医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営

睡眠時無呼吸症候群の症状を改善する「足首たたき」のやり方

睡眠時無呼吸症候群の症状を改善する「足首たたき」のやり方

私は、寝たままでふくらはぎの筋肉を刺激して、全身の血液の循環をよくする「足首たたき」を患者さんにお勧めしています。健康の第一条件は、血液循環をよくすることです。【解説】吹野治(ふきのクリニック院長)


ふくらはぎの筋肉のポンプ作用が活発になる

 私は、寝たままでふくらはぎの筋肉を刺激して、全身の血液の循環をよくする「足首たたき」を患者さんにお勧めしています。

 健康の第一条件は、血液循環をよくすることです。私たちの体の細胞1つひとつに、栄養や酸素を運んでいるのは血液です。
 ですから、その血液の循環が悪くなると、細胞は健康を保つことができず、体にいろんな障害が起こってきます。血流の悪さは万病の元といっても過言ではないのです。

 そして、血液循環をよくするうえで重要な役割を果たすのが、ふくらはぎです。
 心臓から流れ出た血液は、動脈を通って細胞に酸素と栄養を供給し、二酸化炭素や老廃物を受け取ったあと、静脈を通って心臓に戻ります。

 ところが、2本足で生活している人間は、足から心臓まで高低差があるため、足先の血液が重力に逆らって心臓に戻るのは容易なことではありません。
 そこで、ふくらはぎの筋肉が伸び縮みしてポンプのように働き、血液の還流を助けているのです。ふくらはぎの筋肉のポンプ作用を働かせるには、運動して筋肉を伸縮させる必要があります。
 とはいえ、お年寄りや、ひざ・腰に痛みのある人は、ウォーキングなどの運動は困難です。

 そこで私がお勧めしているのが、寝たままで、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用を効率よく働かせることができる「足首たたき」です。

ひざや腰に痛みがある人も寝たまま楽にできる

 足首たたきは、自然療法研究家の稲垣多美作先生が考案し、西会(故・西勝造氏が確立した西式健康法を研究・実践している団体)が普及させている運動法です。西会では、「足首の上下運動」と呼んでいます。
 負荷が少ないため、腰やひざに痛みのあるために運動をしづらい人でも楽に行うことができます。
 また、あおむけに寝た姿勢で行うため、心臓と足の高低差がなくなり、立って行う運動よりも効率よく血液を心臓に戻すことができます。

足首たたき

 やり方を説明しましょう。
 まず、大きめのバスタオルをきつく巻いて、棒(バスタオル棒)を作ってください。

バスタオル棒の作り方

足首たたきのやり方

 次に、あおむけに寝てバスタオル棒に両足を乗せます。
 そして、片足ずつ棒に足首を打ちつけるようにストン、ストンと落とします。

 足首が棒に当たる瞬間は速度を落とさず、力を抜いて下まで落としきってください。
そうすることで、足を落とした勢いで自然に足先が伸びてアキレス腱が縮みます。

 再び足を上げると、足先が自然に上を向いてアキレス腱が伸びます。
同時にふくらはぎの筋肉が伸展し、ポンプ作用が働いて血液循環がよくなります。

 片足10〜25回ずつを1セットとして、5〜10セットずつを目安に、1日2〜3回行うとよいでしょう。
食後すぐは避け、空腹時に行ってください。

睡眠時無呼吸の補助器が不要になった

 私は毎朝、柔軟体操を行った後、足首たたきを3〜4分やっています。時間がある日は夕食前にも行います。
 足首たたきで血液の循環をよくしているおかげで、毎日元気に診療ができています。お通じは1日1〜2回必ずありますし、運動不足の解消や気分転換に、とても役立っています。

 足首たたきは、足のむくみやだるさ、冷え症、こむら返り、下肢静脈瘤、ひざ痛など、足の症状には著しい効果があります。
 それにとどまらず、全身の血流がよくなるので、便秘や前立腺肥大、高血圧や心臓病、耳鳴り、めまい、うつ、パニック障害などにも効果が期待できます。

 最近では、こんな例がありました。
 睡眠時無呼吸症候群による眠気と集中力の低下、抑うつの症状を訴えて来院した28歳の男性Kさんは、西式の食事や運動療法とともに足首たたきを熱心に行いました。
 その結果、2カ月後には、睡眠時につける呼吸の補助器が不要になり、体も軽くなって、表情もたいへん明るくなりました。
 Kさんのように、食事に気をつけて足首たたきに取り組めば、きれいな血液が体中を巡るので、体はどんどん健康になるはずです。

 皆さんも、寝ながら簡単にできる足首たたきを、ぜひ日常生活に取り入れてください。

解説者のプロフィール

吹野 治
1975年、鳥取大学医学部卒業。九州大学心療内科、国立療養所鳥取病院医長、(財)生活環境問題研究所附属健康の森内科診療所長などを経て、2008年、ふきのクリニック(大阪府藤井寺市)を開設。現代医学に漢方、食事療法、心理療法、西式健康法(甲田療法)などを取り入れ、自然治癒力の向上を目指した統合医療(ホリスティック医療)を行っている。

●ふきのクリニック
大阪府藤井寺市北岡1-8-36
[TEL]
http://www.fukino.net/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


立っていられない重度めまいに「耳の穴もみ」が効果!気持ちも血圧も安定した

立っていられない重度めまいに「耳の穴もみ」が効果!気持ちも血圧も安定した

5~6年前から、ときどき軽いめまいが起こるようになりました。3月のある日、それまでにない強いめまいが起こりました。「これはちょっと違う」と血圧計を引っ張り出して測ってみたところ、最大血圧が165mmHg、最小血圧も105mmHgもあったのです。【体験談】佐川佳那子(仮名・主婦・62歳)


「呼吸」で簡単に内臓マッサージ!体内のゴミ「エントロピー」を排出する効果

「呼吸」で簡単に内臓マッサージ!体内のゴミ「エントロピー」を排出する効果

皆さんは、1日のうちに私たちが何回呼吸しているかご存じでしょうか。1日、およそ2万回になります。ふだんは無意識に行っているこの2万回の呼吸のうち、例えば、100回をちょっと意識して行うだけで、体が変わってきます。【解説】帯津良一(帯津三敬病院名誉院長)


頭皮の状態はゆるゆる? カチカチ? ほぐして脳疲労を取る「頭皮セラピー」とは

頭皮の状態はゆるゆる? カチカチ? ほぐして脳疲労を取る「頭皮セラピー」とは

ストレスがたまったり、体調を崩したりすると、頭は体からのサインを受け取れなくなります。また、肉体周囲からの情報も受け取れなくなります。すると、頭皮がむくんでブヨブヨになったり、過緊張による血行不良でカチカチになったり、頭に状態が現れるようになるのです。【解説】長田夏哉(田園調布長田整形外科院長)


高血圧の予防・改善に「キュウリ」が効果 目安は3本 よく噛んで食べるとよい

高血圧の予防・改善に「キュウリ」が効果 目安は3本 よく噛んで食べるとよい

キュウリは、ビタミン・ミネラル・食物繊維などを含んでいます。なかでも注目すべきは、高血圧の予防・改善に有効な三つの成分が含まれていることです。キュウリは血圧降下成分と、ダイエット効果の二重の作用で高血圧の予防・改善が期待できるというわけです。食べ方のコツは、よく嚙んで食べることです。【解説】工藤孝文(工藤内科副院長)


【更年期の高血圧】血圧急上昇に慌てるな!降圧剤に頼らず改善も可能

【更年期の高血圧】血圧急上昇に慌てるな!降圧剤に頼らず改善も可能

更年期女性の高血圧に対する治療でいちばん重要なのは、生活指導です。更年期の患者さんの多くは、ホルモンバランスが不安定になっていることに加え、子供の自立、親の介護、夫の定年退職など、環境が激変する中で、自律神経の失調状態が起こっているケースが少なくありません。【解説】天野惠子(静風荘病院女性外来特別顧問・循環器内科医師)


最新の投稿


【耳の裏がくさい】わきや汗の嫌な臭いに効果「ミョウバン水」の活用法

【耳の裏がくさい】わきや汗の嫌な臭いに効果「ミョウバン水」の活用法

においを気に病んで消極的になると、もっとにおいが強くなってしまいます。本来、体臭は一つの個性。完全に体臭を消そうとする必要はありません。今の自分に合った、正しいにおい対策を心がけてください。体臭を抑えるために、多くの人にお勧めしているのが「ミョウバン水」です。【解説】五味常明(五味クリニック院長)


【レモン酢が効果】生活改善だけでは下がらなかった血糖値が正常化!7kgやせた

【レモン酢が効果】生活改善だけでは下がらなかった血糖値が正常化!7kgやせた

がんばって生活を改善しても、3ヵ月後の検査では、思うように糖尿病の数値が改善されておらず、がっかりしてしまいました。おいしくレモン酢を飲み続けていたところ、少しずつ血糖値が下がっていきました。そして、1年が経過し受けた健康診断では、あらゆる数値が改善していたのです。【体験談】松本仁美(仮名・販売アルバイト・65歳)


こうじの発酵パワーで美肌になれる!痩せる!「こうじ薬膳レシピ」

こうじの発酵パワーで美肌になれる!痩せる!「こうじ薬膳レシピ」

こうじは、酵素の力で腸内環境を改善するほか、ビタミンB群が疲労回復、肌や髪の若返りの効果を発揮。肥満の解消、血圧や血糖値を下げる効果など、驚くべき発酵パワーを持つこうじを使った料理をお試しいただければ、その効能を実感できます!【料理・栄養計算】検見﨑聡美(管理栄養士・料理研究家)


ラジオを聞けば【認知症予防】になる!聞く力を鍛える「ながらラジオ」のススメ

ラジオを聞けば【認知症予防】になる!聞く力を鍛える「ながらラジオ」のススメ

脳は機能別に、聴覚、運動、伝達、感情、思考、視覚、理解、記憶の八つに大別できます。それを私は「脳番地」と呼んでいます。ラジオは注意を向けて聞こうとするだけで聴覚系脳番地が鍛えられます。それが楽しく聞けていれば理解系や記憶系の脳番地もいっしょに鍛えることができます。【解説】加藤俊徳(加藤プラチナクリニック院長)


むくみ・だるさに即効!エステのゴッドハンドのふくらはぎマッサージのやり方

むくみ・だるさに即効!エステのゴッドハンドのふくらはぎマッサージのやり方

まずは、リンパ管とリンパ節の「お掃除」から始めるのがポイントです。ふくらはぎをゆっくり押すことで、血液やリンパ液が一度止まり、ゆっくり離すことで、ドッと勢いよく流れ出します。その流れに乗せて、一気に老廃物を流し、リンパ管の詰まりを取るのが目的です。【解説】岩谷恭子(カスタリア代表・エステティシャン)