスト)
更新: 2019-05-20 18:00:00
頭痛、肩こり、腰痛、生理痛、耳鳴り、めまい、うつ、眼瞼けいれん、味覚障害、高血圧、逆流性食道炎──。一見、脈絡なく感じられるこれらの症状は、実は「食いしばり」が元凶となって起こっているという共通点があります。患者さんたちに、私は「10秒、口を開けるくせをつけてください」とアドバイスをしています。【解説】吉野敏明(誠敬会クリニック銀座院長)
更新: 2019-05-19 18:00:00
慢性的なひざ痛の原因はさまざまですが、なかなか完治しにくい上、少し無理をすると痛みがぶり返すので、かなり厄介です。今回ご紹介する「ひざと足の裏の温冷・温温湿布」は、慢性的なひざ痛に対して、自宅で簡単に痛みを解消することができる方法です。【解説】岡田明三(神宮前鍼療所院長)
更新: 2019-05-18 18:00:00

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt