MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【足の爪の切り方】正しく切れば、冷えやむくみが解消 巻き爪も改善する

【足の爪の切り方】正しく切れば、冷えやむくみが解消 巻き爪も改善する

足の爪を切るとき、ほとんどの人は「短くすればいい」「形よく整えればいい」と考え、自己流で爪切りをしていると思います。しかし、爪切りは正しく行うと、巻き爪や角質など指先のトラブルが緩和されるだけでなく、全身の血の巡りが劇的に改善し、全身の健康にさまざまな効果をもたらします。【解説】室谷良子(日本フットケア協会師範)

足の爪の切り方で全身に健康効果アリ!

爪の構造を知ろう

指の切断手術を免れた人もいる

 足の爪を切るとき、ほとんどの人は「短くすればいい」「形よく整えればいい」と考え、自己流で爪切りをしていると思います。
 しかし、爪切りは正しく行うと、巻き爪や角質など指先のトラブルが緩和されるだけでなく、全身の血の巡りが劇的に改善し、全身の健康にさまざまな効果をもたらします。

 私は、古来代々伝承されてきた「血の道療法」(血液の滞りを改善する手当て方法)をベースにした指先ケア方法の指導と普及に取り組んでいますが、その核となる方法の1つが、「爪切り」です。

 25年来の腎臓透析患者で足に壊疽(組織が壊死し腐ること)を起こし、指の切断手術を検討していた人が、2カ月の爪切りで改善し、切断を免れたケースもあります。下肢静脈瘤で足のひどいむくみと疲れに苦しんでいた人が、月1回の爪切りケアで、1年後には症状がほぼ消失したケースもあります。爪切りによる血巡り改善効果は、表に示すとおり、データ的にも実証されています。

爪ケアによる血流の改善効果

正しい爪の切り方を実践することで、足の血流が改善される。

指先の筋肉のゆがみやねじれを取るのが目的

 では、なぜ爪切りを正しく行うと、全身の血流が改善するのでしょうか。実は指先の筋肉は、体の末端の血液を心臓へ戻す「第二の心臓」の役割を果たしているのです。爪の下には、とても細い毛細血管が網目状に広がっており、動脈から静脈へと移り変わる場所になっています。指先の筋肉がスムーズに収縮・弛緩することで、毛細血管にくまなく血液が送られて、心臓へと戻っていきます。

 ところが、指先の筋肉にゆがみやねじれがあると、周囲の血管や神経が圧迫され、毛細血管まで血液が行き渡らなかったり、血流が滞ったりしてしまいます。毛細血管の手前には、「動静脈吻合」と呼ばれる一種のバイパス通路があり、毛細血管がうまく流れないときは、血液はこの迂回路ばかり通ることになります。指先の冷えは、毛細血管まで血液が流れていない典型的な症状です。

 指先の筋肉のねじれやゆがみは、重力の影響や体の使い方のクセなどによって生じますが、爪も大きな要因です。爪の切り方が悪いと、指先にかかる圧力が不均等になったり、指の動きに合わせて爪がうまく動かなくなったりします。

 そこで、私たちが提唱する「正しい爪切り法」では、指先内部の筋肉のねじれやゆがみの解消を目的に、指と爪が自然に動くような形に爪を切ります。
 1回の爪切りで、その場で指全体が弾力を取り戻し、指や爪の血色がよくなります。数分後には、指全体に、やがて足やすね、太ももにまでスーッと赤みがさしてきます。これは筋肉のゆがみが解消され、血巡りがよくなることで起こる現象です。爪切りケアを行うと、「呼吸が楽になった」「冷えやむくみが軽くなった」といった感想を持つ人も多くいます。

覚えておきたい爪切りのコツ

 正しい爪切りの基本は、「指の形」ではなく「爪の形」に合わせて爪を切ること。そのために、爪の中心を見つける作業が重要です。足の爪は手の爪以上にゆがんでいることが多く、指ごとに上下左右にねじれていたり、爪の生え始めの部分が斜めになっていたりします。指の形に合わせて爪を切るとますますゆがんでしまうので、めんどうでも爪切りのたびに、爪の中心を見つける作業を行ってください。

 爪を切るとき、爪にできるだけ余分な圧力を加えないようにすることも大切です。正しい爪切りを行うと、末梢の血流が改善し、爪や周囲の組織にも栄養が行き渡るので、巻き爪や角質、小さくなった小指の爪なども改善していきます。全身の血巡りがよくなれば、冷え症やむくみなども改善し、免疫力もアップして、体が本来備えている自然治癒力も高まります。健康になるための習慣として、ぜひ正しい爪切りを実践してください。

正しい爪の切り方

解説者のプロフィール

室谷良子
滋賀県出身。日本フットケア協会師範。父方・母方に代々伝わる「血の道療法—血液の滞りを改善する手当て法」を研究し、普及・啓蒙活動ならびに全国各地の看護・養護学校での指導や研究発表を行う。監修書に『ピクチャーブック爪のケア・手足のケア技術』(看護の科学社)など。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この記事のエディター
関連記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
症状の原因ははっきりとはわかりませんが人工透析を行う人には老若男女問わずよく現れるものです。これに薬で対応しようとすると体にもっと大きな負担がかかってしまいますし、副作用も心配です。少しでも患者さんの体に負担をかけずに症状をやわらげるのに「手のひら押し」が有効だと思っています。【解説】佐藤孝彦(浦安駅前クリニック院長)
東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル